イギリスでは世界的に有名なイベントから地元のお祝い事まで、年間を通してさまざまなイベントを体験できます。
バンク・ホリデーとは
公休日(イギリスではその多くをバンク・ホリデーと呼びます)には、ほとんどの店舗や企業、公共施設が休業します。また、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドではそれぞれ日にちが異なります。
イングランドの公休日(祝日)カレンダー
イングランドでは、国によって異なる祝日があるため、注意が必要です。なお、イングランドとウェールズの祝日は同じです。スコットランドと北アイルランドには、それぞれにしかない祝日があります。同じ名称の祝日でも、国によって日にちが異なる場合があります。
1月1日 | New Year’s Day 正月 |
1月2日 | 2nd January 新年 * |
3月〜4月の金曜 | Good Friday 聖金曜日 |
3月〜4月の月曜 | Easter Monday 復活祭(イースター)** |
5月第1月曜日 | Early May bank holiday アーリー・メイ・バンク・ホリデー |
5月末〜6月初旬 | Spring bank holiday スプリング・バンク・ホリデー |
7月12日 |
Battle of the Boyne (Orangemen’s Day) オレンジメンズ デー*** |
8月第4月曜 | Summer bank holiday サマー・バンク・ホリデー ** |
11月30日水曜 | St Andrew's Day セント・アンドリューズ・デー * |
12月25日 | Christmas Day クリスマス |
12月26日 | Boxing Day ボクシング・デー |
*スコットランドのみの祝日
**英国、ウェールズ、北アイルランドの祝日(スコットランドは日程が異なる)
***北アイルランドのみの祝日
祝日のなかには、年ごとに日程が変わるものがあるため、詳しい祝祭日リストについては、 gov.uk(UK bank holidays)で確認してください。
イギリスのイベント・カレンダー
イギリスでは一年を通じて、多くのイベントが開催されます。下記に紹介するイベントは祝祭日以外のものも含まれますので、ご注意ください。年間イベントについて詳しくは、下記をご確認ください。
イギリスの祝祭日とイベント行事(1月~4月)
1月1日:元旦(イギリスの祝日)
大晦日の夜は、友人や家族とともに、スコットランドの詩人ロバート・バーンズ作詞の「オールドラングサイン」(「ほたるの光」のメロディー)を歌って新年を祝います。年が明けてもパーティは続き、多くの人が「新年の誓い」を立てます。
スコットランドでは、新年の祝賀を“Hogmanay”と呼び、各地でイベントやパーティが行われますが、エディンバラで開催されるイベントが最大です。
1月25日:バーンズナイト(スコットランドの行事)
スコットランド人の多くは、特別なディナーを用意してバーンズナイトを祝います。バーンズの詩を朗読し祝杯をあげるのが伝統です。男性は伝統衣装のキルトを着用することもあり、バグパイプの音楽を聞きながら、ハギス(スコットランドの伝統的な料理で羊の肉やレバーを腸に詰めて蒸したもの)をカブやジャガイモとともに食べます。
1月下旬〜2月上旬 :旧正月
ロンドンの旧正月のお祭りは、アジア圏外としては最大規模。旧正月を迎えるにあたり、街は色彩と音、おいしい香りで溢れます。ウエストエンドのチャイナタウンではパレードが行われ、音楽やアクロバティックや舞踊が披露され、宴会や花火が行われます。他にも、イギリスの多くの都市で、屋台、花火、ドラゴンパレードなどが行われます。マンチェスター、ノッティンガム 、リバプール 、バーミンガムなどでは盛大なストリートパーティが開かれます。
2月14日:聖バレンタインデー
イギリス中にロマンチックな空気が漂います。歴史的には聖バレンタインを祝う日ですが、現在ではロマンスを祝う日となっています。イギリスでは多くの人が恋人をディナーに誘い、バレンタインカードやチョコレート、花を贈ります
2月中旬~3月上旬の火曜日:パンケーキ・デイ(告解の火曜日)
