2000年以上の歴史があり「お伊勢さん」と親しまれてきた伊勢神宮。江戸時代には「生涯に一度は伊勢参りをしよう」と、人々の憧れと崇拝の的となり、現在も全国から多くの参拝客が訪れます。

ブリティッシュ・カウンシルは三重県伊勢市と協働し、2019年10月、英国を拠点とするアーティストを伊勢市に招へいし、アーティスト・イン・レジデンスを実施しました。600名を超える応募者から審査で選ばれた6組のアーティストが、伊勢市に2週間滞在し、伊勢神宮をはじめ、現地の工芸作家や地域の文化に触れるリサーチ・レジデンス。そこでの体験が作家の今後の創作活動に生かされるクリエイティブなプロジェクトです。

今回は、神宮の最も重要な祭典『三節祭』のひとつである『神嘗祭』も特別に見学するなど、アーティストたちの豊かな感性と、日本古来の文化が息づく伊勢が出合う、かつてないレジデンスプログラムになりました。

伊勢二見浦の夫婦岩を背景に海の前に立つ男女7名
お伊勢参りのスタートは、江戸時代から伊勢神宮参拝の拠点であった二見から。双子のアーティスト、ジェーン・アンド・ルイーズ・ウィルソンは夫婦岩に興味を持ち、滞在中何度も訪れていました。 ©

Ise City, British Council Photo by Hakubun Sakamoto

グレース・ボイル(Grace Boyle)

アートと科学が交わる場所で活動するアーティスト、ザ・フィーリーズの創設者。ザ・フィーリーズは人間が持つすべての感覚に訴える没入型仮想環境のための新感覚ストーリー・コンテンツを開発・制作するロンドンのスタジオ。調香、認知科学、クリエイティブ・テクノロジー、芸術的インスタレーションなどを用いてVR、AR、MRなどXリアリティ(XR)の世界をつくりあげる同スタジオは、マルチセンサリー・メディアで表現するストーリー・コンテンツを開発している。
グレース・ボイル Webサイト (英語)

シーズン・バトラー(Season Butler)

作家、アーティスト、劇作家、講師。著作、学術研究、パフォーマンスを通して、後知恵や希望が有する機会と落とし穴、大人になり未曽有の変化を遂げることについて考察し、狡猾さを増す未来に期待を持つことの意味を問いかけている。
シーズン・バトラー Webサイト (英語)

マシュー・ロジア(Matthew Rosier)

インスタレーション・アーティスト。過去の記憶、現在のゆがみ、将来のビジョンを用いて我々を取り巻く環境を拡張するような作品を手掛けている。建築を学んだ背景から、場所の使われ方、誰が場所を使うか、場所の歴史や未来、場所は現代社会について何を伝えるかなど、「場所」が重要である。ひとつの場所が日々経験することを誠実に記録し、再現あるいは表現し、人々が驚く斬新な方法で提示して場所の経験について考えてもらうことに関心を持っている。
マシュー・ロジア Webサイト (英語)

ダンカン・スピークマン(Duncan Speakman)

アーティスト、作曲家。リバプール舞台芸術大学で音響技術を学び、現在はブリストルのパーヴェイシブ・メディア・スタジオを拠点に活動している。モバイル・オーディオ・メディアやロケーション・ベース・メディアを用いて自由な空間を舞台に人々の感情に訴え身体を使って経験してもらう作品を制作している。 
ダンカン・スピークマン Webサイト(英語)

ニコル・ビビアン・ワトソン(Nicole Vivien Watson)

サーフェス・エリア・ダンス・シアターの芸術監督。12年以上にわたり躍動感にあふれ、社会問題への取り組みをパフォーマンスで表現する作品を生み出してきた。現在は、日本学での修士号取得を目指し、ロンドン大学アジア・アフリカ学院で研究を進めている。
サーフェス・エリア・ダンス・シアター Webサイト (英語)

ジェーン・アンド・ルイーズ・ウィルソン(Jane and Louise Wilson)

一卵性の双子姉妹。20年以上にわたりアーティスト・デュオとして共同制作を続けている。写真や動画、映画の拡張形態でのインスタレーションやその他レンズを使った媒体を用いて制作するアーティストとして、1990年以降イギリス国内外で高い評価を得る。1999年には、複数のスクリーンを使ったインスタレーション『Gamma』によりターナー賞候補となる。 

本プログラムは、ブリティッシュ・カウンシルと駐日英国大使館がラグビーワールドカップがスタートする2019年9月から東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年9月まで、約1年にわたり開催する日英交流年『UK in JAPAN 2019-20』の主要プログラムの一つとして開催されました。

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