ブリティッシュ・カウンシルによる文化芸術のコラボレーション支援
「Connections Through Culture助成プログラム2023」
日本と英国とのコラボレーションによる7つの文化芸術プロジェクトを助成
英国の公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシル(日本事務所所在地:東京都新宿区 駐日代表:マシュー・ノウルズ)は、ブリティッシュ・カウンシルの文化芸術の助成プログラム「Connections Through Culture助成プログラム2023」により、本年度、日本と英国のコラボレーションによる7つのプロジェクトを助成することを発表しました。
「Connections Through Culture助成プログラム」は、東アジア地域と英国との芸術文化における新たなパートナーシップを育むことを目的とし、企画・制作段階を問わず、アーティストや文化機関による新しいアイデアやコラボレーションを支援するものです。今回645,000英ポンド以上を助成し、日本、オーストラリア、ニュージーランド、中国、インドネシア、タイ、マレーシア、ミャンマー、フィリピンの9カ国で計76のプロジェクトをサポートすることになりました。プロジェクトは映画、クリエイティブ・テクノロジー、文学、美術、演劇、ダンス、サーカス、建築、デザイン、ファッション、工芸、音楽など、多岐の文化芸術分野にわたります。
本年度のプログラムでは、多様性・インクルージョン、そして気候変動対策という2つの優先テーマを取り上げたプロジェクトに焦点を当てました。国境や芸術分野を超えたコラボレーションが、グローバルな課題に取り組むための新たな思想やアイデアの創出につながることを目指しています。
ブリティッシュ・カウンシル日本事務所のアーツ部部長、須藤千佳は以下のように述べています。
「Connections Through Culture助成プログラムにより、日英間の新たなコラボレーションを築くサポートができることを大変うれしく思います。これらのコラボレーションは、文化芸術交流の力を示すだけでなく、国際的に活躍するアーティストたちに新たな刺激的な機会を提供します。本年度のプログラムで支援される多様なプロジェクトは、世界各地の才能あふれるアーティストの間で生まれるダイナミックなコラボレーションを体現するものです。このような結びつきによって、より力強く革新的なグローバル・アートコミュニティが生まれていくことを期待しています。」
Connections Through Culture助成プログラム2023に選定された日英のプロジェクト紹介 (順不同)
- アースソニック
日本:チカルスタジオ
英国:イン・プレイス・オブ・ウォー(IPOW)
カラフト・アイヌの伝統弦楽器トンコリ奏者OKIと英国アーティストのアーニャ・ンゴジが、気候変動をテーマに繰り広げる国際的なミュージックコラボレーション。英国に本部を置く世界的な慈善団体IPOWのアーカイブを活用しつつ、Azadi.mp3, Damsel Elysium, ãssia ghendirといった多様なアーティストと協力しながら、アルバム制作を行います。気候変動に注意を促すIPOWのグローバル音楽プロジェクト「アースソニック」の一部をなす本企画は、リモートセッション、ドキュメンタリー映像やアルバムの制作を通じて、多様な人々の声に注目し、気候変動に関する対話を促進します。
- オネリック・キッチン
日本:ドキュメンタリー・ドリームセンター(DDセンター)
英国:プライマリー
「オネリック・キッチン」は、日本人映像作家の島田千絵美とロンドンを拠点に活動する福祉実践者のスージー・カニンガムによるコラボレーションプロジェクト。人と睡眠との関係を探りつつ、睡眠にまつわるさまざまな問題に取り組みます。日本と英国で開催されるクッキングセラピーのワークショップを通して、参加者が自分の睡眠体験について振り返るための安全な場を提供することを目指します。2024年の夏に英国ノッティンガムにあるアートスペースのプライマリーおよびオンラインで、プロジェクトの一環として制作されるドキュメンタリー映画の試写を予定。
- This is Not A Good Sign
日本:木原共
英国:J・R・カーペンター
This is Not A Good Signは、身の周りで起きている気候変更に注意を喚起する看板を拡張現実(AR)でユーザーの周囲に配置する、ウェブベースのポエトリー・プロジェクト。この度は新たにAR看板を制作し、これらの看板を世界中のさまざまな環境に設置した写真が掲載されたアートブックを出版します。また、日本やインドネシアの写真家やアーティストにAR画像撮影の依頼を行うことで、プロジェクトの幅をさらに広げていきます。
- 札幌国際芸術祭 SIAF2024での シン・リウによる作品展示
日本:札幌国際芸術祭実行委員会
英国:シン・リウ
バイオテクノロジーによるイノベーションにインスピレーションを受け、100年後の未来を描いたミクストメディア・インスタレーション作品「Gleaming Bodies」。札幌国際芸術祭で展示される本プロジェクトは、気候変動のただ中にある地球を捉えて、100年後を思考することを試みます。
- トム・ポウ&ガロウェイ・アグリーメント『村と道』(鳥の劇場とのコラボレーション)
日本:鳥の劇場
英国:ルース・モリス
過疎化がもたらす影響について理解を深め、観客を対話に引き込むことを狙いとした、スコットランドの詩人トム・ポウと音楽集団ガロウェイ・アグリーメントの『村と道』。この度はルース・モリスのプロデュースで、鳥取の「鳥の劇場」での再演を目標に、同劇場と協力して日本の観客のための特別版の制作に取り組みます。
- 「間」-インクルーシブなダンスと舞踏の間の空間
日本:鈴木ユキオプロジェクト
英国:ストップギャップ・ダンス・カンパニー
日本の鈴木ユキオプロジェクトと英国のストップギャップ・ダンス・カンパニーのコラボレーションを通じて、日英の障害のあるダンサーと障害のないダンサーがひとつになるダンスパフォーマンス。インクルーシビティ(包摂性)を推進するとともに、ダンスの固定観念を覆し、「間」の概念を模索します。
- 国際共同制作演劇公演に向けたワークショップ
日本:KAAT 神奈川芸術劇場
英国:バニッシング・ポイント
日本作家の短編作品を舞台化した国際共同制作の支援。スコットランドの前衛劇団バニッシング・ポイントのアーティスティック・ディレクター、クリエイティブ・スタッフ、俳優がKAAT神奈川芸術劇場のスタッフや日本の俳優と協力し、脚本のニュアンス、台詞の言葉遣い、文化の違いのほか、セットや衣装、人形などのデザインについて話し合いを重ねることで舞台を作り上げていきます。当プロジェクトでは、2024年の2月から3月にかけて10日間のワークショップを行い、2024年11月の公演に向けて、言語、文化、デザインといった要素を掘り下げます。
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