【お知らせ】
日本各地で活躍する8名のキュレーターを英国へ派遣
―日英のキュレーターの交流を推進―
英国の公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシル(東京センター:東京都新宿区、駐日代表:ジェイスン・ジェイムズ)は、2010年5 月9日より11日間、日英のキュレーターやアーティストなど美術関係者の交流促進を目的に、日本から8 名のキュレーターを英国に派遣します。
昨今、世界的な経済危機や政権交代などにより文化を取り巻く環境がめまぐるしく変化する中、美術館や劇場などの文化施設やアーティストの社会における役割についての議論が世界各地で高まっています。また、グローバル化が進み、アートの世界でもアーティストやキュレーター間の国境を越えた交流の必要性が唱えられています。このような背景から、ブリティッシュ・カウンシルは、今後の日英間のより活発な協働を視野に、日英のキュレーター同士のネットワークの機会を提供する交流プログラムを実施します。
日本から参加する 8 名は、主に現代美術を専門とし日本の美術館の学芸員やインディペンデントキュレーターとして日本各地で活躍する方々です。
8 名は、ロンドン、グラスゴー、ニューカッスル、ノッティンガムの各都市の美術館やギャラリーを訪問し、現地のキュレーターやアート関係者と日英両国の最新アート情報や芸術機関の取り組みについて意見を交換します。独立行政法人国際交流基金との共催で、国際交流基金ロンドン日本文化センターにて、英国の芸術関係者を対象にそれぞれの所属美術館の活動や日本の状況などについてプレゼンテーションを行います。
ソーシャルメディアを活用した新しい試みも実施します。各訪問先での情報を現地より発信し、日英の多くのアート関係者がリアルタイムで今回の訪問についての情報を共有できるようにし、訪問参加者以外の方でもコメントや意見を伝えられる環境を提供する予定です。
ブリティッシュ・カウンシルは、本プログラムにより日英のアート関係者の間でよりいっそう活発な交流が生まれ、今後継続的なネットワークや共同プロジェクトが生まれることを願っています。
■ ご参考資料
<訪問日程>
5月10日 ロンドン
Tate Britain / Gasworks Gallery
5月11日 ロンドン
Chisenhale / The Approach / Zoo Enterprises / Whitechapel Art Gallery
5月12日 ロンドン
British Art Show 2010: An introduction / White Cube
5月13日 グラスゴー
The Modern Institute / The Common Guild / Mary Mary
5月14日 ニューカッスル
Workplace Gallery / BALTIC Centre for Contemporary Art / Locus + / Arts Council England (North East)
5月17日 ノッティンガム
Nottingham Contemporary / Moot Gallery
<参加キュレーター>(参加者名の五十音順)
森美術館 荒木 夏実 氏
国立国際美術館 植松 由佳 氏
インディペンデントキュレーター 遠藤 水城 氏
金沢21世紀美術館 北出 智恵子 氏
横浜美術館 木村 絵理子 氏
熊本市現代美術館 坂本 顕子 氏
東京国立近代美術館 鈴木 勝雄 氏
青森県立美術館 高橋 しげみ 氏
■ ブリティッシュ・カウンシルによる日本での主な英国現代美術展
ブリティッシュ・カウンシルは、1982年に日本各地の公立美術館や新聞社との協働で80年代初頭の英国美術を総括する大規模な英国現代美術展「今日のイギリス美術」(会場:東京都美術館、栃木県立美術館、国立国際美術館、福岡市美術館、北海道立近代美術館)を開催し、1990年には「イギリス美術は、いま」展(会場:世田谷美術館、福岡市美術館、名古屋市美術館、栃木県立美術館、兵庫県立近代美術館、広島市現代美術館)を、そして1998年には「リアル / ライフ イギリスの新しい美術」展(会場:栃木県立美術館、福岡市美術館、広島市現代美術館、東京都現代美術館、芦屋市立美術博物館)を開催しました。いずれの展覧会も、担当学芸員を英国に派遣し、当時の英国現代美術の状況をリサーチするなど、日英の学芸員の共同キュレーションで展覧会を構成してきました。