2021年 07月 01日 (木曜日)

ブリティッシュ・カウンシルと東京外国語大学
大学入試用英語スピーキング・テスト「BCT-S」 全国の大学に導入推進の構想を発表
―大学入試改革に新たな解決法を提案

英国の公的な国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシル(所在地:東京都新宿区 駐日代表:マシュー・ノウルズ)と、国立大学法人 東京外国語大学(所在地:東京都府中市 学長:林佳世子)はこのほど、両者が共同で開発した大学入試用英語スピーキング・テスト「BCT-S」の導入から3年の実績を踏まえ、全国の大学に向けて、本テストの導入を推進していくための今後の構想を発表しました。

大学入学共通テストへの英語民間試験の導入が一昨年の秋に見送りになり、入試において英語の4技能をどのように評価するのか、各大学は改めてその検討を進めていると想定されます。ブリティッシュ・カウンシルと東京外国語大学は、大学の個別入試に活用可能なスピーキング・テスト「BCT-S」を一つの解決法として、全国の大学に向けて本テスト導入を共に推進していく予定です。また、受験生や高等学校に対しても本テスト対策の拡充をはかり、学習と指導の支援を進めていきます。

「BCT-S」(British Council TUFS- Speaking Test for Japanese Universities)には以下の特徴があります。

学習指導要領に準拠し大学入試に最適化、さらに世界水準の判定ができる

ブリティッシュ・カウンシルが開発した「Aptis(アプティス)」という英語力判定試験をもとに、大学の個別入試に最適化されたスピーキング・テストです。日本の高校学習指導要領と整合性のある設問を実現しています。さらに、受験者の成績は得点に加えて、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に対応して判定されます。

他の外部試験とは異なり、スピーキング試験のみ導入ができる

「BCT-S」はスピーキング・テスト単体であるため、英語スピーキング利用型入試という形で、一部の選抜のみに導入も可能です。また、リーディング、リスニング、ライティング・テストと比較して、安定した運営や公平な採点システムの難易度が高いスピーキング・テストを単体で導入できるという利便性があります。

学校推薦型、総合選抜型(旧AO)での活用

「BCT-S」と面接試験で合否判定をすれば、各大学での作問は不要。学力検査を行ったと見なすことができます。

東京外国語大学でのBCT-S実施においては以下のような実績が明らかになりました。

  • 3年連続無事故、採点不能事例ゼロ
  • 評価システムの効率化の結果、採点が早く5日目に結果が出る
  • 試験時間が12分と短く、受験者と大学双方にとって利便性が高い

東京外国語大学は、「BCT-S」を2022年度入試から同大学全学部で採用することを決定しました。東京女子大学でも2021年度入試より導入されています。また、2021年2月よりタブレットを使用してのテスト実施が開始され、より操作しやすく、便利で安全な利用が可能になりました。

2023年度以降の導入についてより多くの大学が検討を進められるよう、ブリティッシュ・カウンシルと東京外国語大学は、以下のような推進活動を予定しています。

■全国の大学を対象にした啓発活動

■受験生や高等学校を対象にした試験対策の支援活動

  • オープンキャンパスでの「BCT-S」オンライン体験会: 7月31日および8月1日実施
    東京外国語大学で行われるオンラインオープンキャンパスでの説明会
    詳細と申込み:http://www.tufs.ac.jp/admission/navi/events/open/2021.html
  • 高校教員向けのオンライン無料講座:8月4日実施
    ブリティッシュ・カウンシルの教員研修トレーナーによるBCT-Sの無料対策講座
    詳細と申込み:https://www.britishcouncil.jp/exam/bct-s/webinar-2
  • サンプル問題の解説動画や採点基準の手引きなどの試験対策の拡充
    7月半ば以降ウェブサイト等で公開予定

