By ブリティッシュ・カウンシル アーツチーム

2020年 07月 08日 17:00

ロンドン・ナショナル・ギャラリーの内観、複数の絵画が展示されている部屋
The National Gallery ©

visitlondon.com/Jon Reid

英国では先週末から徐々に、新型コロナウイルス感染症対策で実施されたロックダウン措置の緩和が始まり、さまざまな業種で営業が再開しています。こうしたなか、英国の博物館、美術館でいち早く、ロンドン・ナショナル・キャラリーが、2020年7月8日に再開します。

ロンドン・ナショナル・ギャラリーを訪れる一般客、そして迎え入れる職員の安全と安心を確保するため、設備整備や新たなシステムの導入が進められてきました。111日ぶりに再開する、ロンドン・ナショナル・ギャラリーの感染症予防対策を紹介します。

設備面

  • チケットデスクやインフォメーションデスク、ギャラリーショップ、カフェのカウンターに、飛沫対策のアクリル板を設置。
  • 手指消毒液を館内各所に設置。
  • ソーシャルディスタンシング(2メートル)の確保を呼びかける表示の設置。
  • 職員への個人用防護具(マスク、手袋、フェイスシールドなど)の配布。
  • 館内の空調システムに高効率フィルターを設置。新鮮な空気を効率よく循環させる。
  • 清掃体制の強化。

運営面

  • 当面は開館時間を11-16時に短縮(金曜日のみ21時まで)。
  • オンラインでの完全事前予約制を導入(常設展示エリアはこれまで通り入場無料)。
    ※アクセシビリティの観点からオンラインでの予約が困難な場合のみ電話対応あり。
  • 入館者の数を制限。
  • 入館口、退館口をそれぞれひとつにし、鑑賞順路を定めて館内の一方通行制を導入。
  • 空間の狭い展示室は使わない。
  • 来館者に対して、マスクなど、鼻や口を覆うものの着用を推奨。

常設展示エリアの予約・鑑賞方法

  • ロンドン・ナショナル・ギャラリーのウェブサイトから、日時指定つき鑑賞枠を予約する(鑑賞枠は15分間隔で設定され、現在は8月16日まで予約可能)。
  • 同一人物がひとつの鑑賞枠に同時予約できるのは6枠(6名分)まで。団体予約は不可。
  • 常設展示エリアは、A(約25分)、B(約35分)、C(約25分)、3つの鑑賞コースに分けられ、一度の訪問で見られるのは、どれかひとつだけか、AとBまたはAとCのどちらかの組み合わせになる(BとCの組み合わせは不可)。鑑賞コースは当日選ぶことができる。

デジタル、オンラインコンテンツ

  • ヴァーチャル・ギャラリーツアーなど、24時間いつでも、どこからでもアクセスできるデジタルコンテンツの拡充。
  • 自由にギャラリー内を回遊できないなど制約があるなかでも、豊かな鑑賞体験ができるように、来館前にダウンロードできる各コースの順路図および解説を用意。
  • Smartifyアプリに対応。ギャラリーを巡りながら、アプリで作品をスキャンすることで詳しい作品情報にアクセスできる。

日本に住む私たちが英国を訪問できるようになるには、まだしばらく時間がかかりそうですが、今年は日本でもロンドン・ナショナル・ギャラリーのコレクションを直に鑑賞することができます。東京と大阪で開催される「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」(開催概要)は、史上初めて、ロンドン・ナショナル・ギャラリーの館外で開催される大規模な所蔵作品展です。

「イギリスとヨーロッパ大陸の交流」をキーワードに、ナショナル・ギャラリーのコレクションを通して西洋絵画の歴史をたどるこの展覧会で紹介される全61作品は、すべて日本初公開です。展覧会のハイライトを、ロンドン・ナショナル・ギャラリー学芸部長のクリスティン・ライディング氏の解説つきで紹介する動画も是非ご覧ください。

※日本の開催会場でも、日時指定制の導入など、感染症予防対策をとっています。展覧会公式サイトで入場方法をご確認ください。

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