日英の音楽家と川崎市内の特別支援学校の生徒が、新しい曲づくりにチャレンジ
川崎市、ブリティッシュ・カウンシルと英国のアート団体ドレイク・ミュージックとの日英共同プロジェクトは2021年で4年目を迎えました。今年は、これまでドレイク・ミュージックによるトレーニングに参加し、障害のある人も参加するインクルーシブな音楽ワークショップの実践スキルを身に着けた日本の音楽家が、川崎市内の特別支援学校の生徒たちとワークショップを重ね、一緒に新しい曲づくりにチャレンジしました。
2021年5月から7月にかけて、川崎市内の特別支援学校3校の生徒27名と18名の教員、そして13名の日英音楽家が、のべ20回の音楽づくりワークショップを行い、オペラ《アイーダ》の音楽をインスピレーションに曲づくりを進めました。
当初は、英国からドレイク・ミュージックのメンバーを迎えて、日本の音楽家と一緒に学校でのワークショップを行う予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で、今年は残念ながら来日は叶いませんでした。しかし、オンラインのビデオ会議ツールも活用して、日本の音楽家と密に連携を取りながら、英国からのビデオレターや、毎回のワークショップの様子を動画で共有することで日英共同での音楽づくりを実現しました。
完成した《かわさき組曲》は、2021年8月9日、フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2021のフィナーレコンサートで、東京交響楽団が世界発演奏を行いました。生徒たちが生み出すリズムやメロディ、思い思いに奏でる音を集めてできた曲は、生徒の個性や創造性だけでなく、ワークショップの雰囲気も捉えた作品になっています。生徒たちと創りあげた音楽を聴いた多くの方に、自己表現の方法としての音楽の力、そして障害のあるなしにかかわらず、誰もが音楽に親しみ、創造性を発揮できることの意義を感じていただければ嬉しく思います。
《かわさき組曲》ができるまでのプロセスや聴きどころ、音楽家のメッセージをまとめた冊子を本ページ下のリンクからダウンロードいただけます。
プロジェクト紹介ページ(ミューザ川崎シンフォニーホール公式ウェブサイト内)にワークショップレポートなどを掲載しています。ぜひあわせてご覧ください。