演劇・ダンスからビジュアルアートまで、英国の障害のあるアーティストの作品を紹介
「アンリミテッド」は、障害のあるアーティストの創造性溢れる活動を支援することを目的に、2012年のロンドン五輪の開催にあわせて2009年に設立されたプログラムで、アーティストへの資金助成や作品の委託のほか、専門技能の育成や国際進出といった面でのサポートも提供されています。アンリミテッドを通して生まれた障害のあるアーティストの作品は、ロンドン2012 パラリンピック競技大会に合わせてロンドンのサウスバンク・センターで開催された「アンリミテッド・フェスティバル」で、国内外の観客に向けて発表され、注目を浴びました。ロンドン五輪の文化プログラムの最大のレガシーの一つとも言われた「アンリミテッド」はその後も継続して展開され、以降、サウスバンク・センターでのフェスティバルも隔年で開催されています。
5回目のフェスティバルとなる今年は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、全プログラムをオンラインに移行。2021年1月13日(水)から17日(日)に開催されます。今回のフェスティバルに参加するのは、主に、2019年のアンリミテッドの助成をうけて作品を制作したダンス、演劇、音楽、ビジュアルアートといった幅広いジャンルのアーティスト。ほぼすべての作品がZoomで配信され、配信後も48時間はアーカイブを視聴することができます。作品上演のほか、アーティストによるアフタートークや、ワークショップ、ディスカッションなど全33のプログラムが展開されます。プログラムの詳細や申し込み方法は、サウスバンク・センターの公式ウェブサイト(英語)及びアンリミテッドの公式ウェブサイト (英語)をご確認ください。
英国の障害のあるアーティストが手掛けた最新作にぜひご注目ください。
ピックアップ作品
Artificial Things(ダンス)
2021年1月15日(金)18:00(英国時間)から2日間、無料、オンデマンド上映
障害のある・なしに関わらず独自の表現を追求し2019年には日本公演も果たしたストップギャップ・ダンス・カンパニーによる作品。ザ・スペース、BBC、アーツカウンシル・イングランドによる委託作品である本作は、同名の舞台作品を再構築したもので、ダンス・スクリーン・アウォードも受賞。
作品詳細
111(ダンス)
2021年1月13日(水)18:00(英国時間)から2日間、無料、オンデマンド上映
カンドゥーコ・ダンス・カンパニーの車椅子ダンサー、ジョエル・ブランが、元スコティッシュ・バレエのプリンシパル、イブ・ムッツォとともに共演し、2018年のアンリミテッド・フェスティバルでグラスゴーのアートスペース、トラムウェイで発表されたダンス作品の映像版。2019年のエジンバラ・フリンジ・プログラムで上演された際には、フリンジ・ソールドアウト賞を受賞。
作品詳細
Insect Hands(子供向け作品)
2021年1月16日(土)10:00(英国時間)から2日間、無料、オンデマンド上映
子供向けに視覚的に楽しめるダンス作品を数多く手掛けてきたセカンド・ハンド・ダンスによる新作映像作品の世界初上映。英国を拠点に活躍する日本人俳優であるTakeshi Matsumotoが出演。4-7歳が主な対象。
作品詳細
Within Sight (マルチメディア作品)
2021年1月16日(土)18:00(英国時間)から2日間、無料、オンデマンド上映
アルビニズムを持つアーティスト、エレン・レントンによるソロデビュー作。若いアスリートがランニングに出るというストーリーにおいて、レントンの柔らかな口調でありながらもハードヒットな詩は、能力主義、インスピレーション・ポルノ、パラリンピックの神話といったテーマを取り上げています。
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