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Mat Wright

学校教育を取り巻く環境の変化は目覚ましく、教員研修の在り方についても変化が起こっています。特に新型コロナ感染症の拡大で、オンラインで研修をする機会が増えましたが、オンライン研修の現状については十分に理解されていない面もあります。

2021年11月から2022年4月にかけてブリティッシュ・カウンシルは、日本・中国・韓国の公立学校で勤務する英語教師の教員研修に関する調査をトリニティ・カレッジ・ロンドンに委託して実施しました。調査報告書(英文)では、日中韓の英語教員の向上させたい指導分野、オンラインを含む研修に対する取り組み、また研修に対する期待など、さまざまな現状とニーズが浮き彫りになっています。

また、特に日本の教育関係者に関心が高いと思われる部分について抜粋・暫定訳・再編集を行い、「日本向け要約」を作成いたしました。英語教員の皆様、研修を企画される教育委員会の皆様にとって興味深い内容です。英文報告書の補足資料として、ぜひご参照ください。 

日本向け要約まとめ  調査分析から示されたもの

  • 日本の教師が指導力を向上させたい分野として、学習者の動機づけやスピーキング指導、批判的思考や創造力などの21世紀型スキルなどに関心が強い。 
  • 英語力研修の必要性を訴える声も多く寄せられた。これには、生徒の英語力を育成する教科であるため、①教師の英語レベルを維持・向上したい、②指導のための効果的な英語使用について学びたい、の2つに大別される。 
  • 日本の教師は非常に多忙で、中国と韓国に比べて、研修時間を確保できないことが大きな課題である。 
  • オンライン研修に求めるものは「授業に役立つこと」である。オンライン研修の利点に対する認識はおおむね一致しているが、7割の教員が「対面研修」を希望している。同時に、オンライン研修に対する新たな工夫や英語での研修実施を求める声がある。 
  • 3カ国を比較すると、日本は一般的に研修に対する満足度が低い。研修を充実するためには、この点について別途調査を行うことが望ましい。

 

 英文の調査報告書は、一番下の関連サイトリンクよりダウンロードしてください。

関連サイト