オランダ黄金時代に数々の傑作を生み出たラッヘル・ライス(1664-1750)。緻密な筆致で優美な花束を描いた彼女は、存命時のレンブラントよりも高値の評価を受けていたことで知られています。当時、多くの女性アーティストは、人体を描くための専門的な美術教育を受けることができませんでした。そのため、個人の邸宅でも取り組むことができる静物画は、ライスにとって重要な制作カテゴリーでした。父は有名な医者で、解剖学と植物学の学者でもあり、多くの標本に囲まれて育った彼女は、その環境を活かし、生涯をかけてこの静物画に向き合います。そして、10人の子を育てながら、宮廷絵画家へ。一年にわずか数点の絵画を描くだけで十分な暮らしができたというほど大成功を収めたライスの人生を、同館マクリンドル学芸フェローのニーナ・ケイヒルが解説します。

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ロンドン・ナショナル・ギャラリーと女性アーティスト

ロンドン中心部トラファルガー広場を望む荘厳な建築が、毎年多くの観光客を迎えるナショナル・ギャラリー 。13世紀半ばから1900年までの2300点以上の作品が所蔵されています。館内には、中世宗教画から貴婦人の肖像画まで女性が描かれた数々の作品が飾られる一方、女性アーティストの手による作品はわずか21点にすぎません。国際女性デー(International Women's Day)を祝して特集するこのオンライン・ギャラリーツアー・シリーズでは、同館が所蔵する女性アーティストによる作品を紹介し、美術史を形作った彼女たちの功績とその現在への影響に光を当てます。男性中心の芸術界を彼女たちはどのように生き抜き、自らを成功に導いたのでしょうか? 6人の解説者が、異なる視点から検証します。

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女性アーティストがもたらすアートへの貢献

ロンドン・ナショナル・ギャラリーに飾られる女性アーティストたちが生きた時代には、今以上のジェンダー格差がありました。解剖学や男性の人体写生など当時の正統的な美術教育を受けることができず、「女性らしい」モチーフを描くことを求められ、男性中心のアカデミアへの入会は制限されていました。にもかかわらず、多くの女性アーティストが自らの意思と才能で大きな成功を収めることができたのです。彼女たちの足跡をたどり、その美術史における役割を理解することが、女性アーティストのもたらした貢献の現代への重要性を明らかにすることにつながります。過去の偉人である彼女たちはまた、現在そして未来のロールモデルなのです。

 国際女性デーについて

国際女性デー(International Women's Day)は、さまざまな分野の女性たちが築いた歴史的な前進、変革への要求と勇気を称える日として、全世界で認知されています。IWDが2021年に掲げるテーマは #ChooseToChallenge。コロナ禍の世界で、平等な未来を実現する女性と女児のリーダーシップを推進してます。 

ブリティッシュ・カウンシルは、世界110カ国で展開するさまざまなプログラムを通じて、女性と女児のエンパワーメントを目的とした機会を提供しています。

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