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Streetwise Opera Photo: Asa Westerlund

Date
2019年 08月 20日 (火曜日)
13:0015:00
会場
ことぶき協働スペース(神奈川・横浜市)

近年、日本のみならず世界各地において、悪化する雇用情勢や、高齢化等に伴う単身世帯の増加といった社会変化に伴い孤立や貧困といった課題が表面化しています。こうした課題にアプローチするために、福祉や医療といった従来のサポートだけでなく、様々なセクターの壁を超えた協働が各地で行われています。こうした状況を受け、英国で、オペラや音楽を体験することによりホームレスの人々が前向きに社会と関わりを持てるようになれる機会を提供している芸術団体「ストリートワイズ・オペラ」の関係者を招き、孤立や貧困などの課題解決に向けたセクターを超えた協働とその効果検証をテーマにしたワークショップを実施します。

ストリートワイズ・オペラは、2002年の創立以来、ホームレス支援者やプロの音楽家と協働し、英国各地で年間合計数百名以上のホームレスの人々を対象とした音楽ワークショップを定期的に実施するほか、ホームレスの人々とプロの音楽家のコラボレーションにより芸術性の高い大規模な作品の制作を行っています。さらに、プロジェクトの効果検証にも力を入れており、ストリートワイズ・オペラの活動に参加することで、ホームレスの人々の自信やQOLがどのように向上し、社会とのつながりを取り戻したかなど、プロジェクトの短期的・長期的な効果を検証し、アドボカシーへとつなげています。近年、ストリートワイズ・オペラの働きかけにより、マンチェスター市やエジンバラ市では、衣食住だけでなくアートもホームレス支援施策の中に取り入れていこうとする動きも広まっています。

ストリートワイズ・オペラの活動や英国の状況を紹介するとともに、活動のビジョン設定、効果検証の手法をワークショップ形式で具体的にご紹介します。

【開催概要】
日時:2019年8月20日(火)13:00-15:00
会場:ことぶき協働スペース(横浜市中区寿町4−14 横浜市寿町健康福祉交流センター2階)
参加費:無料(逐次通訳つき)
定員:30名 (先着順)
主催:ブリティッシュ・カウンシル
共催:NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ
協力:アーツコミッション・ヨコハマ(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
対象:
横浜市寿町を拠点に活動しているNPO、行政関係者、アート関係者、そのほか生きづらさを抱える方とのアートプロジェクトに関心のある方
申込方法:オンラインフォームからお申込みください。 

【ストリートワイズ・オペラからの参加者】
- マット・ピーコック(ウィズ・ワン・ボイス ディレクター)
- ケイティ・ブルース(ストリートワイズ・オペラ モニタリング・エバリュエーションマネージャー)ほか

【プロフィール】
マット・ピーコック(ウィズ・ワン・ボイス ディレクター)
世界各地でアートとホームレスセクターの活動を結び付け、ホームレス政策におけるアートの重要性を訴求するプロジェクト「ウィズ・ワン・ボイス」のディレクター。オペラ批評家やホームレス支援の仕事などを経て、2002年にストリートワイズ・オペラを設立。ゴードン・ブラウン元英首相の著書「ブリテンズ エブリデイ ヒーローズ」の中で、英国で活躍する社会活動家30名の中の一人として紹介されたほか、2011年には大英勲章MBEを授与。日本では、2009年、2015年に大阪・釜ヶ崎および横浜・寿町においてワークショップを開催した。

ケイティ・ブルース(ストリートワイズ・オペラ モニタリング・エバリュエーションマネージャー)
ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)にて開発学(音楽)修士号取得後、2015年よりストリートワイズ・オペラに参加し効果測定を担当。モニタリング、データ収集を行うほか、フォーカスグループの実施、アニュアルレポート作成のためのデータ分析などに従事。ストリートワイズ・オペラでの仕事に加え、アイリーン・テイラー・トラストにてプロジェクト・コーディネーターとして、ニートの若者や元囚人との音楽プロジェクトを実施するほか、NGO「国境なき音楽家」とSOASと協働し、エルサルバドルやパレスチナ、ルワンダで、音楽が平和にいかに貢献するかというリサーチプロジェクトを行っている。

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ストリートワイズ・オペラについて
ホームレスの人々が、オペラをはじめとするプロフェッショナルで質の高い音楽作品の制作に携わることを通じて、彼らがより前向きに社会と関わりを持てるようにし、また一般の人々のホームレスに対するイメージをポジティブに変えていくことを目的に設立された英国のアート団体。ホームレス支援者やプロの音楽家と協働し、英国各地でホームレスの人々を対象とした音楽ワークショップを定期的に実施するほか、ホームレスの人々とプロの音楽家のコラボレーションにより大規模な作品の制作を行っている。さらに、イングリッシュ・ナショナル・オペラやスコティッシュ・オペラほか芸術団体を対象にしたトレーニングも展開し、社会的弱者である人々を対象にした参加型の音楽ワークショップを運営できるリーダーの育成も行っている。一般の人々のホームレスに対するイメージをポジティブに変えていくことにも大いに貢献しており、2002年の設立以降、その取組みがメディアでも数多く取り上げられるなど、英国内外で高い評価を受けている。

ウィズ・ワン・ボイスについて
オペラや音楽を体験することにより、ホームレスの人々が前向きに社会と関わりを持てるようになれる機会を提供している英国のアート団体「ストリートワイズ・オペラ」が2012年のロンドン五輪をきっかけに立ち上げたイニシアティブ。ロンドン五輪の際には、総勢300名の英国各地のホームレスが参加するパフォーマンスをロイヤル・オペラ・ハウスで開催し、オリンピックの歴史上、はじめてホームレスの人々にスポットライトが当たったプログラムとして大きな注目を集めた。ロンドン五輪でのレガシーをリオでも継承すべく、ブラジルの政策関係者やアート団体、アーティストとの交流プログラムを展開し、2016年のリオ五輪では公式文化プログラム「セレブラ」の一環として、ホームレスとアートをテーマにした国際交流事業を開催。ブラジルや日本など世界各国におけるアートとホームレスの状況が共有され、リオデジャネイロのホームレスによる演劇作品や100名を超える合唱隊によるパフォーマンスなどが披露された。ロンドン、リオから続くこの事業を、2020年に向けて日本でも展開し国際的なアートとホームレスの運動に発展させていくことを目指している。近年ウィズ・ワン・ボイスの働きかけにより、マンチェスター市やエジンバラ市では、衣食住だけでなくアートもホームレス施策の中に取り入れていこうとする動きが広まり、その成果に注目が高まっている。

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