新型コロナウイルスによるパンデミックをきっかけに、英国ではさまざまな文化芸術コンテンツのオンライン化が進んでいます。禍中の2020年8月には、Attitude is Everythingからオンライン音楽イベントのアクセシビリティについてのガイドブックが発行され、障害のある人もアクセスしやすいオンラインコンテンツ作りの指針として役立てられています。この『オンライン音楽イベント用アクセシビリティ・ガイドブック』の日本語版PDFが、ご利用いただけるようになりました。
オンラインコンテンツのプロモーションや運営に携わる方はぜひ、以下からダウンロードいただき、障害のある人も含むあらゆる人々が利用しやすいオンラインイベントの開催にご活用ください。
『オンライン音楽イベント用アクセシビリティ・ガイドブック』とは
コンテンツの急速なオンライン移行により、障害のある人のイベント参加で主催者側が配慮すべき課題が顕在化してきました。「アーティストの見た目や会場がどのようなものかを知る説明がない」、「音声の代わりとなる字幕などのオプションが用意されていない」といった実施時の課題のほか、「宣伝画像に含まれる情報が読み取れないためにイベントの開催を知ることができない」といった告知の課題まで、その内容は多岐にわたります。このガイドブックでは、障害のあるアーティストやファンからヒアリングした意見をもとに、そうした障壁を取り除くための解決策を紹介しています。
具体的には、「プログラムの立て方やプラットフォームの選び方」など企画時に考慮すべきこと、「字幕の付け方」や「音声ガイド作成のポイント」などアクセシビリティを高めるためのヒント、「効果的なイベント情報の発信の仕方」といった告知のノウハウまで、準備段階別に解決策がまとめられているので、必要な情報を素早く見つけることができます。
その他イベントで役立つバリアフリー・ガイドブック
Attitude is Everythingでは、このほかにもさまざまなガイドを無料公開しています。日本語版は、上記の『オンライン音楽イベント用アクセシビリティ・ガイドブック』のほか、『自分で工夫できるバリアフリー・ガイドブック』と『バリアフリーはオンラインから-ライブ演奏会場施設のためのバリアフリー情報ガイドブック』『バリアフリーはオンラインから-音楽フェスティバルのためのバリアフリー情報ガイドブック』の3つが用意されています。併せてご利用ください。
Attitude is Everything（アティチュード・イズ・エブリシング）について
2000年以来英国のライブ音楽業界を支援している、障害者主導型のチャリティ団体です。ろう者や障害のある人に覆面調査員としてコンサートやイベントに参加してもらい、その報告をもとにガイドラインを作成しています。ライブハウスやコンサート・ホール、音楽フェスティバルの運営者と協力しながら、あらゆる人が同じように楽しめるバリアフリーな会場作りのための支援と、障害のある人と音楽・イベント業界とをつないで、アクセシビリティの向上を目指す活動を行っています。