東京外国語大学 林佳世子 学長は以下のようにコメントしています

「BCT-Sは英語のスピーキング技能だけではなく、思考力、判断力、表現力を問うため、総合的な英語のコミュニケーション能力を伸ばすことを目指す、日本の英語教育の方針に合致しています。大学が本テストを導入することは、日本の英語教育改革を推進する上でも大きな力になると考えています。また、優れた言語能力と広い視野を兼ね備えた人材育成を目指す大学にとっては、国際的な視野をもつ活動的な学生を惹きつけるという可能性も感じています」。

ブリティッシュ・カウンシル駐日代表マシュー・ノウルズは以下のように述べています

「BCT-Sは、ブリティッシュ・カウンシルの英語力評価に関する専門性を活かし、日本の大学入試向けに高校学習指導要領に準拠して設計されました。さらにCEFRという国際的な基準に対応して判定されるため、世界で通用する英語力を目指す高校生の方々にとっても最適なテストといえます。大学の個別入試に活用可能な本テストは、大学入試改革を支える上で貴重な役割を果たすことができると考えます」。

■BCT-Sについて

長年日本の言語教育をけん引し様々な研究分野でリーダー的役割を果たしている東京外国語大学と、世界の英語教育において高度な専門性を有し、英語評価においてもグローバルな実績をもつブリティッシュ・カウンシルが、大学の個別入試に活用可能な英語スピーキング・テストとして共同で開発しました。2019年より東京外国語大学国際日本学部で導入が開始されました。「Aptis(アプティス)」という、ブリティッシュ・カウンシルのアセスメント・リサーチチームによって開発された英語力評価ツールをもとに、日本の高等学校の英語学習指導要領に準拠したスピーキング・テストです。受験者の成績は、得点に加え、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に対応して判定されます。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

テスト内容についてはこちらのサンプルテストをご覧ください。

■BCT-S実績

2019年2月25日 東京外国語大学 国際日本学部 一般選抜(前期日程)にて導入開始。デスクトップPCを利用して実施

2020年2月25日 東京外国語大学 国際日本学部 一般選抜(前期日程)にてデスクトップPCを利用して実施

2021年2月15日 東京女子大学 一般選抜(英語Speaking Test利用型)にてタブレットを利用して実施

2021年2月25日 東京外国語大学 国際日本学部 一般選抜(前期日程)にてタブレットを利用して実施

2022年2月14日 東京女子大学 一般選抜(英語Speaking Test利用型) 

2022年2月25日 東京外国語大学 全学 一般選抜(前期日程)

 

■ブリティッシュ・カウンシルについて

ブリティッシュ・カウンシルは、文化交流と教育機会を促進する英国の公的な国際文化交流機関です。私たちは文化芸術、教育、英語を通じて、英国とその他の国の人々の間につながりを育み、理解と信頼を築くために活動しています。2019年度は、8,000万を超える人々が私たちの活動に直接参加し、また7億9,100万人がオンライン、放送、出版物を通して私たちが提供する情報にアクセスしました。英国の公的な機関として1934年に王立憲章によって定められた非営利の公益団体(チャリティ)として設立され、主要な財源となる交付金の15パーセントを英国政府から受け取っています。 日本では1953年に活動を開始しました。英会話スクールや英国資格試験の運営、教育機関・企業向け英語研修、英国留学情報の提供、英語教員への研修、高等教育や文化芸術分野での国際交流支援などを行っています。 ブリティッシュ・カウンシル公式ウェブサイト: www.britishcouncil.jp

■東京外国語大学について

東京外国語大学は、1873 年に建学された東京外国語学校を前身とし、言語教育と研究における日本最高峰の教育機関です。設立以来約150年の長きにわたり、同大学では世界に誇る言語教育と研究を実践してきました。2012年には「言語文化学部」「国際社会学部」の二学部制が導入され、2019年には「国際日本学部」を設置されました。東京外国語大学公式ウェブサイト:http://www.tufs.ac.jp/

 

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