By ブリティッシュ・カウンシル アーツチーム

2020年 07月 10日 16:26

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VisitBritain/Peter Beavis

7月5日に約2100億円(15.7億ポンド)の緊急支援策を発表した英国政府は、7月9日、イングランドの劇場やコンサートホール、実演団体など舞台芸術関係者に向けて、再開へのロードマップおよび新型コロナウイルス感染症対策のための具体的なガイドラインを発表しました。

再開に向けてのロードマップ

ロードマップは以下5段階で、これまでステージ2まで許可されていましたが、7月11日以降、ステージ3となる「屋外での公演」も認められることになりました。ステージ4と 5に移行できる日についても、近日中に発表される予定です。

  • ステージ1:演者の稽古や練習が可能
  • ステージ2:放送や配信を目的とした公演が可能
  • ステージ3:ソーシャル・ディスタンスを保った限られた数の観客のいる屋外での公演と、屋内での試演が可能
  • ステージ4:観客のいる屋外での公演と、ソーシャル・ディスタンスを保った限られた数の観客がいる屋内での公演が可能
  • ステージ5:観客のいる屋外での公演と、より多くの観客がいる屋内での公演が可能

感染症対策のためのガイドライン

ガイドラインは、デジタル・文化・メディア・スポーツ省が、舞台芸術分野の関係者やパブリック・ヘルス・イングランドらと協議して作成したもので、再開を考慮する上での基本的な「リスク」の考え方や、演者、運営スタッフ、技術スタッフ、そのほか振付家や衣装デザイナーなど、すべての公演制作に関わる人たち、そして来館者の安全を守りながら、どのように稽古や公演を実施していくか具体的な対応策が記載されています。例えば、通常2メートルとされているソーシャル・ディスタンシングを取ることがどうしても難しい場合(演劇の特定なシーンやダンス、衣装合わせ、ヘアメイクなど)では、メンバーを固定化し、各人が接触する人数を減らすといった対策が推奨されています。

合唱や管楽器の演奏など感染リスクが高くなる可能性のある活動に関しては、政府の委託により、パブリック・ヘルス・イングランド、ロイヤル・オペラ・ハウスやBBCの音楽家、インペリアル・カレッジ・ロンドン、ブリストル大学の科学者らが共同研究を進められることになり、こうした研究結果をもとに今後ガイドラインをアップデートしていくとしています。また、感染症対策を実施する上で、人種や障害などによって排除される人がいてはならないなど、平等性の大切さも訴求されています。

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