UCAS出願 ― 重要なアドバイス(大学・大学院)
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John Cooper / Ikon Partnership

イギリスの大学(一部の大学院)への出願手続きは、Universities and Colleges Admissions Service(UCAS)を通してオンラインで行います。出願後の流れはすべて、UCASウェブサイトから追跡できます。また、出願手続きは、出願者が自ら行うか、代理人(学校、カレッジ、大学、留学エージェント)を介して行います。

大学への提出書類について、​​UCASのスタッフ、イギリスの大学・カレッジの留学生課や国際課の担当者に、出願書の審査ポイント、出願書の仕上げ方、志望動機書(Personal Statement)の書き方についてアドバイスを聞きました。

イギリス留学に向けたUCAS出願前の注意点

イギリスの大学(学士号コース)への出願締切日は、通常、1月15日前後です(詳しくは「UCAS Undergraduate: when to apply 」でご確認ください)。イギリスの大学は9月または10月に開始するため、出願締め切りは「同じ年の1月15日前後」となります。

締め切り以降に出願することも可能ですが、競争率の高いコースはすでに定員となり、出願書が審査対象とならない可能性があります。出願締切日に間に合わなかった場合には、出願先の大学やカレッジに直接お問い合わせください。

出願前に、希望する大学の学部の入学要件を満たしていることを確認してください。コースによっては、一定水準の英語力が求められる場合や、イギリス留学用のビザが必要となる場合があります。詳しくは「留学生のイギリスでの入学資格・条件(大学・大学院)」をご覧ください。

大学(一部、大学院)へ出願予定の方は、学校の国際課や留学生課に連絡して、留学希望を伝えると、出願に関するアドバイスやサポートを受けられます。出願手続きに関する問い合わせも可能です。

ステップ 1:UCAS登録(イギリスの大学への出願​​)

最初に、UCAS Hub にアクセスして登録を行います。出願先の種類「Undergraduate」を確認し、ユーザー名、パスワード、セキュリティ保護用の質問を設定します。学校、カレッジ、留学センター、留学エージェントを通して出願する場合には、該当機関から受け取ったバズワード(Buzzword)を入力してください(登録時に入力できない場合は、その後でも可能)。その後、ログインして、その他の個人情報(資金状況および特別なニーズ)を入力します。

ステップ 2:コースの選択(イギリスの大学への出願​​)​​

最大5コース(医学部、歯学部、獣医学部は最大4コース)​​まで出願することができます。ここでは、コースの優先順位は付けません。大学・大学院側は、出願者が選択した別のコースを閲覧することはできない仕組みになっています。オックスフォード大学およびケンブリッジ大学については、いずれか一校にしか出願できない場合があります。詳しくは各大学にお問い合わせください。

ステップ 3:学歴および職歴(イギリスの大学への出願​​)

出願フォームの学歴の欄には、これまでの学歴(在学中の学校、カレッジまたは大学を含む)​​を入力してください。出身国の教育制度、言語資格など、取得済みの資格をすべて入力してください。結果待ちや受験予定の試験を記入することもできます。その場合、試験結果は、教育機関から入学オファーを受けた後に通知できます。

UK ENIC(イギリスの資格比較サービスを提供する有料のウェブサイト)を利用することもできます。

職歴欄には、最大5つまでの職務経験(フルタイムまたはパートタイムで有給の仕事)を記載します。無給の仕事またはボランティア活動については、この欄ではなく、志望動機書に記入してください。職務経験がない場合は空欄にします。

ステップ4:志願動機書(イギリスの大学への出願​​)​​

志望動機書(Personal Statement)​​は、自身をアピールする機会となります。コースを志望する理由、コースに対する適性(スキルおよび興味・関心)、大学がなぜ自分を採用すべきかについて、自分自身の言葉で表現してください。

志望動機書の書き方のポイント(イギリスの大学への出願​​)​​

  • 英語で記入(ウェールズでの留学を希望する場合は、英語またはウェールズ語で記入)
  • 完全な文章で記入する
  • 最大47行または4000字(スペースを含む)までに収める
  • スペル、文法、句読点などの間違いがないことを確認する他文献等の文章の複写・盗用をせず、自分自身の文章で記入する
  • 他文献等の文章を複写するのではなく、自分自身の文章で記入してください。イギリスでは文章の盗用は重大な違反となり、UCASには盗用された文章を照合できるソフトウェアが導入されています。 

