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British Council, Photo: Kenichi Aikawa

2012年のロンドン五輪では、とりわけパラリンピックが大会史上これまでにない盛り上がりを見せ世界的な評価を得ました。五輪開催にあたって街のバリアフリー化が進み、障害のある人々も気軽にスポーツや文化を楽しめるような機会が増え、人々の意識にも大きな変化が起きたと言われています。また、文化プログラムのひとつとして、障害のあるアーティストの創造性溢れる活動を支援する大規模なプログラム「アンリミテッド」が英国全土で展開され、障害のあるアーティストの育成や環境整備、助成プログラムを通して、アーティストの活躍の場の拡大に大きく貢献しました。

こうした状況を受けて、英国において障害のある人々の文化へのアクセスの改善に長年取り組んできた芸術団体シェイプ・アーツを迎え、2016年3月21日にフォーラムを開催。フォーラムでは、シェイプ・アーツが英国での障害と文化を取り巻く状況や社会的背景、2012年のロンドン五輪やアンリミテッドのインパクトなどについて紹介したほか、日本の文化芸術関係者とともに、2016年4月から障害者差別解消法案が施行される状況も踏まえ、日本の文化芸術機関の抱える課題や、障害のある方の文化芸術活動の今後の可能性について幅広く議論しました。

フォーラム「多様な人々が創造性を発揮できる社会のため、文化芸術機関が果たすべき役割とは? ―ロンドン2012から東京2020、その先の未来を考える―」

スピーカー:
フィオナ・スレーター / バーバラ・リシキ / ゾーイ・パーティントン(シェイプ・アーツ)
道躰正成(厚生労働省 障害保健福祉部 企画課 自立支援振興室 室長) 
間瀬勝一(公益社団法人 全国公立文化施設協会 アドバイザー)
森田かずよ(CONVEY主宰/NPO法人ピースポット・ワンフォー理事長)
眞野純(KAAT神奈川芸術劇場 館長)

モデレーター:
野澤和弘(毎日新聞論説委員)

開催概要

日時:2016年3月21日(月・振休)14:00-16:30 
会場:NHK横浜放送局
主催:ブリティッシュ・カウンシル、KAAT神奈川芸術劇場

シェイプ・アーツについて 

障害のある人々の文化へのアクセスの向上に取り組んでいる英国の芸術団体で、代表含めそのメンバーとしても障害のある人が多く参加している。障害のあるアーティストの活動機会の促進をめざすとともに、芸術文化機関があらゆる人々に対してより開かれたものになるための研修プログラムや、参加型のアートプログラムの運営などを行っている。受容性(inclusion)、平等性(equality)およびアクセス(access)の分野で、30年を超える革新的な取り組みを通じ、この分野におけるリーダーとして評価を受けている。これまでにロイヤル・オペラハウス、大英博物館、アーツカウンシル・イングランド、大英図書館、ロンドン・オリンピック・パラリンピック組織委員会文化チームなど、英国の主要な芸術文化機関に対して研修を提供。ロンドン五輪の経験をもとに、2012年以降、ブリティッシュ・カウンシルと共に、ブラジルの主要な劇場や美術館のスタッフ向けたトレーニングやアクセシビリティの向上に向けてプログラムを展開している。シェイプ・アーツでは、障害のある、プロフェッショナルな人材がトレーナーとして活躍している。

 

(ブリティッシュ・カウンシルは、平等で多様性あふれる社会の実現にコミットしています。詳しくは「平等性・多様性・受容性―私たちの取り組み」をご覧ください。)

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