イギリスの大学・カレッジ・大学院では、優れたコースを多数提供しています。また、イギリスの大学やカレッジ、大学院で取得する学位は、世界中の企業や経営者、研究機関から高く評価されています。イギリスの高等教育(大学・大学院)では、学士号や修士号、MBA(経営学修士号)、PhDのほか、さまざまな資格が取得できます。
イギリスの大学レベルで取得できる主な学位と資格
- 学士号(Bachelor’s Degree)
イギリスの大学の学士号コースは、専攻科目の理解を深める目的で構成されたプログラムです。全日制のコースは、通常3年間(コースによっては4年間)で修了します。 専攻分野に応じてBA(文系)BSc(理系)BEd(教育学)BEng(工学)といった学士号を取得できます。
学位には、「 Ordinary(普通)」または「Honours(優等)」の2種類があります。学位の評価についての判断は、大学やカレッジに任されています。一般的には「ordinary」や「unclassified」の評価は、学士号コースの全課程修了時に「honours」に値する成績でなかったことを意味します。ただし、スコットランドでは、通常、「ordinary」は3年間の全日制コース、「honours」は4年間の全日制コース修了時に授与されます。 - Foundation Degree
Foundation Degreeは、学士号コースの最初の2年間と同等のレベルの学位とみなされます。コースには、全日制と週に数日のパートタイム制があり、授業のほかにも現場での職業実習も含まれます。Foundation Degreeは単独でも通用する資格ですが、修了後に学士号コース3年目への編入も可能です。 - 高等教育ディプロマ
高等教育ディプロマ(DipHE)は、2年間の全日制のコースです。DipHEの学位は、学士号コースの最初の2年間と同等レベルとみなされ、関連する分野の学士号コース3年目への編入も可能です。学術的な科目もありますが、看護や社会福祉といった特定の職業や専門職に関する科目をメインに構成されています。 - 高等教育サーティフィケート
高等教育サーティフィケート(CertHE)は、特定の職業や専門職、または学術分野に特化したコースです。イギリスでの高等教育課程(大学・大学院レベル)において、CertHEの学位は最も基礎レベルの資格で、学士号コース1年目と同等レベルとみなされます。CertHEの学位取得は、大学レベルで学ぶための準備ができていることを意味し、大学進学、転職、キャリアアップへの自信につながります。さらに勉強することで、Foundation DegreeやDipHEの取得も目指せます。 - Higher National Diploma
Haiher National Diploma(HND)は2年間のコースで、成績次第で学士号コース3年目への編入が可能です。2年間のコースで、成績次第で学士号コースの3年目に編入可能です。
イギリスの大学院レベルで取得できる主な学位と資格
イギリスの大学大学院レベルのコースの修了時には、コースや内容によって、下記のような学位や資格が取得できます。
- 修士号(Masters’ Degree)
イギリスの大学院の修士号コースでは、特定科目に関する知識を深めること、また、学部課程で習得した技術で全く異なる分野を追求することが目的です。修士号の学位は、専門分野において、高い専門知識と技術の習得を証明するものです。イギリスの大学院では、ほとんどすべての科目に修士課程があり、講義主体の修士号と、研究主体の修士号の2種類があります。 - MBA(経営学修士号)
MBAは、経営の成功に必要なスキルを身につけていることを意味する、国際的にも通用する学位です。イギリスの大学院のMBAコースでは、ビジネス政策と戦略、運営管理と戦略経営、マーケティング、市場分析、財務会計、IT、人材管理、リーダーシップ、起業家精神、国際貿易といった内容を学びます。 - 博士号(PhD/doctorate)
イギリスの大学の博士課程で取得するPhD、DPhilといった博士号は、最高レベルの学位です。高度な研究を求められる資格で、研究職への道が開けます。イギリスでは、博士課程への出願には、学部レベルで少なくともアッパーセカンド以上の成績を修める必要があります。修士号は必ずしも必要ではありませんが、PhDの前に修士号を取得するのが一般的です。 - ポストグラデュエイト・ディプロマ(Postgraduate Diploma)
イギリスの大学や大学院では学士号取得後も、さらに学習を深めることを希望する学生のために、さまざまな選択肢が用意されています。ポストグラデュエイト・サーティフィケートやディプロマのコースは、学生が新しい分野を学んだり、学士課程で得た知識や技術をさらに深めたりする機会を提供しています。 - 専門資格・職業資格
専門資格・職業資格は、特定の職業に就くために必要な技術の向上を目的としたコースです。ほとんどのコースには実践的な研修があり、その仕事を実際に体験する機会が提供されています。 - コンバージョン・コース(Conversion course)
コンバージョン・コースは、すでに学位を取得した学生が、仕事に就く前の準備として、専門分野を変更して学習する、大学院の職業資格コースです。
講義主体の大学院プログラムは、「講義」「試験」「コースワーク」の評価で構成されています。一方、研究修士号の大学院プログラムでは、特定の分野についてより深く研究を行い、学位論文を作成します。通常、2年から3年で修了します。
科目とモジュール(大学・大学院)
イギリスの大学・大学院の多くは、「モジュラー」という単位制のシステムを採用しています。そのため、さまざまな専攻分野から科目(モジュールやユニット)を選び、独自のコースを組み立てることができます。例えば、英文学を専攻している人は、1年目はサイエンス・フィクションを1モジュール、児童文学を1モジュール、短編小説を1モジュールというように選択します。
2つ以上の分野に興味がある場合は、英文学と心理学を組み合わせて受講するといったことも可能です。多くの場合、各科目をどの程度勉強したいかによって配分も自分で決めることができます。「Joint」は2つの科目を同じ割合、「major」と「minor」は3対1の割合で勉強することを指します。
イギリスでの職業体験(大学・大学院)
コースの中には、ビジネス、慈善事業、公共機関といった実際の職場での1年間の就労が含まれているものがあります。多くの場合、学士号コースの3年目、HNDコースの2年目に実習が行われ、職場によってはフルタイムで有給の雇用となります。これらの実習は、コース修了後に就職を希望する分野での貴重な職場体験となります。自分のビザの在留資格で、こうした実習が可能かどうか、コース出願の前に確認しておきましょう。
イギリスでの受講スタイル(大学・大学院)
全日制の大学の学士号コースのほとんどが、3年間で修了できます(スコットランドでは4年間のことが多い)。全日制の大学院コースの場合は、修了まで1年以上かかります。
週に数日のみ大学や大学院に通うパートタイム制のコースでは、通常、修了までさらに長い期間が必要です。一方、パートタイムコースでは、働きながら、無理のないペースで勉強することが可能です。パートタイムコースの期間は設定されていないため、修了までに必要な期間は選択するコースによってさまざまです。イギリスへの留学にビザが必要な方は、自分の在留資格でパートタイムコース受講が可能かどうか、事前に UK Visas and Immigration(UKVI:英国ビザ・イミグレーション)のウェブサイト(英語)で確認しておきましょう。
イギリスの大学・大学院では、イギリスにあるキャンパスと同様に、イギリス国外にあるキャンパスでも、コースを受講できます。イギリスの教育機関の海外キャンパスで行われる遠隔教育がその一例です。
イギリスの学年度(大学・大学院)
イギリスの大学や大学院の学年度は、9月または10月に始まり、6月または7月まで続きます。選択するコースによってはさらに柔軟で、開始時期もそれぞれ異なります。