2008年 07月 18日 (金曜日)

[共同発表資料]
NPO 法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(JCDN)
ブリティッシュ・カウンシル

ダンスが日本を救う!?
~日本におけるコミュニティダンスの確立に向けて~
日英の専門家によるシンポジウム、8月に東京と京都で4日間開催

NPO 法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(JCDN)と、英国の公的な国際文化交流機関
ブリティッシュ・カウンシルは、2008年7月から2009年3月にかけて日本各地で展開する「Dance Life Festival 2008」のオープニングイベントとして、ダンスを通じた地域活性化や子どもの創造力育成をテーマとしたシンポジウムを、英国より専門家を招き、8月8日(金)、9日(土)に東京で、8月12日(火)、13日(水)に京都で開催いたします。

コミュニティダンスとは、子どもから高齢者まで障がいのあるなしにかかわらず、一般の人々がダンサーとともに地域や教育現場などで行う創造的な活動の総称で、英国では 1970 年代から広まってきました。社会を活性化させ、人々の表現力やコミュニケーション能力を育むという観点から、英国では地域や学校をはじめ、少年院などの更正施設でもダンスが積極的に取り入れられています。

シンポジウムでは、英国文化政策の中心的な役割を果たすアーツカウンシル・イングランド、英国内外においてコミュニティダンスの普及に努めるコミュニティダンス財団、ロンドンを拠点とするダンス専門の劇場、サドラーズウェルズシアターで実践的な活動を行っている専門家達が、英国の取り組みや具体的な事例について紹介します。 また、日本でアートや教育の分野で積極的に活動している専門家の方々が日本の事例を紹介し、日英の専門家がディスカッションを行います。東京と京都でのシンポジウムを通して、ダンス・教育関係者、アート NPO など参加者の方々と共に、地域や教育現場においてダンスが果たす役割や、継続した活動のための仕組み作りや手法について探ります。

<参考資料>

東京/京都でのシンポジウム概要、スピーカープロフィール

■ シンポジウム I (東京会場) 
「ダンス=アートの力で日本を変革していくために、我々は今、何をすべきか
-英国コミュニティダンスの発展を参考に、今後の日本の方向性を考える、話し合う-」

主催:NPO 法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(JCDN) 、ブリティッシュ・カウンシル
提携:世田谷パブリックシアター
助成:大和日英基金/アサヒビール芸術文化財団
後援:世田谷区
日時:2008 年 8 月 8 日(金)  13:00~17:00 (終了後懇親会)
                 8 月 9 日(土)  13:00~17:00 
場所:世田谷文化生活情報センターセミナールーム
定員:80 名

パネリスト
 ● ケン・バートレット(コミュニティダンス財団 クリエイティブディレクター)
 ●  フィオナ・ロス(サドラーズウェルズシアター コネクト部門 代表)
 ●  ジェイミー・ワットン(アーツカウンシル・イングランド シニアストラテジーオフィサー[ダンス])
 ●  吉本光宏(ニッセイ基礎研究所 芸術文化プロジェクト室長)
 ●  加藤種男(アサヒビール芸術文化財団 事務局長)

モデレーター
 ● クリストファー・バナーマン(ミドルセックス大学 ResCen  所長)
 ●  奥山緑(世田谷パブリックシアター 制作部長)
 ●  佐東範一(NPO 法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク〈JCDN〉)

プログラム
【8 月 8 日 [ 】13:00-17:00  (開場 12:30)
 一部  13:00-14:00
「英国におけるコミュニティダンスの発展と現在」
ケン・バートレット(コミュニティダンス財団 クリエイティブディレクター)
 二部 14:15-15:15
「地域に根ざしたアートセンターとしてのコミュニティダンスの取り組み」
フィオナ・ロス(サドラーズウェルズシアター コネクト部門 代表)
三部 15:30-17:00
 「どのような評価基準を作り、外部に働きかけていくか」
ディスカッション

【8 月 9 日[土]】13:00-17:00  (開場 12:30)
四部 13:00-14:00
「コミュニティダンスに対するアーツカウンシルの取り組み」
ジェイミー・ワットン(アーツカウンシル・イングランド シニアストラテジーオフィサー[ダンス])
五部 14:15-17:00 
「日本においてどのようなシステムを作っていくのか? 課題と今後の方向性」
ディスカッション

