ブリティッシュ・カウンシル主催
日本と英国の学校をつなぐ学校間国際交流について考える集い
「ジャパン・コンファレンス 2008」、日本初開催
8 月 18 日(月)・19 日(火)
英国の公的な国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシル(東京支部:東京都新宿区、駐日代表:ジェイスン・ジェイムズ)は、日英の学校をつないで学習活動を展開する「学校間交流(スクール・リンク)」が国際教育や外国語教育に果たす役割について、日英の教育関係者や専門家と考える会議を開催します。
英国では 2010 年までに「全校が海外の学校とリンク(交流)を持つ」、「全小学校が現代外国語教育を提供する」という教育分野における国家戦略のもと、日本との交流や日本語教育への関心が高まっています。これを受け、ブリティッシュ・カウンシルは、2000 年より日本と英国の児童・生徒が学校カリキュラム内で体験できる国際交流活動を支援して参りました。
「ジャパン・コンファレンス」は、日英の学校間交流をより充実したものにするためにブリティッシュ・カウンシル本部が 2006 年から毎年ロンドンで開催しています。日本で会議を開催するのは今年が初めてです。
約 180 名の日本の教育専門家や現場で活動する教師らが教育における国際協力について議論する貴重な機会となります。
初日は、英国児童・学校・家庭省言語長官リッド・キング博士が基調講演し、英国で学校カリキュラムに国際的な視点を積極的に導入する政策について紹介します。このほか、会議では、今年 5 月に開催された日英交流事例紹介コンテスト「日英スクール・リンク・コンテスト」の受賞式を行います。
2 日目には、交流活動を実施している日英の学校教員が事例発表を行います。効果的な交流アイディアをご紹介し、初めて学校間交流に触れる参加者にも分かりやすく説明します。
「ジャパン・コンファレンス 2008 -国際理解のための学校間交流-」 概要
日 時:2008 年 8 月 18 日(月) 10:30 - 16:50/8 月 19 日(火) 9:30 - 16:00
会 場:京王プラザホテル 南館4階扇 (東京・新宿)
発表者:リッド・キング 博士(英国児童・学校・家庭省 言語教育長官)他
対 象:国際教育・英語教育関係者、関連学会関係者、小中高の学校長・教員
その他:参加費無料/定員 180 名/通訳付
プログラム:詳細は、ホームページをご確認ください。(当初ご案内したWebサイトでの公開は終了しました)
主 催:ブリティッシュ・カウンシル/共催・協賛 大和日英基金
後 援:文部科学省、東京都教育委員会、英国日本協会
<参考資料>
■ 基調講演者 リッド・キング 博士 (英国児童・学校・家庭省 言語教育長官)
英国の言語政策の国家戦略(ナショナル・ランゲージ・ストラテジー*)の開発・施行を担当。初等・中等教育から専門学校や大学、ビジネスの場面など、あらゆる世代を対象に外国語学習の意欲を高め、語学学習の多様な機会を広げ、より充実させることを目指しています。言語教育情報センターのディレクターを11 年間務め、2003 年 9 月から現職。言語政策の効果的実施並びに同政策の最重要項目、キーステージ(7-11 歳)の全児童に対する外国語学習導入(2009 年度までに達成を目指す)に関与するほか、主要パートナー組織と言語学習を推進し、言語に関する戦略的アドバイスを大臣向けに提供しています。
*National Languages Strategy
“Languages for All: Languages for Life” (全ての人のための言語:生涯にわたる言語)と題したこの方策は、2002 年、英国教育技能省(現英国児童・学校・家庭省)から発行された文書で、英国政府が国民の言語運用能力を変革する計画を明確にしたものです。 国民の外国語能力を段階的に身に付け、学習意欲を育むための改革の概要を示しています。また、学校や生涯教育の中で、言語学習の機会を充実拡大するための計画概要も提示しています。学校段階においては、全小学校が 7-11 歳の学級に対して、現代外国語学習を導入し、指導法を改善する指針が挙げられています。
■「UK-Japan スクール・リンク・コンテスト」 表彰式 日英入賞校の教員・生徒が合同参加
