2009年 01月 19日 (月曜日)

ブリティッシュ・カウンシル設立75周年記念
チーフ・エグゼクティブ(最高執行責任者)、マーティン・デイビットソン来日

英国の公的な国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシルは、2009年に設立75周年を迎えました。
1934 年に設立されて以来、ブリティッシュ・カウンシルは、文化交流を通して、英国と世界の国々の間で信頼と理解を築いて参りました。今後は、一層、異文化間の対話を促進し、さまざまな人々が知的経済に参加する機会を創出し、気候変動に関する若者の意識を高めるために活動をして参りたいと思います。

設立75周年を記念して、ブリティッシュ・カウンシルの代表でチーフ・エグゼクティブ(最高執行責任者)を務めるマーティン・デイビッドソンが、1月25日(日)~1月27日(火)まで来日します。

また、1月26日(月)には、国際交流基金と共催で、国際文化交流(Cultural Relations)についてのシンポジウムをブリティッシュ・カウンシルで開催します。基調講演では、マーティン・デイビッドソンと国際交流基金小倉和夫理事長が、日英、それぞれの立場から国際文化交流について各国の政策、課題、問題意識等などについて紹介します。詳細については、別紙リリースをご参照いただきますようお願いいたします。

マーティン・デイビッドソンは、来日期間中、政策担当者との会合、シンポジウムへの出席などを通し、英国の国際文化国流におけるブリティッシュ・カウンシルの取り組みをご紹介すると共に、今後の日英の協調の可能性を探ります。

マーティン・デイビッドソン/Martin Davidson
ブリティッシュ・カウンシル チーフ・エグゼクティブ 略歴

セントアンドリューズ大学で英文学部修士課程卒業。香港での行政職を経て、1984年からブリティッシュ・カウンシルに勤務。北京事務所副代表として、ブリティッシュ・カウンシルの中国での活動を拡張していく上で中心的な役割を果たす。ブリティッシュ・カウンシル中国広州事務所の立ち上げ等に携わった後、1995年から北京事務所代表。その後、ジオグラフィカル・ディレクターとして南東ヨーロッパ、中東、東アジア、アメリカ地区などを管轄。2005年から副ディレクター・ジェネラルを務め、2007月4月より現職。

 

参考資料

1. ブリティッシュ・カウンシルの展望

ブリティッシュ・カウンシルは、知識やアイディアの共有を通して、英国と世界の国々の間で信頼と理解を築きたいと考えています。私たちは、異文化対話を促進し、さまざまな人々が知的経済に参加する機会を創出し、気候変動による脅威に立ち向かうことにより、より安定した世界に貢献します。

2. ブリティッシュ・カウンシルの日本における 2009-2010 年度の活動予定

日本では、ブリティッシュ・カウンシルは、アーツ、科学、教育などの分野で活動を展開して参ります。
【アーツ  
● クリエイティブ・シティー
英国では、地域や都市、そしてそこに暮らす人々の生活環境をも活性化するなど、芸術や文化が地域社会の発展に重要な役割を担っています。ブリティッシュ・カウンシルでは、シンポジウム、ワークショップ、交流プログラムの実施などを通して、「創造都市」の分野で日英のネットワークつくりを促進するとともに、英国の創造都市戦略などを日本に積極的に紹介します。

• ダンス・ライフ・フェスティバル
NPO 法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(JCDN)との共催で 2008年8月から展開しているプロジェクトです。2009年3月には英国から健常者と障がいをもつプロダンサーで構成されたカンパニー「ストップギャップ」を招き、日本と英国のアーティストによるコミュニティダンスの公演やワークショップを開催します。英国のコミュニティダンスを広く日本の方々に紹介するとともに、地域や教育現場においてダンスが果たす役割や、ダンスと異分野との継続的な協働の可能性について探っていきます。

• シティスケーパー
デザイン、建築、美術など、創造都市に関わる様々な分野で次世代を担う優秀な若手や学生の育成とネットワーク形成を目指すプロジェクトで、2008年から3年にわたって毎年60名、英国と東アジア・パシフィック地域の学生が国際ワークショップに参加します。第二回目となる今年は 2009年3月にカーディフでワークショップが開催され日本から5名の学生が参加する予定です。