■ シンポジウムII (京都会場)
「日本の教育に必要なこと=生きるために必要なコミュニケーション力と創造力を育てること
-なぜ、教育の中にダンスが必要なのか、英国の取り組みと日本での今後の課題について-」

主催:NPO 法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(JCDN) 、ブリティッシュ・カウンシル
共催:京都芸術センター/子どもとアーティストの出会い
日時:2008 年 8 月 12 日(火)  13:00~17:00(終了後懇親会)
         8 月 13 日(水)  13:00~17:00 
場所:京都芸術センター
定員:150 名

パネリスト
 ● ケン・バートレット(コミュニティダンス財団 クリエイティブディレクター)
 ● フィオナ・ロス(サドラーズウェルズシアター コネクト部門 代表)
 ● クリストファー・バナーマン(ミドルセックス大学 ResCen  所長)
 ● 堤康彦(NPO 法人芸術家と子どもたち代表)
 ● 糸井登(宇治市立菟道第二小学校 教諭)

モデレーター
 ● 井手上春香(子どもとアーティストの出会い代表)
 ● 佐東範一(NPO 法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク〈JCDN〉代表)

プログラム
【 8 月 12 日[火]】 13:00-17:00  (開場 12:30)
一部 13:00-14:00
「コミュニティにおけるダンス-教育現場におけるダンス その関連性」
ケン・バートレット(コミュニティダンス財団 クリエイティブディレクター)
二部 14:15-15:15
「子どもの創造教育を支える地域のアートセンターの役割」
フィオナ・ロス(サドラーズウェルズシアター コネクト部門 代表)
三部 15:30-17:00
「日本の現状と課題」
堤康彦(NPO  法人芸術家と子どもたち代表)、糸井登(宇治市立菟道第二小学校教諭)

【 8 月 13 日[水]】13:00-17:00  (開場 12:30)
四部 13:00-14:15
「継続的に活動していくためには? ファンドレイジングの手法やより良いパートナーシップのあり方について」
クリストファー・バナーマン(ミドルセックス大学 ResCen  所長)
ケン・バートレット(コミュニティダンス財団 クリエイティブディレクター)
フィオナ・ロス(サドラーズウェルズシアター コネクト部門 代表)
五部 14:30-17:00
「日本でのこれからの進め方-ネットワークの可能性について」
ディスカッション

≪ シンポジウムⅠ、Ⅱ共通情報 ≫
*全日程日英同時通訳が入ります
*参加費:2,000 円(1 日のみ)/3,000 円(2 日間通し)
*問合・申込:JCDN事務局  電話:075-361-4685  ファックス:075-361-6225  

■ シンポジウム・パネリスト プロフィール
ケン・バートレット Ken Bartlett  [東京会場・京都会場]
コミュニティダンス財団 クリエイティブディレクター
コミュニティダンス財団の方針を決める立場にあり、異文化間の対話、多様性、障害者へ働きかけるような国内外のプログラムを主に手がけている。多くの人がダンスに触れ、実際に参加できる環境づくりのアドボカシー活動も行う。教師、学校における芸術検査官などを経て、1995 年にコミュニティダンス財団に所属。現在ヨークシャー・ダンスの理事も務め、アメリカ、オーストラリア、南米、欧州各地での指導、講演などをおこなう。財団のコミュニティダンス雑誌『Animated』にも執筆。

フィオナ・ロス Fiona Ross  [東京会場・京都会場] 
サドラーズウェルズシアター コネクト部門 代表
ローハンプトンインスティチュートでダンスと社会学を専攻。ランベール・ダンス・カンパニーで教育部門ディレクターを務め、2002 年にはシティ大学でアートマネージメント修士号を取得。2005 年サドラーズウェルズシアターに、コミュニティ・教育部門であるコネクトの代表として参画。コネクトでは、アーティスト等とともに、さまざまなプロジェクトや創造的な学習を広めるための企画を実施。現在ロンドン・サウスバンク大学でダンスマネージメントのコースリーダーやクリエイティブ・イズリントン議長なども務めている。