ブリティッシュ・カウンシルは、5 月 1 日(木)~6 月 13 日(金)に、日英で学校間交流活動を展開する学校を対象に、交流活動事例の応募コンテストを実施しました。入賞校は、ジャパン・コンファレンス初日である 8月 18 日(月)に表彰されます。
このコンテストでは日英で交流する学校同士がペアとなり、「わたしたちと英国(日本)の友達との交流活動」をテーマにしたポスターまたは映像作品を通して表現しました。22 校(参加児童・生徒総数 2,980 名)が応募し、金賞に選ばれた学校には、相手校への一週間の相互訪問の旅が贈呈されます。
【小学校の部】
金賞 杉並区立天沼小学校(東京都)
ウェアヘッド・プライマリー・スクール(英国ダラム)
交流活動テーマ『物語作りとお天気交換日記』
【中・高等学校の部】
金賞 土市立住吉中学校(熊本県)
フィリップス・ハイ・スクール(英国マンチェスター)
交流活動テーマ『地域紹介と環境』
■「ジャパン・コンファレンス 2008」 -国際理解のための学校間交流- 開催の背景について
日英両国で高まる国際交流への関心
英国で学校間交流が積極的に導入された背景には、2002 年に前教育大臣チャールズ・クラークが導入した「2010 年までに(英国の)全ての学校が海外の学校と交流(リンク)を持つ」という国際戦略(英国教育技能省(現英国児童・学校・家庭省)発行)があります。また、外国語学習と運用能力の改善のため、2010年までに小学校で外国語学習の機会を与えることも設定されました。日本語が外国語学習の指定 8 言語のひとつとして定められていることも日本の学校との学校間交流を加速させています。2007 年には、中等教育のカリキュラム改定があり、教育の中に国際的な視野を取り入れることの重要性が再認識されました。
一方、日本では、国際教育の充実のため、児童・生徒の国際理解、教育活動における情報通信技術(ICT、Information and Communication Technology の略)の活用、英語学習が促進されています。また小学校英語活用の導入を通して、幅広い言語に関する能力や国際理解の基盤を培うため、英語の音声や基本的な表現に慣れ親しみ、言語や文化に関する理解を深めるとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成することが求められつつあります。これらの課題の充実策のひとつとして、日本の学校がこれまで以上に積極的に英国と交流を持つようになっています。
ブリティッシュ・カウンシル日英学校間交流プログラム - 毎年約 100 校が参加 -
ブリティッシュ・カウンシルの日英学校間交流プログラムは、2000 年より英国児童・学校・家庭省の支援を受け、小・中・高等学校の教員や児童・生徒を対象に、日英を結ぶ学校教育のパートナーとして、学校間国際交流活動を推進しています。同年代の子どもたちが、交流活動を通して、異文化を理解し、国を越えて広い視野を持ち、コミュニケーション能力を身につけ、世界の人々と協調して生きる能力を育む機会を提供しています。
ブリティッシュ・カウンシルは交流活動運営のために、日英の学校にサポートを無料で提供しています。
• 交流活動のためのパートナー校の紹介
• 教員向けワークショップ・セミナーの開催
• 学校間交流ウェブサイトによる交流活動のアイディア提供
• 学校訪問等に関する相談受付
毎年新たに日英の約 100 の学校が、ブリティッシュ・カウンシルのプログラムを通して交流活動を開始しています。
英国で生まれた日英教育連携会議「ジャパン・コンファレンス」
日英の学校間交流をより充実したものにするために、ブリティッシュ・カウンシル英国本部は、2006 年からロンドンで英国の学校カリキュラムに日本文化や日本語についての内容を盛り込んだ実践例を紹介し、日英の学校間交流や英国における日本語教育を促進することを目的とした「ジャパン・コンファレンス」を、在英日本国大使館、国際交流基金、国際観光振興機構、英国日本協会と共催してきました。英国で開催されるこの会議には毎年日英から約 100 名の教育関係者が参加しています。
この会議等の取り組みにより、英国では日本の学校との連携に対する関心がさらに高まり、日本の学校と交流を希望する英国の学校が常時約30校以上も待機しているという状況が続いています。
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(2016年5月26日追記)
一部URLが発表時より変更となりましたので修正しました。