告解の火曜日は、四旬節の始まる「灰の水曜日」の前日にあたります。四旬節とは、イースター前の40日間、チョコレートや甘いものなど体に悪いとされるものを断つ期間のこと。この四旬節の間、家庭ではバター、卵、牛乳、砂糖などのぜいたくな食材を食べないため、前日(国会の火曜日)に使い切れるようパンケーキを作ったのが始まりだとされています。現在では宗教的要素はさほど強くないものの、やはり多くの人がこの日にパンケーキを作って食べています。もうひとつ、「パンケーキ・デイ」ならではの伝統的習慣が、フライパンのパンケーキをひっくり返しながら走る「パンケーキ・レース」。最も有名なのが、 バッキンガムシャーのオルニー のパンケーキレースで、最初の開催は1445年まで遡ります。
3月:母の日
イギリスでは毎年、イースター(復活祭)の3週間前の日曜日を、「母の日」としてお祝いします。多くの人が母親にカードやギフトを贈ったり、母親のために食事を作ったりします。
3月1日:聖デヴィッドデー(ウェールズの行事)
ウェールズの守護聖人である聖デヴィッドとウェールズ文化を称える行事が行われます。イギリスでは公式な祝日ではありませんが、特別なお祝い、パレード、ストリートパーティー、スポーツイベントなどで盛り上がります。ウェールズの人々は黄色のラッパズイセン(鮮やかな黄色は聖デヴィッドの色)を付けた民族衣装を身にまとい、カウルと呼ばれる野菜と羊(またはベーコン)のスープを食べます。カーディフでの盛大なパレードを始めとして、ウェールズ各地でイベントが催されます。
3月17日:聖パトリックデー(北アイルランドの行事)
聖パトリックデーはアイルランドの祭日で、今世界中のアイルランド系コミュニティで祝われています。ベルファストと同様に、バーミンガム 、マンチェスター 、ロンドンといったイギリスの多くの都市でも、この日を祝う行事が催されます。緑色のアイテムやシャムロック(幸運のクローバー)を身に着けて友人たちと出かけ、ギネス(アイルランドの黒ビール)でお祝いします。
4月1日:エイプリルフール
一年に一度この日だけは嘘や悪戯、悪ふざけが許されます。新聞やテレビ、ラジオでさえも、真実ではない話を取り上げることがあります。「エイプリル・フール!」と言ってジョークであることを打ち明け、正午に悪ふざけをやめるのが習慣です。ジョークに引っかかった人物は親しみを込めて「フール(バカ)」と呼ばれます。
3月~4月:イースター(イングランド、ウェールズ、北アイルランドの休日)
イースター(復活祭)には2つのバンクホリデーがあります。「グッドフライデー」と「イースター・マンデー」です。イースターはイエス・キリストの復活を祝うキリスト教の行事です。イースターの日曜日は、春になって最初の満月の後に来る日曜日(3月~4月)とされているため、年によって日にちが異なります。イースター前後に当たるグッド・フライデーとイースター・マンデーは休日(バンク・ホリデー)です。イースターにはさまざまな祝い方がありますが、多くの人がイースター・エッグを贈り合い、ホットクロスバーンズ(十字のマークのついた甘いパン)を食べ、子供たちは卵を飾り付けたり、卵探しの遊びに参加したりします。
4月23日:聖ジョージデー(イングランドの行事)
イングランドの守護聖人・聖ジョージの記念日(休日ではない)です。聖ジョージは、ドラゴンを退治して王女を助けたローマ人兵士だったという伝承があります。セント・ジョージ・クロス(白地に赤い十字のイングランド国旗)やモリスダンス(イングランドのフォークダンス)のイベントが催されます。
4月23日:ウィリアム・シェイクスピアの生誕日
4月23日は劇作家シェイクスピアの誕生日としても知られ、彼に敬意をはらうイベントが開催されます。この日を体験するなら、彼の生まれ故郷ウォリックシャーのストラトフォード・アポン・エイヴォンが最適でしょう。週末にかけてお祭りが開かれます。
イギリスの祝祭日とイベント行事(5月~8月)
5月1日:ベルテン
豊穣を祝い、夏の到来を告げるケルトの火祭り。起源は古代スコットランドやアイルランド、マン島にあり、現代的なイベントがさらなる人気を博しつつあります。最大のイベントは エディンバラ、ノース・ヨークシャーのソーンバラ、ハンプシャーのButser Ancient Farmで開かれ、夕暮れ時に30フィートのウィッカーマンを燃やすのが伝統的な慣わしです。
5月第1月曜&最終月曜:アーリー・メイ・バンクホリデー(祝日)
5月の月曜日のうち、2つが祝日です。
6月第2土曜:女王公式誕生日