【科学 】 
• 気候リーダー
気候リーダー(20 歳~35歳) は、気候変動への画期的な対策案を持ち、気候変動について幅広くメッセージを配信し、地域社会、企業、教育、政府、メディアの各分野において指導する立場を目指す方々です。
東アジア諸国から集まる気候リーダーたちは、3月11日~16日まで、神奈川県の湘南国際村で、気候変動の立ち向かうためのプロジェクト推進のノウハウを学び、対策案について話し合います。

• 気候チャンピオン
気候チャンピオン(15歳~18歳)は、学校や地域で独自のグリーン化計画を実行しながら、気候変動に関する意識を高めるために活動します。2月22日~27日まで、25 カ国より気候チャンピオンに選ばれた子どもたちは、スコットランドのエジンバラに集い、2009-2010年の活動計画を議論します。また、7月には世界の気候チャンピオンがイタリアで開催される G8サミットに参加、環境大臣会合で提言します。

• 子ども向け科学実験講座「英国王立研究所クリスマス・レクチャー」
マイクロソフト・リサーチ・ケンブリッジの主任科学調査員を務めるクリストファー・ビショップ教授が、7月に東京と大阪でコンピューター技術について、4つの実演を交えた講義を行います。2009年は、日本における「クリスマス・レクチャー」の開催20周年記念でもあり、英国王立研究所ディレクターを務めるスーザン・グリーンフィールド男爵夫人を交えてシンポジウムやレセプションも開催します。今後も若者の科学技術に対する興味を喚起し、次世代の科学者を育成するための日英の協力を更に強化します。

【教育】
● 大学間政策対話
日本学術振興会(JSPS)と共に、ブリティッシュ・カウンシルは、日英の大学が政策対話をするための新たなフォーラムを設立しました。当フォーラムのもと、10個の新たな日英間大学間提携が実現しました。2月12日~13日には、ロンドンで政策対話のためのシンポジウムを開催します。このシンポジウムは、日英交流150周年を記念する UK Japan 150 のもとで登録されているイベントです。シンポジウムに先当たり、日本の大学のトップが、英国の大学を訪問し、将来的なコラボレーションについて話し合います。

【その他】
● グローバル・チェンジメーカー
グローバル・チェンジメーカー(16 歳~25歳)は、コミュニティーの中で社会的改革を志す若者です。日本では、2月に16歳~19 歳の社会的活動家を募集します。選ばれた若者は、アフリカ、中東などの会議に参加する他、11月にはロンドンで世界各国を代表する 60 名のチェンジメーカーと集います。このうち、6名が 2010年1月にスイスのダボスで開催される世界経済フォーラムに参加し、世界のリーダーに向けて提言をします。また、60 名のチェンジメーカーは、それぞれのコミュニテイーの活動を活性化させるために小額の助成金に応募することができ、地元の団体や専門家からアドバイスを受けることができます。

3. ブリティッシュ・カウンシルの歩み

● 世界における歩み
1934 年
他国を良好な関係を築き、英国の文化、教育、科学、技術を広めることを目的として、英国政府により設立される。
1940 年
英国国王ジョージ 6 世のもと、王立憲章により法人組織となる。
2000 年
英国留学促進のための、Education UK ブランドがローンチされる。
2004/2005 年までに英国の高等教育機関(大学)への留学生数を更に 50,000人増加させ、職業訓練教育機関(専門学校)への留学生を更に 25,000人増加させるという目標を掲げる。
2005 年
英国政府発行の「カーター報告書」で市民外交におけるブリティッシュ・カウンシルの役割の重要性が明言化される。
2008 年
国際的な英語能力試験 IELTS (アイエルツ)受験者数が、世界で年間 100万人を突破する。
2009 年
ブリティッシュ・カウンシル設立75周年記念

● 日本における歩み
1953 年
東京に事務所を開設する。
1960 年
日英文化協定が調印され、ブリティッシュ・カウンシルが日本における日英の文化交流促進の公的な代表機関になる。
1986 年
東京都新宿区に移転。チャールズ皇太子殿下を迎えて開所式を開催する。
1994 年
大阪市にセンターを開設する。
2003 年
ブリティッシュ・カウンシル日本事務所、開設50周年記念を祝う。
2008 年
日英外交関係 150周年 を記念して、英国大使館と共に、UK-Japan 2008を開催する。
チャールズ皇太子殿下、英国コーンウオール公爵夫人が来日し、ブリティッシュ・カウンシルが主催する気候チャンピオンや日英学校間交流プログラム活動を視察する。