By ブリティッシュ・カウンシル アーツチーム

2020年 09月 10日 10:47

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VisitBritain/Andrew Pickett

7月に約2100億円(15.7億ポンド)の文化芸術セクターへの緊急支援プログラム(Culture Recovery Fund)を発表した英国政府は、8月22日、同支援の第一弾として、新型コロナウイルス感染症の影響によって経済的に窮地に陥っているイングランドの135の民間のライブハウスやコンサート会場を対象に、合計約4億5千万円(330万ポンド)の支援金をアーツカウンシル・イングランドを通して提供することを発表しました。

助成先には、アデルやエド・シーランがキャリアの初期に演奏したロンドンのザ・トルバドゥールや、ビートルズが最初のライブを行ったリバプールのクラブ、ザ・ジャカランダなどが含まれており、額は最大で約1100万円(8万ポンド)です。

この発表を受けて、政府および関係者がコメントを出しています。

「私たちは今回の助成金を通して、優れた音楽産業がコロナウイルスの嵐を乗り切り、より強く立ち直れるように支援していく決意を表しました。ライブハウスは”奇跡”がはじまる場所であり、私たちの支援によって未来のアデルやエド・シーランが生み出されることを祈っています」(オリバー・ダウデン デジタル・文化・メディア・スポーツ大臣)

「この緊急投資はイングランドの音楽業界、アーティスト、音楽ファン、コミュニティにとって非常にポジティブな力となるでしょう。私たちアーツカウンシル・イングランドの専門性を活かして本支援プログラムを運営し、この危機的な状況において音楽団体を支えられることを嬉しく思います」(ダレン・ヘンリー アーツカウンシル・イングランドCEO)

「音楽業界にとってもファンにとっても素晴らしいニュースです。ライブハウスは私自身を含む多くのミュージシャンのキャリアのスタートに重要な役割を果たしているので、こうした場が支援されることは極めて重要です」(2019年ブリット・アワード・ブレイクスルー・アーティスト トム・ウォーカー)

今回のライブハウスやコンサート会場を対象にした支援は、2100億円の緊急支援プログラムの一部であり、ほかに独立系の映画館の支援として約4億円の支援が発表されています。今後、その他の文化芸術施設や文化遺産などに対しても支援が行われていく予定です。英国政府は、各団体に支援金への応募を促すとともに、#HereForCultureと題したキャンペーンを実施し、市民に対しても文化的な活動への参加を通してアートセクターを応援しようという機運醸成にも取り組んでいます。また、スコットランド政府も、約82億円(5900万ポンド)の文化芸術セクターへの緊急支援策を先日発表しており、英国全体として文化芸術セクターの復興に力を入れています。

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