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Kenichi Aikawa

研修受講者の方へ (各都道府県での研修受講者)

各地域では、中央研修受講者及び英語教育推進リーダーを講師とする研修を実施し、域内の小学校の中核教員及び中学・高等学校の全英語担当教員に対して研修内容の伝達が行われています。各地域でのカスケード研修(域内研修・伝達講習)は、教育委員会等の主催で行われますが、地域により開催の形態は異なり、「外国語教育中核教員研修」「外国語教育指導力向上研修」等、主催者が独自に設定した名称で呼ばれることもあります。

研修受講後の流れイメージ

カスケード研修の内容 (小学校)

以下の6項目について、計12時間の研修を実施します。(平成29年度改訂)

題目(研修の重点)とそのねらい、研修時間

  1. 「話すこと」に係る言語活動(教授法):2時間
    年代に応じた効果的な話す活動と して、ロールプレイのセットアップの仕方を体験しながら学ぶ。
  2. 初期段階の読み書き(教授法・言語知識):3時間      
    (B1) アルファベットの文字を教え、練習するためのさまざまな活動を体験しながら学ぶ 。
    (B2) 音と音との繋がり、アルファベットのもつ音と文字の関係などについてより深く学ぶ。
    (B3) 簡単なフォニックスを導入し練習するために、児童と行えるさまざまな活動を体験しながら学ぶ。
  3. 「聞くこと」に係る言語活動 (教授法):3時間 
    児童を巻き込み、語いや表現に慣れ親しませたり、習得したりするために絵本と歌を活用できる。
  4. 校内研修の進め方についての意見交換:1時間 
    研修実習受講後に行う校内研修の進め方について意見交換を行う。
  5. 小学校学習指導要領について:1時間 
    教育委員会で担当する。
  6. 新教材の活用についてのデモ及びワークショップ(教授法):2時間 
    新教材の活用について、活動を体験しながら学ぶ。

カスケード研修の内容(中学校・高等学校)

以下の8項目について、計14時間の研修を実施します。

題目とそのねらい、研修時間

  1. 「話すこと」に係る言語活動 :2時間          
    ・「話すこと」に係る効果的な言語活動のポイントを認識することができる。
    ・「話すこと」に係る多様な言語活動の中から、目的に応じた言語活動を選択することができる。
    ・聞いたり読んだりしたことに基づいて、自分の考えや意見を話したり話し合ったりする能力を向上させるための言語活動を展開することができる。
  2. 教室英語 :1時間 
    すべての授業について、英語で行うことを基本とし、生徒が英語に触れるとともに実際に英語を使用する機会を増やすことができる。
  3. 自己関連性 :2時間  
    生徒の英語学習に対するモチベーションを高めるとともに、生徒を題材内容に引き付けるために教科書や他の関連教材を効果的に活用することができる。
  4. 語い・表現に係る言語活動 :1時間  
    生徒を引き付けるさまざまな言語活動を通して、語い・表現の習得を支援することができる。
  5. 「書くこと」に係る言語活動 :1時間            
    ・明確な目標設定に基づき、生徒の関心・意欲を引き出しながら「書くこと」に係る言語活動を指導することができる。
    ・聞いたり読んだりしたことに基づいて、自分の考えや意見を書く能力を向上させるための言語活動を行うことができる。
  6.  「読むこと」に係る言語活動 :3時間           
    ・生徒が文章の意味を読み取ることを支援することができる。
    ・生徒にとって読む目的があり、生き生きとしたものとして文章を提示することができる。
  7. コミュニケーションを支えるための文法 :2時間  
    文法はコミュニケーションを支えるものであることを理解し、言語活動と一体化した文法指導をすることができる。
  8. 「聞くこと」に係る言語活動 :2時間 
    話すことと関連付けて、生徒の聞く力を向上させることができる。

研修受講後について

域内で研修を受講した中核教員及び英語担当教員は、自らの資質を高めるとともに、その成果を授業において児童生徒に還元することが求められます。

小学校中核教員

英語教育推進リーダーによる研修を受けた各校中核教員は、研修実習受講後、研修の成果を生かした授業を実施します。

その後、教員同士で授業を相互参観する、そして参観した授業について協議するなどの校内研修を経て、より良い授業のイメージを校内で共有していただきます。これは、中核教員が中央研修受講者及び推進リーダーから受けた研修をそのまま校内で行っていただくというものではありません。

授業で実践する前に各校に配布されている中央研修DVD教材をご覧いただくことで、研修内容の重要なポイントを再確認することができ、授業での実践に研修内容を取り入れるのに役立ちます。また、校内研修にあたって、DVD教材を視聴しながら行っていただくとより効果的です。

中学校・高等学校英語教員

中学校・高等学校においては、最終的に都道府県内すべての英語教員が推進リーダーによる研修を受講し、自分の授業の改善を行うことで、研修内容を波及することを目的としています。

研修実習受講後、授業で研修内容を実践する前に中央研修DVD教材をご覧いただくことで、それぞれのセッションの重要なポイントを再確認することができ、授業での実践に研修内容を取り入れるのに役立ちます。

また、研修成果を生かした授業を実施し、教員同士で相互参観を行った後、校内研修で本DVD教材を視聴しながら参観した授業について協議を行うことで、より良い授業のイメージを共有できます。

中央研修DVD教材

中央研修DVD教材は、中央研修で取り扱う8項目のより確実な理解と実践の一助となることを目的に制作されました。都道府県等教育委員会を通じ、各公立学校に配布されています。

平成26度版DVD(校種別)は、研修実習の8項目と連動しています。中央研修で行われた内容をベースにし、各項目それぞれ20分程度で最も重要な点を中心に、その要素が含まれた授業や中央研修受講者からの感想を併せて紹介しています。実際の中央研修の場面と教室での実践を紹介することで、8項目の内容をご自身の授業で具現化していただく際のアイディアをご提供できるものとなっています。

平成27年度版DVD(3枚組)では、実際の授業における事例を紹介しています。紹介されている授業に共通する重要なテーマとして、【教室でのインタラクションのための英語】と【学習意欲の喚起】の2つがあります。これらのテーマは、過去2年の中央研修受講者や児童生徒からのフィードバックに基づいて選ばれました。各学校段階の学びを円滑に接続させるという観点から、小・中・高等学校それぞれの授業実践の様子と解説を1巻の中に収録しています。

  • 本DVD教材は、研修実習と組み合わせてご活用いただくと最も効果的です。
  • 教員に対する研修を実施する際は、まず教員自身が求められる指導法等を自ら体験し、考える機会をもつことが重要です。そのため、上記の域内における研修実習では、英語で行う言語活動の体験に重点を置いています。
  •  以上の点から、本DVD教材の視聴をもって実際の研修実習(言語活動の体験等)と置き換えることはできません。

授業実践のヒント

DVD教材のほかにも、ブリティッシュ・カウンシルでは、研修の8項目をより深くご理解いただくために、実際の授業実践にご活用いただけるオンライン教材サイト、小学校向け、中高校生向けなど対象に合わせた学習者向けのオンライン教材サイト(無料)など、授業に使えるさまざまなリソースをご紹介しています。

ポスター

中央研修参加者がカスケード研修で使用しているポスターのデータです。A1サイズで印刷できます。授業でご活用ください。

ブリティッシュ・カウンシルの英語教員向けサイト