トーンチャイムを手に持ち、椅子に座る人が作る円の中心で、指揮棒を振る車椅子に座った男性
ワークショップでは、知識を身につけるだけでなく、実践的なスキルトレーニングを行う。 ©

British Council Photo by Kenichi Aikawa 

あらゆる人に音楽の楽しみを。インクルーシブな音楽教育の実現に向けた実践的手引き

ドレイク・ミュージックは、テクノロジーを活用し、障害のあるなしにかかわらず多様な人々の音楽へのアクセス向上に取り組む、英国のアート団体です。ブリティッシュ・カウンシルと川崎市は、彼らとともに、あらゆる人が音楽に親しみ、創造性を発揮できる社会の実現を目指す日英共同プロジェクトを2017年より展開してきました。

その活動の一環として、今回、ドレイク・ミュージックが公開しているリソースの中からいくつかを日本語に編集・翻訳し『インクルーシブな音楽教育の手引き-英国ドレイク・ミュージックの実践より』を作成しました。本ページからPDF版をダウンロードいただき、ぜひご活用ください。

『インクルーシブな音楽教育の手引き-英国ドレイク・ミュージックの実践より』の概要

障害について話すことを躊躇する、という人は少なくないかもしれません。自分の理解に自信がないこと、あるいは間違った表現をしてしまうことへの迷いなど理由はさまざまですが、インクルーシブな社会の実現に向けて課題を解決しようとするとき、そうした不安を解消することは大きな一歩となります。重要なのは、常に正しい言葉で話すことよりも障壁が生まれる背景の理解と解決の手段を身につけることです。

本手引では、ドレイク・ミュージックが実践する音楽教育の根底にある考え方を紹介しており、障害に対する理解を深め、障壁を解消する工夫が施されています。また、課題を解決するための手法やデジタルツールも取り上げており、音楽教育の場ですぐに活かせる実践的なガイドブックとなっています。

具体的には、以下の内容で構成されます。

  • 障害に関する過去150年の考え方・思想の変遷
  • 音楽プロジェクトをインクルーシブな環境で進めるためのコミュニケーション方法
  • 実践的に使えるアプリやソフトウェアの解説

その歴史的背景から実践的なツールの活用術まで、多様な人々と音楽づくりをする上で有用な情報が簡潔にまとめられています。音楽ワークショップを実践する音楽家、音楽教育に携わる教員や市民を対象としたアウトリーチプログラムを実施する芸術文化機関の関係者、多様な背景を持つあらゆる人々への音楽参加を推進する方々にご活用いただける手引となっています。

ドレイク・ミュージックについて

障害のあるなしにかかわらず、あらゆる人が音楽に親しみ、創造性を発揮できる社会の実現を目指す英国のアート団体ドレイク・ミュージック。25年以上にわたり、音楽x障害xテクノロジーの分野におけるイノベーターとして、多様な人が音楽に親しみ、音楽活動に関わる機会を生み出すテクノロジーを創出してきました。幅広い年齢層の障害のある人々に向けたアクセシブルな音楽サービスを提供するほか、障害のある人の音楽アクセスを向上するために音楽家や文化機関に向けたトレーニングプログラムなども実施。さらには、障害のある音楽家のためにテクノロジーを駆使し先進的でアクセシブルな楽器を開発するなど、その活動は多岐に及んでいます。

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