最優秀賞に輝いた山下泰征さん(栄光学園高等学校2年生)にお話しをうかがいました

Q: このエッセイコンテストに参加しようと思った理由を教えてください
一番の理由としては、英語でエッセイを書くのがずっと好きだったので、今回のコンテストにも挑戦してみたいと思っていました。また、気候変動というテーマについては、今まで環境に悪いというくらいの知識しかなかったのですが、色々と勉強できたら面白そうだなと考えて参加しました。

Q: 実際に気候変動について勉強してみていかがでした?
たとえば1年後に、東京に住んでいる自分が直接被る深刻な被害などは考えつかなかったのですが、そういう問題ではないとわかりました。実際に世界各地で被害を受ける方がいるのは事実で、そのような人は資金・財政面で特に脆弱なので、先進国にいる義務というか、そういう面から考えることは大事なのかなと思いました。

そもそも若者の間で気候変動に関心が高まっているという事実自体、僕は全く知らなかったので、驚きました。でも調べていくうちに、そういう動きが実際はかなりあることがわかりました。自分なりに環境問題について考えてみて、環境問題に全然興味がないだろう学校の友達などと話せたらいいなと思うようになりました。

また、エレン・マッカーサー財団が進めている循環型経済について知り、環境問題を解決しながら新しい雇用を生んでビジネスを推進できるという考え方に共感し、もっと勉強したいと思いました。

Q: 今回、環境問題に興味をもつようになったことで、考え方が変わったことはありますか?
このコンテストに参加するまでは、個人の微小な努力は影響を及ぼさないのではと考えていたのですが、実際にひとりだけの努力の効果はとても小さくても、世の中にはそのような行動を起こしている人が思ったよりも沢山いるということを知りました。自分もこういう活動を周りに広げることができたら、その時は意味のある行動だと思うので、モチベーションが湧いてきました。

Q: 最優秀賞に選ばれて、どのように感じますか?
素直に嬉しいのと、あとは最優秀賞をとったことで、今まで関心がなかった環境問題にも興味が湧いてきた気がします。表彰式でお会いした英国大使とブリティッシュ・カウンシルの駐日代表が、「君たちは若いので、僕たちよりまだまだ色々な経験から影響を受けることができるし、君たちにはエネルギーがある」ということを言ってくださって、大人の方でも実際に若者の声に耳を傾けてくださる方がいることに、新鮮な驚きを感じました。

今、社会を実際に動かしている年配の方々には、自分たちの声が届くことはないし、聞いてくれないのでは、と思い込んでいたので、そこで耳を傾けてくださる方がいることに感動しました。

Q: 将来はどのような仕事や勉強をしたいか、またどんなライフスタイルを送りたいと思っていますか?
僕の学校のモットーが「Men For Others」というもので、とても良い考えだなと思います。今は、小さな「Men For Others」しかできないですが、将来は、もっと大規模に「Men For Others」が実践できる人になりたいと思っています。今は、気候変動で困っている人々を助けられるような科学技術を開発することに興味が湧いています。

Q: 英語を学ぶこと、使えることで、何か可能性やチャンスが広がると感じたことはありますか?
今回のエッセイコンテストでも、英語の情報を読めたからこそ、より幅広い情報に触れることができたと思います。英語の勉強法については、最初はもちろん文法から入ったのですが、だんだんと、実際に英語の本を読んだり、YouTubeを観たり、海外ドラマを見たりなど遊びを通して、自然と鍛えられたのが良かったのかなと思います。

Q: 今回のコンテストで提案した「気候変動を回避し、豊かな社会をどう実現するか」のアイデアを簡単に教えてください
主に2つで、人々の意識が変わることで企業や政府の焦点が変わり、技術発展が促される話と、政府は政府だけではなく、企業やN G Oなど色々な分野と協力することで、より対策を大規模に行えるのではないか、というのが趣旨です。

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