ジェイミー・ワットン Jamie Watton  [東京会場] 
アーツカウンシル・イングランド シニアストラテジーオフィサー[ダンス]
1990 年ラバンを卒業。ダンサーとして数々のカンパニーと共演。1993 年には自身のカンパニーを立ち上げ、巡回公演や映像作品などを英国内外で発表。数多くのダンスカンパニーやコミュニティとの作品制作でも実績を積んだ後、2001 年から徐々にダンスをマネージメントする立場へとシフトし、アーツカウンシル・イングランド・サウスイーストのダンス担当官を経て 2007 年から現職。イングランドのダンス政策全般に関わるほか、デジタル分野での発展や多様性の促進などに力を注ぐ。ラバンの客員講師を務めるほか、数々の大学で教鞭を執っている。

クリストファー・バナーマン Christopher Bannerman  [東京会場・京都会場]
ミドルセックス大学 ResCen  所長
ロンドンのミドルセックス大学にあるアーティストの創作プロセスを研究する機関 ResCen(the Centre for Research into Creation in the Performing Arts  )所長。ダンサー、振付家、芸術教育者として長いキャリアを持ち国際的に活躍。ダンスUK  の議長やアーツカウンシル・イングランドのダンス部門の専門委員を経て、現在クリエイティブ・パートナーシップ・ロンドン・ノース議長、ルーラル・リトリーツのファシリテーター、英国文化・メディア・スポーツ省のダンスフォーラムメンバーなどを務めている。

吉本光宏 Mitsuhiro Yoshimoto  [東京会場]
ニッセイ基礎研究所 芸術文化プロジェクト室長
早稲田大学大学院修了(都市計画)後、社会工学研究所等を経て 1989  年からニッセイ基礎研究所に所属。各地の文化施設開発のコンサルタントとして活躍するほか、文化政策、アートNPO  、クリエイティブシティ等の調査 研究に取り組む。現在、文化審議会政策部会委員、創造都市横浜推進委員会委員長、東京芸術文化評議会専門委員、東京藝術大学大学院非常勤講師、NPO  法人ST  スポット横浜副理事長、アートNPO  リンク理事等。著書に『アート戦略都市』(監修)ほか多数。

加藤種男 Taneo Kato  [東京会場]
アサヒビール芸術文化財団 事務局長
アサヒビール芸術文化財団事務局長、および横浜市芸術文化振興財団専務理事を兼務。ほかに、企業メセナ協議会研究部会長、日本 NPO  センター評議員、文化経済学会理事などを務める。専門は文化政策、芸術社会論、NPO  。著書に、『社会とアートのえんむすび??つなぎ手たちの実践』(共著)、『環境経営戦略事典』(共編著)、『新訂アーツ・マネジメント』(共著)ほか。

堤 康彦 Yasuhiko Tsutsumi [京都会場]
NPO  法人芸術家と子どもたち 代表
1987  ~97  年東京ガス勤務。その間に会社が開設したホールやギャラリーでダンス・音楽・美術等の舞台公演や展覧会のシリーズ企画をプロデュース。退社後、芸術普及 NPO  や大阪府立大型児童館の勤務を経て、1999  年より独立。現代芸術家を小学校等へ派遣しワークショップ型授業を実践する活動=エイジアスをスタート。2001  年NPO  法人化。2004  年、東京都豊島区の廃校(にしすがも創造舎) に拠点を移し、地域向けプロジェクト「ACTION!」を始動。学校教育と地域(まち)の2 つのフィールドで子どもに関わる事業を展開する。

糸井 登 Susumu Itoi [京都会場] 
宇治市立菟道第二小学校 教諭
教育貢献活動推進協議会(CE  協議会)理事、NPO  法人芸術家と子どもたち アドバイザー
「総合的な学習の時間」が始まる以前から、企業やアーティスト、NPO  等と協力して、新しい授業実践、教材開発などを行っている。「子どもの豊かな感性を育むアートワークショップの試み」にて、第一回学事出版教育文化賞優秀賞受賞。2007  年度から池田修京都橘大学准教授とタッグを組み、若手教員、教師志望の学生を対象とした教育研究サークル「明日の教室」を主催。