バーミンガムの街中に、巨大な “フォレストガーデン”が出現する
2022年9月、自然の多様性を表現した壮大なフォレストガーデンを体験するパブリックアートインスタレーション『PoliNations』が開催されます。舞台となるのは、英国のバーミンガムにある『ヴィクトリア・スクエア』。この1300平方メートルに及ぶ広場に、圧倒的なスケールの色彩豊かな庭園が登場します。期間中は、音楽ライブやツアー、詩を用いた芸術的パフォーマンス、ライトショー、デザインワークショップなどを開催。プログラムの一部はオンラインで全世界に向けて配信され、アプリも公開される予定です。
PoliNationsの構想は、ある驚くべき事実から生まれました。ブリストル大学生態学教授で英国生態学会会長のJane Memmott氏らの調査に基づいた統計によると、デイジーやパンジー、リンゴの木、バラをはじめとする英国都市部の庭園で見かける植物の約80%は、英国原産ではなく外来種だというのです。英国の庭園の植物には、旅、移動、分散、新たなルーツといったストーリーが感じられ、移住と多様性をめぐる英国の複雑な歴史が反映されています。PoliNationsは、そうした英国のバックグラウンドについて考え、植物の豊かさと地球の健やかさがいかに重要かを改めて知る貴重な機会となるでしょう。
英国の著明なイベントを手掛けるクリエイター、スペシャリストが集結
制作・監修を担当するのは、ブリストルを拠点に活動するアート団体『Trigger』です。大規模な野外ライブやデジタルイベントの企画・プロデュース、公共施設の再生などを手掛けており、エリザベス女王陛下即位70周年の記念式典『プラチナ・ジュビリー』でも彼らのクリエイティブが何千人もの観客に披露され、イベントを活気づけました。
コンセプト・クリエイティブチームには、Triggerのアーティスティック・ディレクターを務めるAngie Bual氏、学際的なデザイナー兼アーティストで2012年ロンドンオリンピック開閉会式でもその作品が称賛されたCarl Robertshaw氏、そして、受賞歴を持つ建築・研究・空間デザインスタジオ『THISS』が参加。制作チームには、構造工学・コーディング・数学・建築のバックグラウンドを持つエンジニアリング・デザイナー『Format Engineers』のほか、ライブイベントのスペシャリスト『Dock Street Events』が名を連ねています。
会場となるフォレストガーデンでは、12メートルを超える『Super-Trees』を中心に、何千もの色彩豊かな植物が共存しています。Super-Treesは、雨水を吸収し、風の力を利用して電気をつくり出す“人工樹木”です。PoliNationsの最後には、4日間にわたり、“カーニバル”や“ホリ(ヒンドゥー教の春祭り)”を融合させた華やかなパーティー『Ballistic Seed Party』が開催されます。すべてのプログラムが終了した後、残された苗木はコミュニティに配られ、バーミンガムの緑地の発展に寄与する予定です。
日本からプログラムを楽しむ方法
日本からも、オンラインでプログラムを楽しめる方法を紹介します。
- UNBOXED 公式サイト内プロジェクトページ(英語)
『PoliNations』の舞台となる庭園のイメージ画像をご覧いただけます。 - UNBOXED YouTube 公式アカウント『PoliNations』(英語)
『PoliNations』のイベント概要のプレゼンテーション動画をご覧いただけます。 - アプリの提供とあわせて、プログラムの一部がオンラインで公開される予定です。『PoliNations』のプロジェクトサイト(英語)よりニュースレターにご登録いただくと、最新のニュースやイベントに関する情報をご確認いただけます。