英語試験のコツと問題タイプ別のヒント:ライティング

大学入試や語学資格試験では、様々な場面・用途での英語活用を想定し、その目的や状況を理解する力が試されます。目標のスコアを獲得するためには、その本質を捉えるのはもちろん、出題される質問の特徴やパターンを理解し、正解を見つけるコツを知ることが大切です。どんな点に注意したほうがいいのでしょうか? 英語4技能「読む・聞く・書く・話す」の問題タイプ別に、準備するうえで気をつけるべきポイントや回答のコツを見ていきましょう。

第二回は「ライティング問題」です。(出典:LearnEnglish Teens  )

  1. 計画を立てる(Planning time)
  2. 回答を書く(Writing time)
  3. 書いた文を見直す(Reviewing time) 

1.計画を立てる

問題文を読み、答えを書きだす前にいくつか行うべきポイントがあります。「計画を立てる」うえで注意すべきポイントを紹介します。

◎どんなタスクがあるのか? 

試験によっては、行うタスクが選択できる場合があります。その場合は素早く、でも慎重に選択する必要があります。全てのタスクの選択肢を読んで、あなたにとって最も簡単あるいは最も興味を持つものを選びましょう。興味がある話題は、より上手に英語で書けるものです。もし可能であれば、試験前にどんな種類のライティングが出題されるのか調べ、色々なタイプのタスクに答えられる準備をしておきましょう。 

◎時間配分

ライティングに着手する前に、タスクをこなすのにどの程度の時間を費やせるのかを知っておくことが重要です。時間配分の方法に正解はありませんが、例えば、制限時間40分でライティング問題の時間配分(計画→ライティング→見直し)を考えるとしたらどのように計画しますか? こちらは時間配分の一例です。

計画を立てる(Planning):10分
回答を書く(Writing):25分
書いた文を見直す(Reviewing):5分

一見するとプランニングの時間が長いように感じるかもしれませんが、書く前によく計画を練り、自分が何を書くつもりなのかを明確に知ることが、実は成功へのカギとなります。 

◎何を書く必要があるのか?

この問題で、あなたがするべきこととは? 聞くまでもないことですが、実はこの基本的なことが疎かになることがよくあります。 

  • タスクを注意深く読み、問題文の指示の重要な部分に下線を引きましょう。これによりタスクに正しく答えるためのポイントを把握します。 
  • いくら完璧な英語であっても、タスクを正しく行わなければ得点にはつながりません。 
  • 文字数の制限はありますか?規定の文字数より多すぎても少なすぎても、どちらも減点の可能性があります。 

ここで、下記の練習問題を見てみましょう。特定の質問に対する回答をライティングの中に含めないといけないので、問題に正しく答える練習になります。

どんな種類のライティング?

物語、Eメール、賛否エッセイ、記事。求められているライティングはどの種類のものですか?
ライティングの種類によって使う言語も異なります。例えば物語であれば、単純過去時制や過去継続時制、完了時制など物語りに適した時制を使う必要があります。一方、雑誌記事では個人的な経験や意見を含めることで読者を楽しませる必要があります。 
下記、様々な種類のライティングの参考にしましょう。

異なる様々なタイプのライティング・タスクを上手にこなすためには、様々なタイプのタスクを練習することです。たくさん読むことも重要です。物語を読むことは、物語を上手く書くことにつながります。英語で読むことが増えれば増えるほど、ライティング・スキルも向上します。

◎読者は誰なのか?

上手に文章を書くためには、「誰」に向けて書いているのか考えることが大切です。試験の中で書いたEメールや手紙は、実際には教師しか読まないかもしれませんが、実在の誰かに書いていることを想像する練習になります。だから誰がこの種類の文章を読むのか、注意深く考えましょう。そのうえで適切な英語のスタイルを選び、興味深いアイディアを含められれば、良い得点につながるでしょう。タイプ別に下記の例文を参考にしてみましょう。

  • 友達に充てたEメールやハガキの場合:親しみのある、インフォーマルな言葉、略語を使いましょう。(例)an emaila postcard
  • 校長に提出するレポートの場合:明確でフォーマルな文章にする必要があります。(例)writing a report
  • 雑誌記事の場合:若者に向けた記事なら、インフォーマルで喋り口調の言葉を使うのも効果的でしょう。
  • ブログの場合:個人的な経験を書きましょう。(例)writing a blog post

◎計画を立てる

計画することは、自分のアイディアを整理するのに役立ちます。アイディアは完全な文章である必要はなく単一の単語で十分です。アイディアが十分に出てきたら、それを段落にまとめます。いくつの段落で構成するのかを考え、アイディアを整理します。多くの文章には、4つの明確な段落が必要です。

