2020年 09月 08日 (火曜日)

英国の公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシル(所在地:東京都新宿区 駐日代表:マシュー・ノウルズ)は、このほど教員を対象にした大学入学共通テスト・英語試験の準備教材となるオンライン冊子を制作し、無料で配布を開始しました。

2021年1月から実施される大学入学共通テストでは、英語教育改革の流れをうけ、実際のコミュニケーションの場面において活用できる技能を評価するものとなります。そのため、共通テストの準備においては、教師の指導は、従来の英文和訳中心のリーディングや単調なリスニングなど以上に、生徒の思考力、判断力、情報分析力などを育てる活動が必要とされます。また、共通テストでは、従来の教科書で扱われている以上に、はるかに幅広い使用場面での言語を扱っています。家庭生活、学校や地域での活動、そして新聞や大学での講義など、現実の世界での様々な場面に対応した教材を、個々の教師が準備するのは容易ではありません

そこでブリティッシュ・カウンシルでは、当機関が運営する無料英語教材サイトLearn English Teensから、日本の英語教師が共通テストの準備のために役立てる教材を選りすぐり*、まとめて冊子にしました。「大学入学共通テスト- 英語試験準備のためのオンライン冊子」は、以下のブリティッシュ・カウンシルのウェブサイトページより無料でダウンロードいただけます
https://www.britishcouncil.jp/programmes/english-education/updates/kyots...

共通テストでは、リスニングとリーディング(筆記試験)の配点が均等になり、リスニングがより重視されるようになりました。発音、アクセント、語句整序などの問題がなくなり、問題文も日本語から英語に変更になるなど、コミュニケーションの場面で適切に使える英語力を測るという方向への転換が見られます。本冊子では代表的な変更点を踏まえた上で、教材をとりまとめています。
*令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針、大学入学共通テストの導入に向けた試行調査(プレテスト)(平成30年2月実施分)の結果報告(大学入試センター)、平成29年度試行調査・問題、平成30年度試行調査・問題、を参考にしています。   

ブリティッシュ・カウンシルでは、英語4技能のバランスのよい英語コミュニケーション能力の育成に向けて、全国で教員研修を実施しています。教室での指導場面を意識し、効果的な英語の使い方や具体的な足場掛けなどを示しながら指導スキルを習得いただくことを重視しています。共通テストが求める力を踏まえた上での指導法についても扱っています。

コロナ禍でオンラインによる指導の機会が増える中、今夏よりオンラインの教員研修にも注力し、指導力を強化する参加型の研修を実施、双方向でリアルタイムのオンライン授業の実施体験を提供しています。様々な状況の変化がある中、今後もブリティッシュ・カウンシルは、教師および受験生の方々に役立てるような支援を継続していきます。

ブリティッシュ・カウンシルの英語教育支援の取り組み
ブリティッシュ・カウンシルは、グローバルなネットワークと専門性を駆使し、英語教育をサポートする多彩なプロジェクトを展開しています。2018年度は、全世界で年間77,000人の英語教師に支援を実施しました。
日本では、新学習指導要領の実施が進められる中、英語教員向けの研修プログラムやセミナー・コンファレンスの開催、英語教育に関する実践事例の紹介などを通して、生徒の実践的な英語コミュニケーション力を育成するため、教員の指導力向上や授業改革へのさまざまな取り組みを支援しています。2013年~2018年の5年間においては、文部科学省の委託を受け、英語教育推進リーダー中央研修の企画運営を行いました。 https://www.britishcouncil.jp/programmes/english-education/japan