【お知らせ】
テクノロジーとアートの未来を考える会議イベントを開催
―日英の様々な分野のクリエイティブ関係者が集結―
英国の公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシル(所在地: 東京都新宿区、駐日代表: ジェイスン・ジェイムズ)は、2011年2月12日、13日の2日間、東京・六本木にて、テクノロジーとアートの未来を考える会議イベント「デジタル・クリエイティブ・カンファレンス」を開催します。美術、建築、デザイン、舞台芸術、音楽、メディア・アート、広告、マーケティング、報道など幅広いクリエイティブ分野の日英の関係者と共に、テクノロジーとアートの未来について幅広くディスカッションを行います。
デジタル技術の急速な普及により、日々新しい価値が生み出され、創造性やコミュニケーションの在り方も変化し発展していく今日、アーティストの表現方法や、アート機関と観客との関係性もおのずと変貌しつつあります。
英国では、近年、作品を創作し発表する過程でのデジタル技術の導入や、美術や舞台芸術など芸術のジャンルを横断して他のアーティストとコラボレーションを行うアーティストが増え、注目が高まっています。美術館や劇場などのアート機関でも、観客層の拡大や、より積極的に観客と関わることを目指し、ソーシャル・メディアなどのオンラインツールを戦略的に活用しています。
本会議では、英国で先進的な取り組みを行っているアーティスト、クリエイター、ジャーナリスト、アート関係者をスピーカーに招き、最新の事例を紹介します。日本の関係者とともに、デジタル技術の発展に伴って変化を遂げるアートセクターの現状や今後の可能性について考えます。
ブリティッシュ・カウンシルは、本会議が、日英共通の課題について両国の文化関係者の対話を促進し、日英が共にアートやテクノロジーの新たな可能性の創出を牽引していくきっかけとなることを願っています。
「デジタル・クリエイティブ・カンファレンス」
開催日時: 2011年2月12日(土) 18:30 - 20:30、13日(日) 11:00 - 19:00
会場: アカデミーヒルズ(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー49F)
主催: ブリティッシュ・カウンシル
特別協力: 森ビル株式会社
参加費: 無料 ※要事前予約 ※日英同時通訳付
プログラム:
2月12日(土)
18:00 - 20:30 基調講演、パネルディスカッション「新時代、文化の現場はいかに観客にむかうべきか」 講演番号【A-0212A】
2月13日(日)
11:00 - 13:00 セミナー1「新しいパブリック」【B-0213A】
14:00 - 16:00 セミナー2「ジャンルとコミュニティの拡張」【B-0213B】
17:00 - 19:00 パネルディスカッション「テクノロジーとアート、その未来を考える」【B-0213C】
特設サイト: (当初ご案内したWebサイトでの公開は終了しました)
申込方法: 希望の講演番号・名前・所属・役職を日本語と英語で明記のうえ、メールにてお申込下さい。
参考資料
プログラム詳細
2月12日(土)
18:30 - 20:30 基調講演、パネルディスカッション 講演番号【A-0212A】
基調講演スピーカー:
ビル・トンプソン(BBCジャーナリスト)
パネルディスカッション 「新時代、文化の現場はいかに観客にむかうべきか」
スピーカー:
ビル・トンプソン(BBCジャーナリスト)
ドリュー・ヘメント(フューチャーエブリシング ファウンダー / イマジネーションランカスター アソシエート・ディレクター)
南條史生(森美術館 館長)
五十嵐太郎(東北大学 教授)
ファシリテーター:
大西若人(朝日新聞 編集委員)
2月13日(日)
11:00 - 13:00 セミナー1 「新しいパブリック」 講演番号【B-0213A】
スピーカー:
ジム・リチャードソン(SUMO デザイン マネージング・ディレクター)
相馬千秋(フェスティバル・トーキョー プログラム・ディレクター)
内山光司(GT INC. クリエィティブ・ディレクター)
ファシリテーター:
片岡真実(森美術館 チーフキュレーター)
