【お知らせ】
研修参加教師の約9割が授業のほとんどを英語で行うことの意欲増
―文部科学省との連携による英語指導力向上事業2年目へ―
英国の公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシル(所在地:東京都新宿区、駐日代表:ジェフ・ストリーター)は、文部科学省(以下、文科省)から、昨年に続き、英語指導力向上事業「英語教育推進リーダー中央研修」を委託されました。
本事業は、文科省が2014年度から2019年度までの5年計画で、5年のうちに全国の小・中・高等学校全ての英語担当教員が研修を受けることを通して、英語指導力を向上させることを目指しています。
2015年度(平成27年度)中に、全国より推薦された約650人の小学校における英語教育の中核となる教員および中・高等学校の英語担当教員、外国語指導助手(ALT)へ中央研修を実施します。研修を受けた教員は、各地域の英語教員へ研修を行い、要件を満たした教員は「英語教育推進リーダー」として認証されます。中央研修受講者と各教育委員会が連携した地域での研修や、中央研修受講者による地域での研修を受講した教員による各校での校内研修を通して、今年度中に、約1万5千人規模の教員がこの事業による研修を受けることを目指します。今年度の研修は2015年4月20日(月)より開始され、12月までに、小・中・高等学校およびALTの全12グループに対して2回ずつ、合計24回の集合研修を行います。
<選抜された教員が2回の研修後に、各地域の英語担当教員へ研修を実施>
2015年度中に、約650人の小学校における英語教育の中核となる教員(225人)、中・高等学校の英語担当教員(中225人、高150人)、ALT(50人)が、全国の教育委員会などにより、中央研修参加教員として推薦されます。「実践のための研修」、「指導のための研修」(各5日24時間)の2回の集合研修を通じて、コミュニケーションのためのより実践的な英語を、英語によって教えるスキル、および、研修成果を地域の英語担当教員らと共有するためのスキルを習得します。研修は、教員研修センター(茨城県つくば市)などで行われ、約25人を1グループとし、1グループに対しブリティッシュ・カウンシルのネイティブ英語講師1名が担当します。参加教員は、「実践のための研修」後に所属校において研修内容を反映した授業を実施します。授業実践を重ねる段階では、講師からさらなる指導・助言が行われます。「指導のための研修」後、各中央研修受講者は各地域の小学校における英語教育推進の中核となる教員(以下、中核教員)および中・高等学校の英語教員20~25人へ研修を行います。今年度からは、英語教育推進リーダー、リーダーから研修を受けた英語担当教員に加え、実際に授業を受けた生徒にもアンケートを実施し、さらに改善へと繋げていきます。
<研修参加後に参加教師の9割が授業の英語で授業を行うことへと意識変化>
2014年度の中央研修参加の英語教師のうち、第一回集合研修前後において、小学校では約2割から約6割、中学校では約1割から約7割、高等学校では約3割から約7割が、「授業のほとんどを英語で行っている(行おうと思っている)」へと意識変化がありました。「授業の半分以上を英語で行っている(行おうと思っている)」を含めると、研修後には約9割が意欲を示す結果となりました。2014年度の研修は、中央研修の内容の伝達を補完するため、小・中・高等学校それぞれの研修内容、成果、具体的な指導方法アドバイスについてDVDを制作し、2015年5月末以降に全国の教育委員会へと配布する予定です。
(研修参加教員の意識調査結果の詳細)
<英語を教える国際資格を有し、経験豊かなネイティブ講師が研修を担当>
研修を担当するブリティッシュ・カウンシルのネイティブ英語講師は全員、修士号に相当する英語を教える国際資格DELTA*を保有し、日本や海外で、学校での指導や教育委員会などでの教員研修の経験を有しています。より実践的な英語を教えるための理論、教授法、実際のアクティビティについての研修を通じて、生徒のモチベーション向上につながる生徒中心の授業を実現できるよう指導します。使用教材は、世界各地で利用されている様々な教材やノウハウを基に、日本の事情に精通するブリティッシュ・カウンシルの英語教育の専門家が、文科省と協働して開発・制作したものです。中央研修だけでなく、オンライン教材の提供などを通じて、研修参加教員への継続的な支援を行っています。
ブリティッシュ・カウンシルは、本事業を通し、日本のグローバル人材育成に貢献します。
* DELTA : Diploma in English Language Teaching to Adults(ケンブリッジ大学英語検定機構が授与する英語教授に関する国際資格で、大学院修士号と同等資格として認定)