政治・経済をはじめさまざまな分野でグローバル化が加速度的に進展し、さまざまな分野で外国語能力が求められる時代になってきました。グローバル社会では、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度、相手の意図や考えを的確に把握し、論理的に説明できる能力などの外国語能力が求められています。

このような外国語能力の向上を図るため、文部科学省が設置した「外国語能力の向上に関する検討会」において、2011年6月に「国際共通語としての5つの提言と具体的施策」がとりまとめられました。その提言の第1は「生徒に求められる英語力について、その達成状況を把握・検証する」ことであり、そのための具体的施策として「国は、諸外国の取組も参考にしながら、国として学習到達目標を『CAN-DO リスト』の形で設定することに向けて検討を行う」、「中・高等学校は、学習到達目標を『CAN-DOリスト』の形で設定・公表するとともに、その達成状況を把握する」とされています。

一方欧州では、欧州評議会を中心に、言語政策や言語教育政策の研究を継続的に進める中で、Common European Framework of Reference for Languages(CEFR:ヨーロッパ言語共通参照枠)を開発しました。欧州の言語教育のシラバス、カリキュラムのガイドライン、試験、資格制度などに包括的かつ一貫した共通基盤を与えるものとして開発されたCEFR は、今や欧州のみならず世界の言語教育に影響を与えるに至っています。

ブリティッシュ・カウンシルは、文部科学省と共催で、日本における効果的な学習到達目標の設定と評価の実施に資するため、諸外国の経験について理解を深めることを目的として、「CAN-DOリストを活用した学習到達目標の設定と評価 ~CEFR が日本にもたらす示唆~」を開催しました。

主催:ブリティッシュ・カウンシル、文部科学省
日時:2012年5月29日(火)
場所:文部科学省

当日の発表資料:(以下「ダウンロード」からご覧になれます。)
基調講演 1 「学校教育段階における英語のコミュニケーション能力の向上について」
Richard Rossner(Evaluation and Accreditation of Quality in Language Services: EAQUALS: 言語サービス質認定評価機関前事務局長、言語教育コンサルタント)

基調講演 2 「CAN-DOリストは日本の英語教育に何をもたらすか」
根岸雅史(東京外国語大学 教授)

事例発表 1 「中国の学校教育段階における英語言語教育:CEFRの影響について」
Han Baocheng(北京外国語大学外国語言研究所 副所長、教授)

事例発表 2「CAN-DO リストを利用した学習と評価のサイクル化に基づく授業の効率化-生徒と教師の内省のための道具として」
永末温子(福岡県立香住丘高校 教諭)

パネルディスカッション  
パネリスト:Richard Rossner、根岸雅史、Han Baocheng、永末温子  
コーディネーター:笹島茂 

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