~英語4技能の学びが順調に進む学習プログラムの実践と成果
英国の公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシル(日本事務所所在地:東京都新宿区)は、和歌山県高野町教育委員会との共催で、高野町の小学校の英語教育実践について、8月11日(日)、大阪市内にて、教育委員会と小学校教員を対象に成果発表会を開催します。
「中学校卒業時に、すべての子どもが、自分のことやふるさと高野町のことを英語で話せるようになる」を目標に、ブリティッシュ・カウンシルと高野町教育委員会が協働で小中学校英語教育事業を開始し、今年で4年目となりました。本発表会では、小学校での英語教育の実践に焦点をあて、言語学習において科学的知見や実績を基に取り組んできた成果を共有します。
高野町の小学生の英語力は年々確実に向上し、開始当初小学3年生だった、現6年生の生徒全員が自分のことを話せるだけでなく、自分で初見の英語が読めるようになりました。「前よりスラスラと話せる」「英語が読める」「英語が楽しい」という感想も聞かれます。これらは、小学校英語に見られる様々な課題を踏まえ、限られた時間で最大限の学習効果が出るように構成したカリキュラム、その成果を検証し指導改善を行ってきた教師の実践の成果です。
「小学校英語で、なぜ、なにを、どのように学ぶ・教えるのか ―和歌山県高野町の読み書き指導を含む小学校英語の実践」
- 日時:2024年8月11日(日) 13:00-16:30
- 場所:大阪市北区曽根崎新地2-2-16 関電不動産西梅田ビル7階
- 対象:教育委員会ご担当者、小学校教員(特に読み書き指導やカリキュラムにご関心のある方)
- 定員:60名
- 費用:無料
子どもたちを対象に、どのように英語という言語を教えるのが効果的か、ブリティッシュ・カウンシルでは科学的な根拠を基にした知見、豊富な指導の経験とノウハウを高野町教育委員会と共有し、4年間をかけて高野町が独自の英語教育を自律的に実践できるよう支援しています。2021年の本事業開始以来、高野町の小学校では、なぜ、なにを、どのように学ぶ・教えるのかというポイントをおさえた英語教育の実践を継続し、子どもたちの学びは順調に進み、多くの変化が生まれています。以下は、その成果と取り組みの一部です。
- 子どもたちが多くの単語を覚えている
記憶のしくみを踏まえてカリキュラムや指導方法を工夫すれば、子どもたちの長期記憶に定着し、多くの単語を覚えることができます。子どもたちの力は年々高まっています。
- 読み書きする力の向上
中高生が「英語が苦手」と答える大きな理由に、英語が読めない、書けない、覚えられないことがあります。小学校段階から、非英語圏でも実績がある科学的なアプローチ「シンセティック・フォニックス」を体系的に効果的に取り入れることで、子どもたちが読み書きの基礎を確実につけています。シンセティック・フォニックスの活動は発音にも良い影響を与えています。
- 子どもたちが飽きずに学習を続けている
ゲームや歌で英語に親しむ活動においても、単に楽しいだけで学びがなければ、子どもたちは飽きてしまいます。小学生の発達段階に合わせた学びを担保することで、子どもたちは上達を実感し、楽しみながら学習を続けることができます。
ブリティッシュ・カウンシル学校英語教育シニアマネージャー河合千尋は以下のように述べています。
「高野町の小学校の学びが順調な理由の一つには、カリキュラム・指導・教材・評価を一体的・体系的に扱ったことがあります。また、妥当性・信頼性のある科学的なアプローチも各方面で積極的に取り入れてきました。子どもたちの学習の充実には一定の条件やしくみがあり、それを踏まえることが成果につながると言えるでしょう。また、指導者には一定の英語力は必要ですが、英語力が全てではありません。小学校の教師は子どもの発達段階や特性を熟知したプロで、優れた指導技術をもっており、それが英語指導においても非常に大切です」