英国が3月中旬にロックダウンに入った数日後には「オールウェイズ・プレイング」と題したデジタルプログラムを立ち上げたロンドン交響楽団(LSO)。どんな状況でも、あらゆる人々に素晴らしい音楽を届けようと、コンサートの配信のみならず若者や家族向けのプログラムなど、オンライン上でさまざまな取り組みを提供しています。ロックダウンの緩和とともに、現在はステージ上での活動再開に向けても始動している同団ですが、今後もデジタルプログラムは継続していく予定としています。
コンサートや楽団員が自ら選曲した演奏の配信
7~8月にかけては毎週金曜日にサマー・ショートと題したリサイタルを配信します。3月~6月までの間に配信されたコンサートもYouTube上で楽しむことができます。毎週月曜日にはコーヒーセッションと題した、LSOの楽団員が自ら選んだ曲を自宅で演奏したショート・パフォーマンスも配信。LSO Playでは、過去のコンサートの模様がインタラクティブな形で提供され、オーディエンスは「指揮者」「木管」「弦」など視点を選びならが楽しむことができます。
「サイモンはどこ?」など充実の教育プログラム
子ども向けのコンテンツも充実しており、年齢ごとに対応したデジタルプログラムが提供されています。例えば、5歳以上(Key Stage 1)のカテゴリーで紹介されているプログラム「サイモンはどこ?」では、指揮者サイモン・ラトルが、新型コロナウィルスの影響で、友人フィガロの結婚式に参加できなくなってしまった代わりに、LSOがオンライン・コンサートをプレゼントするという設定で、リハーサルの直前にいなくなってしまったサイモンを探しながら、画面上にオーケストラのメンバーが集まり演奏していくというストーリー。映像にも工夫が凝らされており、子どもだけでなく大人でも楽しめる内容です。