志望動機書は、可能であれば、英語のネイティブスピーカーやまたは先生に最終的なチェック(とくにスペル・文法・句読点のミスなど)を依頼するといいでしょう。

また、UCASには盗用された文章を照合できるソフトウェアが導入されています。 イギリスでは、文章の盗用は重大な違反となります。

志望動機書の内容(イギリスの大学への出願​​)​​

  • コースの志望動機、専攻科目に興味・関心がある理由は最も重要なポイントですので、第一段落に記載します。
  • 専攻する学問分野に関連して取り組んだ課外活動(自主的に読んだ書籍、コンテストへの参加等)
  • 将来の目標、その目標達成にコースが役立つ理由
  • コース履修に役立つその他の課外活動、経験(これまでに履修したコース等)、職歴(有給および無給)
    (例)政治学部を志願する場合には、学級委員長を務めた経験など
  • さまざまなことに興味がある点をアピールするため、趣味や習い事、関心事(オーケストラの楽団員、救急手当講習会の受講経験、地元サッカーチームのキャプテン等)を簡潔に説明します。
  • コースの志望動機専攻科目に興味・関心がある理由
  • 最も重要なポイントとなるため、第一段落に記載する。
  • 専攻する学問分野に関連する取り組み・課外活動
    (例)自主的に読んだ書籍、コンテストへの参加など
  • 将来の目標、その目標に向けて出願するコースが役立つ理由
  • コース履修に役立つその他の課外活動・経験(これまでに履修したコース等)、職歴(有給および無給)
    (例)政治学部を志願する場合には、学級委員長を務めた経験等を記載するさまざまなことに興味がある点をアピール
    (例)趣味・習い事・関心事(オーケストラの楽団員、救急手当講習会の受講経験、地元サッカーチームのキャプテン等)を簡潔に説明する。

ステップ 5:宣誓書、推薦状、出願料の支払い、提出(イギリスの大学への出願​​)​​

出願書の作成が完了したら、「完了(Complete)」にチェックを付けて保存し、宣誓書(UCAS利用条件)に同意してください。

自分の学業成績や能力をよく知る家庭教師、指導員、社会人に推薦者になってもらい、推薦欄に推薦者のメールアドレスと電話番号を入力します。所属する学校、カレッジ、センターに推薦状の作成を依頼することも可能です。推薦状に関する情報は、UCASの「How to get a UCAS Undergraduate reference」をご覧ください。

最後に、出願料をオンラインで支払います。出願料(2022年入学の場合)は、1コースの場合で22ポンド、複数のコースの場合26.50ポンドです。学校、カレッジまたは留学センターを通して出願する場合には、出願料の支払い方法について確認する必要があります。

以上で、UCASウェブサイトでの出願手続きは完了です。

出願の追跡と合格通知(イギリスの大学への出願​​)​​

出願書の提出後は自分のUCASプロファイルの「Track(追跡)」​​にログインすれば、いつでも状況を確認できます。また、出願についての最新情報がある場合は、メールで通知を受けることができます。

大学からの合格通知(オファー)があれば、UCASから通知が届きます。無条件合格であれば、入学が確定しています。条件付き合格とは、現在の学業や英語のテストで一定の基準を満たすことができれば、合格が確定するということです。

大学やカレッジから、面接やオーディションの要請(Invitation)が届くこともあります。詳しくは、UCASの「Track your UCAS Undergraduate application」をご覧ください。

合格通知の返答(イギリスの大学への出願​​)​​

大学からの合格通知(オファー)を受けるには、UCASウェブサイトから返答します。すべての出願先から合否結果が届くか、合否待ちの出願をすべて取り下げた後に返答できます。

複数の合格通知が届いた場合、第一希望(Firm Acceptance)と第二希望(Insurance Acceptance)を選択肢ます。第二希望は、試験結果が合格水準を満たさず第一希望に入学できなかったときの保険の役割を果たします。入学を希望するコースから無条件合格(入学要件がすでに満たされている)を受けた場合には、保険となる別のコースを選択せずに、希望のコースへの入学意思を確定させます。

大学からの合格通知に対する返答締切日については、「Replying to your UCAS Undergraduate offers」を確認してください。