女王の誕生日は4月21日ですが、1748年以降、イギリス君主の誕生日を6月に祝うのが伝統となっています。ロンドンでは 軍旗敬礼分裂式 として知られる軍のパレードが、ロイヤルファミリーの参加のもとに行われます。
6月中旬:父の日
父親・祖父・継父・義父に感謝を表す日。イギリスでは多くの人が父親にカードやギフトを贈り、ともに食事をしたり飲みに出かけたりします。
6月21日:夏至
一年で最も昼が長く、夜が短い日。夏至にストーンヘンジの古代遺跡を訪れて、ストーンヘンジのなかで北東に向かって立つと、太陽が燃えるように昇る様子を見ることができます。
6月下旬:グラストンベリー・フェスティバル
イギリスの夏は、音楽フェスティバルの季節。17万5千人もの観客が集まるこの「グラストンベリー・フェスティバル」は、最大かつ最も象徴的なイベントといえるでしょう。この時期は、ほかにも、ウェールズの「フェスティバルNo.6」やスコットランドの「T in the Park」といった大きなものから、全国各地の小さなものまで、多くの音楽フェスティバルが行われます。
6月下旬~7月上旬:ウィンブルドン選手権
世界で最も歴史のあるテニストーナメント、ウィンブルドン選手権 は、スポーツファンが最も注目する夏のイベントです。1877年以降、ロンドンのオールイングランド・クラブで開催されているウィンブルドンでは、伝統として、選手が白いウェアを着用することと、観客が名物のストロベリー&クリームを食べることで知られています。
6月/7月:イド・アル=フィトル(Eid al-Fitr)
ひと月続くラマダン(断食月)の終わりを意味する日で、イギリスのイスラム教コミュニティで大々的に祝われます。各コミュニティで独自のイベントが企画されるほか、 ロンドン やバーミンガム では、大規模なイベントや祝祭が行われます
7月下旬~8月上旬:コモンウェルスゲームズ
コモンウェルスゲームズは、4年に一度行われるオリンピックのような国際スポーツイベントです。71の国と地域から選手が集まり、様々な競技に参加します。壮大な開会式と閉会式は必見です。
8月初旬:アイステズボド
ウェールズ最大の芸術イベントで、ヨーロッパで最も歴史のある芸術文化祭のひとつ。ウェールズの音楽や文学を体験し、ダンスや演劇を楽しみ、本や工芸品を買うなど、さまざまな文化に触れることができます。
8月の3週間:エディンバラ・フェスティバル・フリンジ
フリンジでは、5万以上のパフォーマンスと3,000以上のショーが開催されます。世界最大の芸術祭として、演劇・コメディ・音楽・ダンスなどを楽しむことができます。
8月下旬:ノッティングヒル・カーニバル
8月のバンクホリデーの週末にロンドンで開催される ノッティングヒル・カーニバルは、ノッティングヒル(ロンドン西部)で開催されるヨーロッパ最大のストリートカーニバルです。約200万人のカーニバル参加者が陽気なカリプソ音楽で踊り、カリブ料理を楽しみながら、エネルギーに満ちたパレードを見送ります。
8月下旬:マンチェスター・プライド
年間を通して、イギリスの各都市でプライドイベントが開催されます。8月のバンク・ホリデーの週末には、何万人もの人々がマンチェスター に集まり、LGBTの平等を促進し祝います。
8月最終月曜:公休日
クリスマス前の最後の公休日です。
イギリスの祝祭日とイベント行事(9月~12月)
9月中旬:ロンドン・ファッションウィーク
ロンドン・ファッションウィーク は、パリ、ミラノ、ニューヨークの大きなショーと並び、最も注目を集めるファッションイベントです。年2回の開催のうち、1回目が2月に行われます。
10月:ベルファスト国際アートフェスティバル
国際的なテーマで現代アートを祝うフェスティバル 。毎年、革新的で著名なアーティストがベルファストに集結します。
10月31日:ハロウィーン
現代のハロウィーンのお祝いは、キリスト教の諸聖人の日の前夜祭とケルト人のサムハインの祭が起源とされています。子どもたちは近隣の家のドアをたたいてお菓子をもらったり、かぼちゃをくりぬいてランタンを作ったりします。学生たちはパーティや、パブ・クラブ・学生自治会で行われるハロウィーンのイベントに参加します。ポイントは、できるだけ気味の悪い仮装に挑戦することです。
10月/11月:ディーワーリー
ヒンドゥー、シーク、シャイナ教のコミュニティの「光のフェスティバル」です。レスター では、インド以外では最大級のディーワーリーが開催されます。ロンドン やノッティンガム では伝統的な料理・音楽・・ダンスが楽しめる派手なストリートパーティが行われ、ライト・ちょうちん・キャンドルが飾られ、花火も行われます。
