[共同発表]
ブリティッシュ・カウンシル、LRQA
ブリティッシュ・カウンシルとロイドレジスタークオリティアシュアランス、日本からエコ社会起業家6人を選出
― アジア太平洋7カ国で若手のエコ社会起業家を助成・支援する『E-idea コンペティション』―
英国の公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシル(所在地: 東京都新宿区、駐日代表: ジェイスン・ジェイムズ)と、ロイドレジスタークオリティ アシュアランス リミテッド(LRQA)(所在地: 神奈川県横浜市、日本代表: サイモン・バターズ)は、18歳から35歳の若手のエコ社会起業家に資金を提供し支援と指導を行なう『E-idea コンペティション』にて、日本にて、63件の応募の中から「スタートアップ賞」3プロジェクト、「ステップアップ賞」3プロジェクト、合計6プロジェクトを選出しました。受賞者には助成金としてスタートアップ賞に各40万円、ステップアップ賞に各60万円が贈られ、今後、国内および国際的な研修やネットワーキング機会や専門知識のアドバイスなどが提供されます。
<持続可能な社会を目指すプロジェクトを選出>
アジア太平洋地域7ヶ国(日本、オーストラリア、中国、インドネシア、韓国、タイ、ベトナム)で展開する本コンペティションは、2011年1月、オーストラリアにてウィリアム・ヘイグ英国外務大臣によって発表されました。
各国にて、地域の将来の環境に大きな貢献をもたらす新しいアイデア(「スタートアップ」)、および、既存プロジェクトの拡大を可能にする取り組み(「ステップアップ」)の2つの賞を募集しました。対象プロジェクトは、以下の持続可能な社会へ向けての問題解決分野のいずれかひとつ以上に取り組むものを対象としました。
- 運送・交通
- ごみの削減
- エネルギーの削減と効率化
- サステイナブルデザイン
- クリエイティブ産業向けの取り組み。
選考は、主催者であるブリティッシュ・カウンシル担当者、LRQA の環境審査員、国際的地球温暖化制度の検証人らにより書類審査の後、面接が行われました。選考過程では、ターゲット層の行動変化をもたらすものであるか、特定の地域または産業に焦点が当てられているか、持続可能であるか、明確な広報計画があるか、将来的な商業化の可能性または投資的魅力があるかを基準に審査されました。
受賞者には、経済的支援のほか、専門家による技術、ビジネス、マーケティング、ネットワーキングに関するサポートを提供します。受賞者は、エコ社会起業家やイノベーターが集うブリティッシュ・カウンシルと LRQA の E-idea ネットワークの一員となり、国内および国際的な研修やネットワーキングの機会が得られます。LRQA の世界60,000のお客様とのビジネスネットワークと繋がる機会も提供されます。
日本の受賞者の受賞式は2011年9月21日を予定しています。7カ国の全受賞者は9月上旬に発表の予定です。
<受賞プロジェクト概要>
- スタートアップ賞
『棚田 de セグウェイ』
東 大史(あずま たいし) (34歳 岡山県美作市)
高齢化や減反政策によって放棄された農山村の棚田に対して、新たな価値創造を行なうプロジェクト。自然エネルギーとエコツーリズムを組み合わせ、農山村のエネルギー自給率を上げながら都市との交流や経済性確立を目指す。岡山県美作市にある上山千枚田において、棚田維持に必要な用水路で小水力発電を行ない、その電力でセグウェイを走らせる。コストがかかる用水路を、エネルギーを生産する地域資源として再定義することで、具体的メリットを示す。ガソリンなどに依存している移動手段や農林業機械の電動化も進め、持続可能な地域社会の在り方を日本の農山村から提案する。
『Cyclus(サイクラス)』
柳澤 郷司(やなぎさわ さとし) (33歳 東京都西東京市)
日常的に行う携帯機器への「充電」と言う行動に着目し考案されたコンセプト。何処へでも持ち運び可能なサイズの筐体にゼンマイ、遊星機構*1を備えた歯車群、発電部となるモーターを収納。本体下部を複数回ひねるだけで、携帯機器を充電できる電力を20分間発生させることができる。電力発生方法にダイナモ方式*2を採用し、使用時の環境負荷を極力低減、また、稼働中にユーザーの操作を必要としないため、誰でも手軽に利用できる。自身で電力を作り出し、機器へ繋ぎ、消費するという循環行為をユーザーの目の前で完結させる事で、ユーザーにさらにサステイナビリティへの意識を高めるきっかけを促す。