デジタル技術、ことにソーシャル・ネットワーキング・サービスの普及は個人の日常的なコミュニケーションだけでなく、企業やインスティテューションが目的限定型の顧客や観客へアクセスすることを可能にしました。それによってホールや美術館等のアート・インスティティ―ションやフェスティバル、フェア等では実際に足を運べなくとも活動情報を求める新しい観客がグローバルに広がっています。これはまた芸術文化セクターにおける「パブリック」の概念の再定義を促し、マーケティングや広報にも従来とは異なった手法が急速に求められています。本セッションでは、英国の先進事例や日本での取り組みを紹介しながら、国や言語を超えた観客との新しい関係性の構築について議論します。
14:00 - 16:00 セミナー2 「ジャンルとコミュニティの拡張」 講演番号【B-0213B】
スピーカー:
クレア・レディントン(iShed / パーヴェイシブ・メディア・スタジオ ディレクター)
ダンカン・スピークマン(アーティスト)
竹下暁子(山口情報芸術センター [YCAM] パフォーミングアーツ企画制作)
真鍋大渡(アーティスト / 株式会社ライゾマティス取締役 / Hackers space 4nchor5 Lab 主宰)
ファシリテーター:
住友文彦(キュレーター)
デジタル技術は、いま視覚 / 聴覚 / 身体 / 都市空間に関わる表現をどれだけ自由にしているのでしょうか?ここ最近は、近代以降のメディアの特性を追求する流れが大きく変化し、これまでにはなかった作品制作や鑑賞 / 参加の試みが注目を集めています。とくに英国では、演劇や視覚芸術において多分野の表現者たちが参加することで領域横断的な作品をつくるアーティストが増えています。さらに、それは作品を劇場やギャラリーの外へ連れ出し、愛好家のコミュニティを越えた幅広い層が鑑賞 / 参加する点でも興味深い実験です。今回は、音楽、ゲーム、ストリートカルチャーなどとも融合したこうした新しい試みについて紹介しながら、英国とは社会的な背景が異なる日本の事情とも比較することで、これからの新しい表現の可能性を議論します。
17:00 - 19:00 パネルディスカッション 「テクノロジーとアート、その未来を考える」 講演番号【B-0213C】
スピーカー:
クレア・レディントン(iShed / パーヴェイシブ・メディア・スタジオ ディレクター)
ドリュー・ヘメント(フューチャーエブリシング ファウンダー / イマジネーションランカスター アソシエート・ディレクター)
八谷和彦(メディア・アーティスト)
齋藤精一(株式会社ライゾマティクス代表取締役 / アーティスト)
ファシリテーター:
住友文彦(キュレーター)
これまでの限定された芸術愛好者層を大きく越え、デザイン、サブカルチャーを含む都市全体に広がるコミュニケーションがデジタル技術によって生み出されています。この変化は新しい分野が加わったというよりも、従来の表現をもっと多くの人が参加可能なものにして、さらにこれまでは鑑賞者だった人たちが表現を伝達する側にまわる特徴を持っています。はたして、これによって私たちが知っている芸術やアーティストといった概念も変化していくものなのでしょうか?あるいは、政治、経済、教育、地域共同体などにおいても、人々がどのようにお互いの存在を認め合うのか、という点で、従来の芸術やデザインのあり方を根本から変えていくようなものかもしれません。このセッションでは、地域の創造性をつなぐ機関やフェスティバルのディレクター、広告のクリエィティブ・ディレクター、アーティストなどの立場から現在のデジタル技術が与えているこうした影響について幅広くディスカッションを行います。
スピーカープロフィール(敬称略)
ビル・トンプソン(BBC ジャーナリスト)
英国ケンブリッジを拠点に、ジャーナリスト、コメンテーター、テクノロジーの批評家として活躍。1996年までガーディアンの記者、その後フリーのジャーナリストとして活動し、現在は主にBBCなどのメディアに出演、新聞や雑誌などでも数多く執筆している。1984年からインターネットにかかわる様々な事業に携わり、90年代には、その後に設立された多くのウェブサイトの流れを築いたと言われるガーディアン紙のウェブサイトを設立するなど、テクノロジーの分野に精通する一方、でアート界とのつながりも深く、ロンドンのインスティチュート・オブ・コンテンポラリー・アート(ICA)のほか、映画や文学に関するアート機関などでもボードメンバーを務めている。
