和歌山県高野町は、「中学校卒業時に、すべての子どもが、自分のことやふるさと高野町について英語で話せるようになる」ことを目標にしています。その目標の実現に向けて2021年から、高野町とブリティッシュ・カウンシルは協働で、小中9年間の英語教育プログラムを構築する取り組みを始めました。
★【11月19日(火)開催】 「令和6年度 高野町小学校・中学校英語教育研究発表会」
この取り組みに関して発表会が開催されます。詳細・お申込はこちらをご覧ください。
カリキュラム・指導・教材を一体的に扱う
このプロジェクトでは、子どもたちがバランスよく英語を使うことができるカリキュラムや教材を整えるだけでなく、教師が効果的で実績のある指導テクニックを徐々に習得し、毎日の授業で実践しています。また、業務量等にも配慮しつつ、学級担任がT1として授業をリードできる力の育成も目指しています。そして、自律的に授業改善を続ける 教師集団づくりも行います。
4年間かけて高野町独自の英語教育を自律的に実践できるように、教員の声を聞き相談・伴走しながら、ブリティッシュ・カウンシルが持つノウハウや経験を最大限に共有していきます。
主な取り組み(小学校の例)
- カリキュラム、単元計画、授業案:外国語として英語を使う日本の環境を踏まえ、6年間の学びを、系統的、段階的に組み立て。
- 教材:子どもたちの興味関心をひきつけ英語力の習得を支える効果的な教材として、教科書を中心に、絵本や歌、カードなどを利用。
- 聞く話す指導:低学年での豊かなインプットと意味理解を重視し、徐々に語いを積み上げ、全員が自分の思いを話せるよう指導。
- 読み書き指導:「シンセティック・フォニックス」を導入し、自分で読み書きができるようになるためのの基礎をつくり、中学校につなげる。
- 指導法:第二言語習得や認知科学に基づく学びなどを踏まえ、小学生年代に適した実践的な指導法を紹介。
- 教員支援:学級担任が英語指導に関われるよう、校内の協働・支援体制を整備。研修や授業支援を通して、教師の授業力と自信を高める。
児童・先生方からの声
プロジェクト開始から2年が経ち、次のような声が寄せられています。
児童
- 「考えたことを英語で表現できるようになった」
- 「ドリルや会話を繰り返すことで、語いや表現を使うことができるようになった」
- 「フォニックスの指導によって、読んだり、書いたりできるようになり、英語への自信につながった」
研究主任
- 「以前は『できていなくても楽しくできれば・・・」と考えていました。けれども今は、『足場がけをすることで、すべての児童が目標を達成することができる。それが児童の意欲や楽しさにつながる』と、英語の教え方や考え方が変化しました」
学級担任
- 「研修を受けたり、授業を行ったりすることで、英語の授業をどのようにすればよいのか分かり、英語指導への不安が消えていきました」
- 「教えてもらった指導法やレッスンプランに基づいて授業ができるので、迷いなく授業が行えます」