「物語」の場合
一段落目(起):物語の背景、登場人物、設定
二段落目(承):問題(主人公に何が起きるのか)
三段落目(転):問題解決(サスペンス要素を多く含む出来事が発生…問題は解決するのか?
四段落目(結):エンディング。楽しいものにもできれば、怖い、不気味なもにもできます。 

「賛否エッセイ」の場合
一段落目:イントロダクション(何についてのエッセイなのか)
二段落目:賛成の意見と議論
三段落目:反対の意見と議論
四段落目:結論

明確な計画を立てることは文章ライティングの上達の近道です。試験を始めるときにも先ず計画を立てるようにしましょう。 

2.回答を書く

文章の計画を立てることは重要ですが、当然ながら一番時間を費やすのは文章を書くステップです。計画に満足し、文章の読者を念頭に置けたら、書く準備が整いました。ここでは高得点を取るためのヒントをいくつかご紹介します。 

◎語彙

適度に広い範囲で語彙を使用することは高得点につながります。つまり、同じ言葉を何度も使うのではなく様々な単語を持ち合わせていることが求められます。

  • 同じ言葉を繰り返さないこと。同義語や反義語を使用しましょう。
  • 副詞や形容詞を使用し、文章をより面白くしましょう。
  • フォーマルなものなのか、インフォーマルなものなのか、文章のスタイルを考えましょう。文章の読者に合わせて、それに適した語彙を慎重に選びましょう。 

(参考問題)

説明的な言葉を多用した文章

ブログ:インフォーマルな言葉を使う方法を知る

映画レビュー:レビューを書くのに必要な語彙に焦点を当てる

◎ワード数のカウント

タスクで設定された制限ワード数を知り、多すぎたり少なすぎたりしないように調整します。ワード数の大幅な超過や不足は、減点の対象にもなります。

  • ワード数のカウント作業に長い時間は費やさないこと。当然ですが、何を書いているのか考え見直すことに時間をかけましょう。
  • 書く練習を通して、60語、100語、150語…が1ページの中でどの程度のボリュームなのか分かるようになりましょう。
  • ワード数を数えるには、通常の一行のワード数と行数をかける方法もあります。正確な数ではありませんが、大体の数が分かるので、一つ一つ単語を数えるよりかなりスピーディです。 

3.書いた文を見直す

答えを書き終わったら、文章を見直す時間を十分に残すことが大切です。書いたものにきちんと目を通し、英語、スペル、句読点に間違いがないか確認しましょう。 

◎タスクに正しく答えられているか?

課せられたタスクに答えていない場合は減点の対象になります。タスクを読み直し、自分の回答がそれに正しく答えられており、問われていることをこなしているのか確認しましょう。特定の質問に答える必要がある問題なら、それに答えられているかチェック。チェックするときには、質問シートからチェックを外しましょう。 

◎正確性

文章のライティングでは誰もが間違いを犯しますが、同じ間違いを繰り返すことがしばしばあります。あなたがよくする間違いは何ですか? ここで、文章を正確に書くためのヒントをいくつかご紹介します。間違いが少なければ少ないほど高得点につながります。試験の最後にライティングを見直すときには、注意深く読み、おかしな間違いをしていないか確認しましょう。レビューの時間を使ってどんな間違いも修正します。

  • 自分がやりがちな典型的な間違いを知り、注意深く確認しましょう。一年の間に自分が書いたものに目を通すなどして、自分の典型的な間違いをリストアップしましょう。
  • 動詞の一致をチェック。
  • 名詞と形容詞の語順を確認しましょう。
  • 形容詞はどの語にも左右されず一致しないことを覚えておきましょう。 
  • 【練習問題】An informal email:典型的な間違いポイントを見てみましょう。また、間違い修正のタスクに取り組んでみましょう。

◎スペル、句読点のチェックポイント

  • いつもスペルチェックを心がけましょう。書いた言葉に違和感があるなら、他のスペルをノート用紙に書く練習をしてみて、ほかの言葉が正しく見えるか確認しましょう。 
    例題)Travelling abroad
  • 句読点も常にチェック。英語で大文字を使うのはどんな時か、覚えておきましょう。
    例題)A recipeAn invitation:句読点の練習
       A social network site:大文字を使う練習 
  • 直接話法を使う場合は、””(スピーチマーク)をきちんと使いましたか?
  • 質問はクエスチョンマークを使いましたか?
  • 文章の最後はピリオドで終えていますか?

いかがでしたか? 次回は、「リスニング」についてご紹介します。

※ブリティッシュ・カウンシルの中高生向け英語コースSecondary Plusでは、様々なトピックやジャンルのライティング・タスクに取り組みます。また、プロフェッショナルな講師による指導と添削、フィードバックを通して、どのような形式のライティング問題が出ても対処できる実践力を身に着けていきます。コース詳細はこちら。 

【合わせて読みたい】