By Tracey

2025年 02月 18日 07:04

Child learns to write, in English classes at the British Council Japan

子どもたちは、初めて文字や言葉を書くよりもずっと前から、ライティングに関する学習を始めています。保護者として、子どもがどのようにしてライティングを学ぶかについて、基本を理解しておくと役立ちます。お子様が英語のライティングを学んでいる場合はなおさらです。 

私たちが言葉を書く時には、自分の思考を視覚化しています。しかし、子どもたちはゲームやダンス、音楽でも自分の考えを表現します。絵を描くこともあるでしょう。幼い子どもはこのような方法で自分の体験や考えを表現しながら、抽象的な思考を身につけることができます。抽象的な思考とは、存在しないものについて考える能力を指します。そしてこの抽象的な思考が、お子様のライティング能力を伸ばすのにも役立ちます。 

子どもが具体性から抽象性へと移り変わるプロセス 

言語は、思考を抽象化して体験や考えを表現する方法です。たとえば、猫を見ると「猫」と表現できます。「4本足のふわふわした動物」と説明する必要はありません。「猫」という言葉がこのふわふわの動物を表していることを私たちは学んだからです。 
 
言語を通じて、私たちは考えを伝えることができます。猫がいないときでも、猫の話をすることができます。先週の猫の行動について書いたり、猫についての本を読んだりすることができます。友人が飼い猫について話しているのを聞くこともできます。 

幼い子どもがフェンスにふわふわした生き物が乗っているのを見たら、猫のふりをしたり、猫の絵を描いたりしてそれを表現するかもしれません。「猫」という言葉を言うこともあります。これらはすべて、抽象的な思考を利用して具体的なものを表現する方法です。 

ライティングを学ぶための4つのステップ 

子どもたちが文字を書くことを学ぶ際には、単語の音を文字で表現します。つまり、ライティングを始める前に、口頭で英語のしっかりとした基礎を身につける必要があります。英単語を書く前に、発音を知らなくてはいけません。ライティングを学ぶプロセスは、おおよそ以下のとおりです。 

  • ステップ1. 見る:子どもがフェンスの上のふわふわした生き物を見ます。あれは何でしょうか? 
  • ステップ2. 行動する:子どもは、ふわふわした生き物をさまざまな方法(ダンス、絵、彫刻、パントマイム)で表現しようとします。 
  • ステップ3. リスニング:子どもは、人々が話し言葉/kæt/を使ってふわふわした生き物を説明するのを聞きます。ふわふわした生き物を「猫」という言葉で表現できることに気づき始めます。 
  • ステップ4. リーディングとライティング:子どもは、c-a-t(猫)という文字が英単語/kæt/の音を表すことを理解し始めます。  

私たちはよく、子どもたちにライティングを始めるように促します。しかし、ご覧のとおり、ライティングはプロセスの最後のステップです。お子様にライティングを教える際は、ステップ2とステップ3を省略しないでください。これらのステップは、お子様の思考が発達するプロセスに沿ったものであるため非常に重要です。 

あなたの期待は妥当ですか? 

ライティングの学習プロセスを把握しておくと、子どもの発達段階に合わせた期待を保てます。お子様が幼いうちは、まだ抽象的な思考を発達させている最中です。ですから、文字を書き写させてライティングを「教える」のは意味がありません。英語学習を始めたばかりの場合はなおさらです。幼いお子様が学校で英語での書き方をまだ習っていなくてもご心配なく。子どもたちは、英語で上手にコミュニケーションする方法を学ぶのに必要な基礎を築いているところなのです。 

子どもの英語での読み書きの能力を伸ばすためのアドバイス 

幼い子どもが新しい言語を習得するには、それを吸収する時間が必要です。子どもたちは、歌、韻、物語など言葉に富んだ環境に浸ることで英語の書き方を学びます。言語に常に触れることにより、新しい言語を使って話し、書き、物事を表現するようになります。お子様に英語の読み書きに興味を持たせる方法をご紹介します。 

  • ​​​一緒に英語のお話をたくさん読みましょう。子ども向けの物語には、子どもが親しみやすい豊かな表現や、韻を踏んだ言葉がたくさん出てきます。小学生向けの英語の本については、こちらをご覧ください。 
  • 一緒に英語のゲームで遊びましょう。LearnEnglish Kidsで多数の例を紹介しています。 
  • 子ども向けの英語の歌や韻を口ずさみましょう。歌や韻文を通して、お子様を英語の世界に浸らせましょう。ブリティッシュ・カウンシルのLearn English Kidsは無料のウェブサイトであり、このアクティビティを始める際に役立つ さまざまな曲をご紹介しています。 
  • 一緒に部屋の中で踊りましょう。これが英語のライティングとどう関係しているのか疑問に思われるかもしれません。ダンスや運動を通して子どもたちが身につける運動能力には、バランス感覚や姿勢も含まれます。これらは、お子様が鉛筆を握ってまっすぐな線を書くのに必要な細かい運動能力を養うのに役立ちます。また、姿勢が良いと、教室の机に座る際にも快適に過ごせるようになります。この歌の動画で紹介しているダンスの動きをヒントにしてください​​https://www.youtube.com/watch?v=VsgpUHUYuJI    
  • 子どもに 遊ぶ時間を 与えましょう。子どもはごっこ遊びをしながら抽象的な思考能力を身につけ始めます。これは言語学習における重要なステップです​​。 
  • 一緒にアートや工作に取り組みましょう。これも、将来のライティングスキルの向上に役立つ方法です。子どもたちは、工作やアートを通じて自分の考えや体験を表現することで、抽象的な思考力を身につけていきます。また、切り貼りやお絵描きをしたり道具を持ったりすることで、細かい運動能力も発達します。これにより、鉛筆を握って文字や単語を書くのに必要なコントロール能力を養うことができます。 
  • 読み書きが日常生活において意味と目的を持つことを子どもに示しましょう。一緒に英語のお買い物リストを作ります。お子様がまだ文字や単語を書けなくても、子どもが品物を口頭で伝え、保護者が書き留めるという形でかまいません。それを通じて、読み書きに意味があることを理解できます。スーパーでお買い物リストの読み方を見せて、お子様の好きな食べ物を買ってあげましょう! 
  • ボールを使って簡単な単語を発音しましょう。交互にボールの投げ合いをします。その際、簡単な英単語のスペルを読み上げていきます:d-o-g, p-i-g, d-u-ck, e-g-g, b-e-d, c-u-p, b-o-o-k,などです。わからない英語の音がある場合は、このhttps://learnenglish.britishcouncil.org/en/apps/learnenglish-sounds-right無料の音素表アプリをBritish Council's Learn Englishウェブサイトからダウンロードしてください。 
  • 英語の文字や単語を楽しく作りましょう。順番にお互いの背中に文字を書いて、その文字を当てます。ビーチの砂の上で線をなぞって文字や単語を書いたり、石鹸や泡でお風呂の壁に線や文字を描いたり、https://www.youtube.com/watch?v=NM-KbR6lCDEシェービングクリームをトレイにスプレーして波線、ジグザグの線、文字を描いたり。車の曇った窓に絵や線、文字や言葉を書いてもらったり、パスタや米、棒や色付きの布を使って文字を作ってもらったりしましょう。  

お子様がライティングを学ぶ道のりは長く感じられるかもしれませんが、急かすのは得策ではありません。道中の景色を楽しみましょう。素晴らしい旅になりますよ!