※1: 中心となる歯車(太陽歯車)の周辺に複数配置された遊星歯車が公転かつ自転する構造を持った機構のこと。
※2: 運動エネルギーを電気エネルギーに変換する方式
『馬と人が共存共栄する社会に向けて』
菊地 辰徳(きくち たつのり) (35歳 東京都台東区)
馬のふるさと、富里市にある乗馬クラブの遊休農地を開墾し、一回の作付けで飼料と食料を収穫し、飼料と食料自給率の向上を目指す。脱化石燃料・生態系配慮のため、有機農法を基本とし、馬のボロ(屎尿)を堆肥として還元し、ボロと食の地域循環モデルを構築する。耕作放棄地の解消や気候変動の緩和など、食以外の様々な課題も同時に解決でき、その他の地域に水平展開できることが特徴。
- ステップアップ賞
『Energy Literacy Platform』
石橋 秀一(いしばし しゅういち)(31歳 神奈川県川崎市)
家庭内において電気がどのくらい消費されているかを知ることができるツール。節電は環境面でも金銭面でも重要であるが、身の回りの各機器がどのくらい電力を消費していているのか、こまめにスイッチを切ることがどの程度節電になっているのか本当に理解している人は少ないことに着目。本ツールを利用することにより、ユーザーは自分たちが日常的に使っている電気の消費量を感覚的に学習して家庭内電力に関するリテラシーを高めていくことができる。これにより、無駄な電力消費を抑え、家庭内におけるエネルギーの利用効率化が促進されることを目指す。
『"こどもはみんなアーティスト" produced by FUNFAM』
藤岡 恒行(ふじおか つねゆき)(35歳 東京都足立区)
木材の20 - 30倍で成長する再生可能資源であり、かつ木材の代替材になり得る数少ない天然資源である竹を素材にした食器を提案。家庭の食器を「化石燃料」や「一般木材」で作られているものから竹素材のものに替えていくことで、地球温暖化の要因のひとつである森林減少を食い止めることを目指している。今後は、子供たちに絵を描いてもらい、そのイラストを竹素材の食器に焼き付ける楽しいワークショップイベントを百貨店・ホテルと組み開催し、イベントを通じて、子どもたちにエコ素材である竹の魅力に触れてもらい、環境への意識を高めてもらうプロジェクトを推進。
『Tie for Change』
森本 宏美(もりもと ひろみ)(34歳 東京都杉並区)
「個人の魅力を伸ばす」ことが、「社会がよくなること」「環境にやさしいこと」に繋がる、21世紀型の共育・共生の「しくみ」を提供するプロジェクト。『あなたの使わない1本が、誰かの運命を変えるネクタイになる』というビジネスファッションのリサイクル事業を軸に、教育事業、就労支援事業を展開。現在は、自宅に眠るネクタイを回収しリメイクした後、イベントにて、男性の魅力を最大限に魅せる「運命のネクタイ」を見立て販売する事業を中心としている。その過程で、社会的弱者の方々の就労支援、女子学生の就職支援などを行うことで、事業の社会性をさらに高めている。
<E-idea コンペティション概要>
- 名称: E-idea コンペティション
- 主催: ブリティッシュ・カウンシル、ロイド レジスター クオリティ アシュアランスリミテッド(LRQA)
- 後援: 環境省
- ウェブサイト: (リンク先サイトが利用できなくなったため、リンクを削除しました。)
LRQA (ロイド レジスター クオリティ アシュアランス リミテッド) について
LRQA は、1985年、ロイド レジスター(ロイド船級協会 1760年設立)の100%出資によって設立され、1986年に英国の認定機関 NACCB(現 UKAS)より ISO 9000の原型である BS 5750の第一号の第三者認定機関として認定を受けました。以来、LRQA では120カ国で6万件以上の認証登録を行っています。
ウェブサイト: www.lrqa.or.jp
※ 文中の社名、商品名は、各社の商標または登録商標です。