11月:アウトバースト・アーツ・フェスティバル
このフェスティバル は、様々な背景を持つLGBTQ+の人々が、ストーリーやクリエイティブなアイデアを発信する場として毎年開催されています。
11月:モーベンバー
11月はモーベンバー・チャリティキャンペーン期間で、男性に口髭をはやしてもらい、健康問題への意識を高めてもらおうと働きかけています。
11月5日:ボンファイヤー・ナイト
1605年に貴族院の爆破とジェームス一世の暗殺を謀ろうとしたガイ・フォークスに由来する記念日。火薬陰謀事件の失敗は子供たちの歌(‘Remember, remember the 5th of November; gunpowder, treason and plot’)でも歌われています。多くのの都市で花火大会が開かれますが、最高の見どころは ルイズ(イースト・サセックス の中世の都市)の花火です。ルイズでは、花火大会にカラフルなパレードや音楽や衣装が花を添え、藁製(もしくは紙製)の伝統的な“ガイ”人形が焚き火で燃やされます。
11月11日:戦没者追悼記念日
軍人に敬意を表し、戦死者を追悼する記念日。戦没者追悼記念日のシンボルはポピーであることから、毎年イギリス在郷軍人会が紙製のポピーを売って退役軍人やその家族のための募金活動 をしています。11時に2分間の黙とうを捧げるのが慣例となっています。
11月30日:聖アンドリューデー(スコットランド)
守護聖人を記念するスコットランドの祝日 。伝統的な食事、詩の朗読、バグパイプの音楽やカントリーダンスなど、スコットランド各地で多くのイベントが行われます。フォークミュージックとフォークダンスの集いに出かけてみましょう。通常は “呼び出し人”がいて、ダンスステップを教えてくれます。
12月:ハヌカー祭
12月、イギリス国内各地のユダヤ教コミュニティでは、光のフェスティバルであるハヌカー祭を祝います。ロンドンではトラファルガー広場のメノーラ(ハヌカで点灯する燭台)がヨーロッパ最大です。通常ハヌカー祭初日に、無料のドーナツとライブ音楽が楽しめるイベントでロンドン市長により点灯されます。
12月25日:クリスマス
イギリスのほとんどの人々は、たとえ信仰がなくてもクリスマスを祝います。クリスマスツリーを飾り、プレゼントを贈り、キャロルを歌い、マルドワイン(温めた香辛料入り赤ワイン)やミンスパイ(ドライフルーツから作る「ミンスミート」を詰めた小さなパイ)を作ります。雪が降れば、雪だるまを作って雪合戦をします。伝統的なクリスマスディナーは各家庭で違いはありますが、ポテトや野菜を添え、グレービーソースをかけたローストターキーをメインに、デザートにクリスマスプディング(ドライフルーツ入りの蒸したスポンジプディング)を食べます。一ヵ月を通じて、イギリス各地で数多くのクリスマスマーケットやフェスティバルが行われ、観光客を魅了します。詳しくは、地元の雑誌や各学校で宣伝しているイベントをご覧ください。下記におすすめのイベントを紹介します。
- ウィンターワンダーランド(ロンドンのハイドパーク)
伝統的なクリスマスマーケットに加え、巨大な敷地内には遊園地の乗り物、サーカス、アイススケートリンク、氷雪製の彫刻などのアトラクションが人気のイベントです。暖をとるためのホットサイダーやモルドワインが振る舞われます。 - バーミンガムのフランクフルト・クリスマスマーケット
ドイツとオーストリア以外では最大規模のドイツマーケット。グリューワイン(マルドワイン)、ソーセージ、プリッツェル、甘味などが楽しめます。クラフトフェアでは、地元アーティストのユニークなギフトを購入できます。 - ベルファストのクリスマスマーケット
北アイルランドの学校に通うなら、ベルファストの市役所の外にあるカラフルなマーケットがおすすめです。フード、ドリンク、工芸品やクリスマス装飾品が販売されています。
12月26日:ボクシングデー
クリスマスの翌日はボクシングデーと呼ばれ、イギリスでは休日に当たります。使用人や御用聞きの人たちが、雇用主からもらったお金やプレゼントの“クリスマスボックス(BOX)”を開けることにちなんで名づけられたと言われています。ほとんどの人は散歩に出たり、スポーツ観戦をしたり、クリスマスで余った食事を食べたりして、家族と一緒に過ごします。