英国では10月は「ブラック・ヒストリー・マンス」。黒人の功績や歴史、文化に焦点をあてた数多くのイベントなどが開催されます。英国に本部を置くブリティッシュ・カウンシルのアーツ部門も、ブラック・ヒストリー・マンスを祝して、各分野で今注目する英国の黒人アーティストやアート団体をオンラインで紹介。ここではその一部を掲載します。
パフォーミング・アーツ
パフォーミング・アーツ・チームは、振付、演劇、オーディエンス・ディベロップメントに携わる英国の黒人アーティストの作品を紹介しています。なかでも注目すべきは、パフォーマーであり、作家であり、演出家でもあるトラビス・アラバンサです。
トラビス・アラバンサ http://travisalabanza.co.uk/
パフォーマー、作家、演出家。トランスジェンダーのアーティストとして、今日の英国で最も発信力がある一人でもある。作品はテートやバービカンで公開され、初の詩集『Before I Step Outside [You Love Me]』は世界の19カ国以上の人に読まれている。
ブリティッシュ・カウンシルのエディンバラ・ショーケースでも紹介された舞台『BURGERZ』では、トラウマとなった個人的な体験を、他人や空間に対して勝手な判断をし、先入観や思い込みを生み出す人間の行動を問う、多層的なパフォーマンスに変えている。また、英国内に限らず世界の国々でトランスジェンダーの人の安全やトランスジェンダーの人のための空間について対話がされる場を作っている。
更に読む:ブリティッシュ・カウンシルパフォーミングアーツ・チームのWebページ(英語)
建築・デザイン・ファッション
建築・デザイン・ファッション・チームは、最近のプロジェクトで協働した2名のアーティストを紹介しています。
インカ・イロリ https://yinkailori.com/
分野横断で活動するアーティスト。作品の多くは公共空間に設置され、コミュニティの一員として私たちが共有空間をどのように利用するか、そこに対してどのような反応を示すのかに焦点を当てている。近年の作品には、フランスのリール近郊のスケートパーク「Colorama」、ロンドンのジャック・アーツとコラボレーションした大規模な壁画シリーズ「Happy Street」、ダルウィッチ・ピクチャー・ギャラリーのパビリオン「Colour Palace」などがある。
ジャデイ・フォード https://www.jahdayfordglass.co.uk/
2017年にマンチェスター・スクール・オブ・アートを卒業し、今後が期待される若手デザイナー。伝統的なガラス吹きの技術と現代のデジタルデザインの技術を融合した作品を制作している。伝統技術と最新テクノロジーの間にバランスを見つけ、デジタルデザインが持つ特徴に物理的な形を与える。ブリティッシュ・カウンシルが世界20カ国以上で展開するCrafting Futuresプログラムの「Why I Make」キャンペーン(2020)に参加。