『テンペスト~はじめて海を泳ぐには~』は、障害の有無、国籍、性別、年齢、経験の違いなどを超え、あらゆる人々が楽しめる舞台を目指して企画されました。英国の障害者アートムーブメントの先駆的存在であり、2012年のロンドン・パラリンピック競技大会開会式の共同ディレクターを務めたジェニー・シーレイを総合演出家に迎え、日英交流年「UK in JAPAN」の主要プログラムとして2019年2月にスタート。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて延期を余儀なくされものの、2年以上の準備期間を経て、2021年6月、あうるすぽっとで上演されました。
シェイクスピア最後の戯曲である『テンペスト』を現代版として大胆に再構成し、さらに新型コロナウイルス感染症の影響に見舞われた世界の有り様も反映させたオリジナル作品である本作には、日本、英国、バングラデシュの3か国から障害のある演出家、キャストが参加。国籍や文化など、それぞれの背景が多様であるだけでなく、障害の有無や種類も異なるため、演出にはそれらを活かした手法が取り入れられました。
新型コロナウイルス感染症の影響によって来日が困難となり、代わりにジェニー・シーレイがリモートで演出をすることとなったほか、英国、バングラデシュの出演者は映像を使った参加となるなど予想外の挑戦に向き合いながら制作を続け、文化や言葉、障害の違いを超えて新たな『テンペスト』を作り上げました。
公演概要
公演名:『テンペスト ~はじめて海を泳ぐには~』
日程:2021年6月1日(火)~6日(日)
会場:あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)
テキスト:W.シェイクスピア、パメラ・カーター
原作翻訳:松岡和子
テキスト翻訳:永田景子
総合演出・出演:ジェニー・シーレイ
演出:大橋ひろえ、岡康史
出演:大橋ひろえ、瀬川サチカ、関場理生、田代英忠、平塚かず美、柳浩太郎
吉冨さくら
映像出演:(英国)フィリパ・コール、ファティマ・ニーモーガ、ジャック・ハンター /(バングラデシュ)モハンマド・サダム・ビパリー、モシェド・ミア
主催:ブリティッシュ・カウンシル、公益財団法人としま未来文化財団、豊島区
特別協力:グレイアイ・シアター・カンパニー/ダッカ・シアター
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京