ノートパソコンの画面を見ながら話す2人
2019年12月に行った、ワークショップでの様子。音楽家やテクノロジー関係者、障害のある音楽家が参加。  ©

British Council Photo by Kenichi Aikawa

障害のある音楽家やプログラマー、エンジニアなどと一緒に、障害のある人の音楽活動の可能性を拡大するテクノロジーの応用に着目したプログラムを多数手がける、英国ドレイク・ミュージックのメンバーを迎え、2019年12月7日(土)、テクノロジーを使ったDIY楽器づくりワークショップを川崎市で開催しました。障害のある人との協働による楽器開発の過程を体験しながら、その多様なニーズをサポートし、新しい音楽表現を可能にするテクノロジーのクリエイティブな活用を探りました。

ワークショップの様子はCINRA.NET掲載の記事、音楽や楽器の新しい定義を見つける。ドレイク・ミュージックの実践で紹介しています。

工作道具が置かれている机に並んで座り、カメラに向かってほほ笑む3人
左から、ドレイク・ミュージックのベン・セラーズ氏、ティム・イエイツ氏、ダリル・ビートン氏 ©

British Council Photo by Kenichi Aikawa

ファシリテーター紹介

ダリル・ビートン (アーティスティック・プログラム・リーダー)

舞台芸術分野で、障害のある人や若者を対象とした芸術活動に長年従事してきた。2006年から約10年間、若者のための劇団、Kazzumで芸術監督を務め、2013年には長年に渡る青少年のための活動が認められAction for Children’s Arts Members Awardを受賞。2012年のロンドンパラリンピック競技大会のオープニングセレモニーにパフォーマーとして参加。現在、ドレイク・ミュージックでの活動以外に、グレイアイ・シアター・カンパニーのアソシエイトディレクターとして舞台に立つほか、フリーランスの舞台アーティストとして英国内外で活動している。

ティム・イエイツ (ドレイク・ミュージック、プログラム・リーダー)

受賞歴を持つサウンドアーティスト、ミュージシャン。パフォーマンスやインスタレーションのために多様な楽器の開発も行っている。これまでテート・モダン、ヴィクトリア&アルバートミュージアム、ロンドン・デザイン・ウィークなどで作品を発表。サウンドハッキングに特化した団体で、アーティスト、エンジニア、科学者に発表の場を提供するHackousticの創立者、ディレクター。Hackousticチームの一員としてWe Are Robotsフェスティバル、Abbey Road Hackathon、テート・モダンの “Tate Lates” など、幅広いイベントの運営を手掛けている。近年では障害のある音楽家、DJ Arthroのためのワイヤレス・ループシステムの開発を目的とした「Loopfree」プロジェクトで権威あるスウェーデン王立工科大学の「KTHイノベーション・ミュージックテクノロジー・チャレンジ賞」を受賞。またドレイク・ミュージックのR&D(研究開発)プログラムのリーダーに就任し、多様な障害のある人のためにアクセシブルな楽器の開発を行っている。

ベン・セラーズ (ドレイク・ミュージック、アソシエイト・ミュージシャン)

英国におけるテクノロジーを取り入れた音楽教育プログラムのパイオニア。教科書『Teaching Music with Garageband for iPad』をはじめとする音楽教材の著者。これまでBBC交響楽団、ロンドン博物館などの芸術機関や音楽フェスティバル、英国各地の音楽教育機関などを対象にトレーニングを行ってきた。音楽ワークショップを参加者や社会に変化をもたらすものととらえ、現在は特に障害のある人の音楽へのアクセス向上に取り組んでいる。

関連サイト