【プレスリリース】
ブリティッシュ・カウンシルと伊勢市が実施するアーティスト・イン・レジデンス
英国を拠点とするアーティストを伊勢市へ招聘
―日英交流年「UK in JAPAN 2019-20」の一環として―
英国の公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシル(所在地:東京都新宿区 駐日代表:マット・バーニー)はこのほど、三重県伊勢市と協働し、2019年10月に英国のアーティストによるレジデンスプログラムを実施することを発表しました。これは、英国を拠点に活動するアーティストが伊勢市に2週間滞在し、伊勢神宮をはじめとする地域の文化と触れるリサーチ・レジデンスです。ブリティッシュ・カウンシルと駐日英国大使館が共同で実施する日英交流年「UK in JAPAN 2019-20」のアート・プログラムの一つとして行われ、日本と英国の新しい文化的関係の構築を目指します。
伊勢市がアーティストを受け入れるプログラムを実施するのは初めてのこととなります。アーティストは10月中旬の2週間現地に滞在し、伊勢神宮への訪問をはじめ、現地の工芸作家、一般市民の方々などと交流し、英国に戻り次第、その体験を発表することとなります。
600名を越える応募者より、現代の英国の多様な創造性を映す6組のアーティストが、審査の結果選ばれました。
- Grace Boyle(グレース・ボイル)
- Season Butler(シーズン・バトラー)
- Matthew Rosier(マシュー・ロジア)
- Duncan Speakman(ダンカン・スピークマン)
- Nicole Vivien Watson(ニコル・ビビアン・ワトソン)
- Jane and Louise Wilson(ジェーン・アンド・ルイーズ・ウィルソン)
伊勢市の鈴木健一市長は以下のように述べています。
「輝かしい才能を持つ6組のアーティストを英国から伊勢に招くことができ、大変光栄です。
私の大好きなラグビーの故郷である英国からのお客様を、日本でラグビーW杯が開催される時期にお迎えできるという幸せな巡り合わせに、少年のように胸が躍っています。
伊勢市は、「日本人の心のふるさと」と言われる伊勢神宮が御鎮座するまちであり、ここには日本の神話が息づいています。ブリティッシュ・カウンシルとのコラボレーションで行う今回のプロジェクトを通じて、私は、親愛なる英国の皆さんに、伊勢と日本の魅力を存分にお伝えしたいと思っています。6組のアーティストの豊かな感性が伊勢をどのように捉えるのか、今からとても楽しみです」
また、ブリティシュ・カウンシルの駐日代表マット・バーニーは以下のように述べています。
「日英両国の文化を土台とする関係は、信頼を築き、学び合い、そして互いの絆のさらなる発展を実現する基盤となります。「令和」への改元で新たな時代が幕開けし、ラグビーワールドカップ2019日本大会と東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される日本は、世界中の人々が注目する特別な時を迎えます。UK in JAPAN 2019-20は日本と英国の相互関係を祝うことのできる、まさに絶好の機会です。伊勢市のレジデンスに選ばれたアーティストは両国の文化交流関係を体現することになるでしょう」
日英交流年「UK in JAPAN 2019-20」について UK in JAPAN 2019-20は、駐日英国大使館とブリティッシュ・カウンシルが共同で展開する日英交流年です。ラグビーワールドカップがスタートする2019年9月から東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年9月まで、この2つの世界的祭典が日本で行われる機会に、アート、スポーツ、ビジネス、教育分野の様々なプログラムを通して、両国間により強いパートナーシップを育み、両国に信頼、機会、知識、そして繁栄を築くことを目指します。
UK in JAPAN 2019-20マイクロサイト www.britishcouncil.jp/uk-japan-2019-20
UK in JAPAN 2019-20キャンペーン #UKinJAPAN2019_20
日本と英国は、長きにわたり文化を通した友好な関係を築いてきました。UK in JAPAN 2019-20は、英国の豊かで多様な創造性を紹介するとともに、日英のアーティスト、文化関係者の新たな協働を促進します。そして、人々の生活を豊かにし、多様でインクルーシブな社会における文化芸術の役割について日英のアート関係者が知識や経験を共有します。
レジデンス参加アーティスト プロフィール
グレース・ボイル(Grace Boyle)
アートと科学が交わる場所で活動するアーティスト、ザ・フィーリーズの創設者。ザ・フィーリーズは人間が持つすべての感覚に訴える没入型仮想環境のための新感覚ストーリー・コンテンツを開発・制作するロンドンのスタジオ。調香、認知科学、クリエイティブ・テクノロジー、芸術的インスタレーションなどを用いてVR、AR、MRなどXリアリティ(XR)の世界をつくりあげる同スタジオは、マルチセンサー・メディアで表現するストーリー・コンテンツを開発している。
シーズン・バトラー(Season Butler)
作家、アーティスト、劇作家、講師。著作、学術研究、パフォーマンスを通して、後知恵や希望が有する機会と落とし穴、大人になり未曽有の変化を遂げることについて考察し、狡猾さを増す未来に期待を持つことの意味を問いかけている。
マシュー・ロジア(Matthew Rosier)
インスタレーション・アーティスト。過去の記憶、現在のゆがみ、将来のビジョンを用いて我々を取り巻く環境を拡張するような作品を手掛けている。建築を学んだ背景から、場所の使われ方、誰が場所を使うか、場所の歴史や未来、場所は現代社会について何を伝えるかなど、「場所」が重要である。ひとつの場所が日々経験することを誠実に記録し、再現あるいは表現し、人々が驚く斬新な方法で提示して場所の経験について考えてもらうことに関心を持っている。
ダンカン・スピークマン(Duncan Speakman)
アーティスト、作曲家。リバプール舞台芸術大学で音響技術を学び、現在はブリストルのパーヴェイシブ・メディア・スタジオを拠点に活動している。モバイル・オーディオ・メディアやロケーション・ベース・メディアを用いて自由な空間を舞台に人々の感情に訴え身体を使って経験してもらう作品を制作している。
ニコル・ビビアン・ワトソン(Nicole Vivien Watson)
サーフェス・エリア・ダンス・シアターの芸術監督。12年以上にわたり躍動感にあふれ、社会問題への取り組みをパフォーマンスで表現する作品を生み出してきた。現在は、日本学での修士号取得を目指し、ロンドン大学アジア・アフリカ学院で研究を進めている。
ジェーン・アンド・ルイーズ・ウィルソン(Jane and Louise Wilson)
一卵性の双子姉妹。20年以上にわたりアーティスト・デュオとして共同制作を続けている。写真や動画、映画の拡張形態でのインスタレーションやその他レンズを使った媒体を用いて制作するアーティストとして、1990年以降イギリス国内外で高い評価を得る。1999年には、複数のスクリーンを使ったインスタレーション『Gamma』によりターナー賞候補となる。
選考委員
サイモン・ケイナー博士 イーストアングリア大学日本学センターディレクター
カースティ・ラング BBCブロードキャスター、ブリティッシュ・カウンシル理事
南條史生 森美術館館長
クレア・レディントン ウォーターシェッドCEO
四方幸子 キュレーター/ 多摩美術大学・東京造形大学客員教授