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音楽を通してホームレスを支援する英国のアート団体「ストリートワイズ・オペラ(Streetwise Opera)」は、リオデジャネイロ2016オリンピック・パラリンピック競技大会の公式文化プログラム、「セレブラ」の一環として、ホームレスとアートをテーマにした国際交流事業「Uma So Voz (英語名With One Voice)」を2016年7月19日から23日までリオデジャネイロで実施しました。

文化芸術を通してホームレスの人々を支援するアーティスト、アート団体の国際的なネットワーク構築を目指す本プログラムには、日本から、大阪釜ヶ崎を拠点とするNPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)の代表で詩人の上田假奈代氏と、東京を拠点とするダンスグループ「ソケリッサ!」から、ダンサーのアオキ裕キ氏とメンバー2名の計4名が参加。英国、オーストラリア、アメリカ、ポルトガルから参加するアート関係者、政策関係者、研究者などとともに、期間中リオデジャネイロのホームレスの方を対象としたワークショップや、ブラジルや世界各国におけるアートとホームレスの状況についてのプレゼンテーションを行いました。プログラム最終日の7月23日には1週間の集大成として、リオデジャネイロのホームレスによる演劇作品や100名を超える合唱隊によるパフォーマンス、ソケリッサによるダンス作品などが披露されたほか、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据え、アートとホームレスをテーマに、ロンドン、リオから東京へとバトンをつなぐパフォーマンスも行われました。

 ストリートワイズ・オペラは、2012年ロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会の際に、大規模な文化プログラム「ロンドン2012フェスティバル」の一環として、ロイヤル・オペラ・ハウスで英国各地のホームレス総勢300名が参加した作品「With One Voice」を上演し、大会史上はじめて、ホームレスの人々にスポットライトが当たったプログラムとして大きな注目を集めました。ロンドン五輪でのレガシーをリオでも継承すべく、ストリートワイズ・オペラは2013年以降、ブラジルの政策関係者やアート団体、アーティストとの交流プログラムを展開し、今回のリオ五輪文化プログラムでの国際交流事業「Uma So Voz」に発展しました。

2020年の東京大会においても文化プログラムの実施に向けて国や地方自治体、文化セクターにおいて気運が高まっている中、あらゆる人々が芸術文化に親しめる環境を整備し社会的弱者の方々に向けたプログラムに力を入れていこうとする動きも広まっています。ストリートワイズ・オペラは、過去2009年、2014年とブリティッシュ・カウンシルの招へいで来日し、大阪釜ヶ崎や横浜寿町などで音楽ワークショップを実施したほか、2020年に向けて日本におけるホームレスを取り巻く活動や文化芸術の持つ可能性について関係者と議論を深めています。

Uma So Voz参加者一覧

  • NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)/ 上田假奈代 (日本) 
  • ソケリッサ  / アオキ裕キ、横内真人、小磯松美(日本) 
  • Choir with No Name /  Pete Churchill (英国)
  • Cardboard Citizens / Adrian Jackson、Terry O’Leary (英国)
  • Mustard Tree / Jez Green  (英国) 
  • Shelly Coyne / Shelly Coyne (英国)  
  • Streetwise Opera / Matt Peacock、Ellie Raymont (英国) 
  • People's Palace Projects / Renata Peppl (英国・ブラジル)
  • Milkcrate Theatre / Jessica Hermosilla、Margot Politis (オーストラリア)
  • Theatre of the Opressed NYC / Sophie Nimmannit (米国)
  • Som da Rua / Jorge Prendas、Jorge Augusto、Ana Ribeiro (ポルトガル)

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