http://www.andfinally.com/
ドリュー・ヘメント(フューチャーエブリシング ファウンダー / イマジネーションランカスター アソシエート・ディレクター)
英国マンチェスターを拠点に活動するアーティスト、キュレーターおよびリサーチャー。サウンドとアートの国際フェスティバル、フューチャー・エブリシング(旧:フューチャーソニック)の創始者でディレクター。英国を代表するクリエイティブ・リサーチ・センターであるランカスター大学のイマジネーション・ランカスターのアソシエイト・ディレクターも兼任。フューチャー・エブリシングの革新的な取り組みは国内外で高く評価され、Lever Prize 2010をはじめ様々な賞を受賞するほか、ニューヨークタイムズや BBC などメディアでも数多く取り上げられている。デジタルカルチャー、視覚芸術、音楽、モバイルメディアなどの分野で15年以上にわたり大規模な国際的なプロジェクトに携わり、近年ではオープンデータ、リモートコラボレーションなどに関するプロジェクトを展開している。1999年にランカスター大学で博士号取得し、2009年にはロイヤル・ソサエティ・オブ・アーツのフェローとして選出された。
ジム・リチャードソン(SUMO デザイン マネージング・ディレクター)
2000年に芸術・文化関連のマーケティングやデザインを専門に手がけるクリエイティブ・エージェンシーの SUMO デザインを創設。ヨーロッパの著名な博物館や美術館の広報やマーケティングを手がけ、国際的にも高い評価を得ている。人々がより文化機関と積極的に関わり、アートの観客を進化させることを自身のビジョンとして掲げている。新たなアートの観客層の創出につながるようなリサーチや仕掛け作りを個人の取り組みとしても手がけていて、ツイッターを活用した 「Follow a Museum」 などの企画は大きな反響を呼んでいる。著書 「Manifesto for the MuseumNext」 を2011年に刊行予定。
(リンク先サイトが利用できなくなったため、リンクを削除しました。)
クレア・レディントン(iShed / パーヴェイシブ・メディア・スタジオ ディレクター)
英国ブリストルの映像アートセンター Watershed において、「iShed」 および R & D ラボ「パーヴェイシブ・メディア・スタジオ」のディレクターを務める。産業界、学術界やクリエイティブ・パートナーと協同で、デジタル・テクノロジーやクリエイティブ産業のリサーチを展開。2007年にはクリエイティブ産業間のイノベーションやコラボレーションの推進を目指して 「i-shed」 を設立し、パフォーミングアーティストや劇場とメディアアーティストのコラボレーションプロジェクト、「シアター・サンドボックス」ほか多様なプロジェクトを企画。様々なアート関連組織のアドバイザーも務め、2009年にはワイアード誌において 「Wired World を形成する100人のひとり」にも選ばれた。
www.pmstudio.co.uk/
www.ished.net/
ダンカン・スピークマン(アーティスト)
英国ブリストルを拠点とするアーティスト。個人的・社会的環境における人々の音との関わりを主なテーマとして探求。自身の作品の中にも音を効果的に取り入れ、公共スペースで人々が身体的に感情的に関わりあえるような環境や体験を生み出している。現在は場に反応する作品や、ストリート・ゲーム、演劇パフォーマンスなどを手がけ、ISEA やフューチャーソニックなど英国内外のフェスティバルに参加、活躍の幅を広げている。2008年からはブリストルのパーヴェイシブ・メディア・スタジオでレジデンスを行っている。
duncanspeakman.net/
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(2016年5月26日追記)
一部URLが発表時より変更となりましたので修正しました。